そんな人に触れるたびに
私には何の力もなくてどうしてあげることもできないけど
せめて、
ぎゅっと抱きしめてあげられたらいいなと思う時がある
でも現実にそんなことをするのはなかなか難しい
今ハンドメイドのボランティアに行っている施設に
デイケアで通っている70歳の女性がいる(前にも書いたけど)
彼女は脳梗塞で倒れてから
半身不随になり
それ以来車椅子での生活
会話をすることも食事をすることもできなくなった
家族の協力や理解も薄く
胃瘻で命をつなぐだけの日々
もう胃瘻をやめて死んでしまいたい
そんなことを言って施設の職員さんを困らせることも度々あったそう
だけど、私が初めてボランティアに行った次の日
このハンドメイドのボランティアを企画した訪看さんに
「とても楽しかっただからこれからもずっと月歩さんに来てもらいたい」と涙ながらに言われたのだと訪看さんから教えてもらった
私自身病気の合併症でできないことが増えていくばかりで落ち込むばかりの日々
でもこんな私でもまだ誰かに何かを与えることができるんだとわかり
とてもうれしくなった
先日のボランティアの日
彼女との会話はいつも文字盤を通じて
目が不自由な私のためにゆっくり一文字ずつ指差してくれる
それを私がひとつづつ声に出して読んでいく
あ り が と う
い つ も き て く れ る の を た の……
もうここまで読んだら彼女の言いたいことがわかって
胸が詰まって後は言葉にならななり
ただただ、大きくうなずいた
「こちらこそありがとうそんなふうに言ってくれるととっても嬉しい「そう言って
彼女の肩をぎゅっと抱きしめた
ちょっとびっくりしたみたいだけど満面の笑みでこたえてくれた
自己満足なのかもしれない
でも私が伝えたいことを表現するにはこれしか思い浮かばないんだからしょうがない
訪看さんはいつもこういう
「何かを与えると言う事は
自分も何かを与えてもらってることなのよ」と
その意味がやっとわかった気がした
今年は長年介護してきた義母が亡くなって
私自身の病気もさらに進んでといろいろなことがあったけど
悪いことばかりじゃなかったなって思う
抱きしめて
やがってや抱きしめられる
長文読んででいただきありがとうございました