真夜中にふと目が覚めた
布団の中で
あれこれ思いを巡らす
…そういえば
2 、3日前買い物してたら
この曲が流れてきて
胸がぎゅっとなって
泣きそうになったっけ
そうか、11月か
11月だからか…
母が亡くなって
何度目の11月だろう…?
10年以上経つのに
いまだに11月になると
あの時の気温の感じや
季節の匂いを思い出して
悲しい気持ちになる
10月の終わりごろに
脳幹出血で倒れた母
医師からは
治療のしようがない
今はもう動くことも
意思の疎通のできない
ただ死を待つだけだ
そんなふうに言われた
それでも
家族を仕事や学校に
送り出した後
毎日のようにお弁当を持って
母の病院に行ったっけ
昼下がりの静かな病室
母のベッドに頭を埋め
手を握っていたら
ぎゅっと握り返してくれた
一度握ると
一度
二度握ると
二度
三度握ると
三度…
ちゃんとわかってるんだ!
嬉しくて
何度も何度もそれを繰り返した
でも、母にとっては
動けないししゃべれないし
ただ死を待つだけのつらい時間
倒れた時にいっそのこと…そんなふうにも考えた
でも今ならわかる
あの時間は
私が母の死を受け入れるための
母からの優しい最後のプレゼントだったんだって
YUIのこの曲は
母を思い出す時いつも心の中に流れてくる
良い娘じゃなかったよね
ごめんなさい
いろんなすれ違いがあったね
そういえば
今日目が覚める前も
着物を着た母が夢の中に出てたっけ
着物好きだったもんね
悲しいけど
優しくて柔らかい悲しみ
今年はそんなふうに感じられる
時が癒してくれるって
こんなことを言うんだろうか
優しくて柔らかい悲しみに包まれ
今日は母を想って過ごそう

