「おはよう」ニコニコと虎は元気に挨拶をする
・・・誰にでも。

学校に行くようになってからは、同じ学校の顔見知りだけにするようになった。

「おはよう、〇〇ちゃん」
「おはよう、虎くん」

虎にとっては幸せな時間。交流がなく、クラスには人との関わりが苦手な子ばかり・・・。
登校時だけが、お友達と一緒。手をつないで嬉しそうだ。

ところが、夏休み開け、事態は変わる・・・

虎の姿を見かけただけで、逃げてく子供達。

挨拶どころか、近寄れもしない。後ろを見ながら車の間を抜けて、通学路として禁止されている通りを走ってく。
それほど嫌なんだ・・・

嫌われているのに、仲良くしてくれとは思わない。
ただ、虎が追いかけてくると思い込み、危ない所を通って事故にならなければ、と思う。

伝えたくても、声が届かない。家に電話すれば、きっと勘違いされて、嫌な思いをさせてしまうだろう。

虎のつぶやいた一言が、辛かった。
「友達、ナイナイ。虎は母ちゃんとちびと、ずっと3人だけ・・・」
いつもニコニコの虎の笑顔が消えた。

・・・ごめんね。母には、どうすることもできない。

切なくて、悲しくて、悔しい・・・