本当にあの頃
家族全員(父以外)
家族全員(父以外)
ひどい状態だった
母のことを聞きつけた
母方の親戚たちがやってきて
母を無理矢理
病院に連れて行った
母方の親戚たちがやってきて
母を無理矢理
病院に連れて行った
もちろん即入院
メンツを潰されたように感じた父は
ひどく怒り狂った
ひどく怒り狂った
だからといって仕事探しに行く
なんて事は全くなかったけど(苦笑
私は
入ったばかりの高校を
入ったばかりの高校を
やめて働くしかないのかな
そんなことを考え始めていた
ある日の夕方
そんなことを考え始めていた
ある日の夕方
母の入院騒ぎで
立場をなくしていた父が
意気揚々と帰ってきた
意気揚々と帰ってきた
父の口から出た言葉は
「俺のおかげで
生活保護が受けられるようになったぞ!
月歩、お前も高校はやめなくていい
月歩、お前も高校はやめなくていい
成績が良ければ受けられる
奨学金の手続きをしてやってきたから」
だから
「今から俺に手をついてお礼を言え」
そう言って胸を張った
何が御礼なんだろう?
奨学金の手続きをしてやってきたから」
だから
「今から俺に手をついてお礼を言え」
そう言って胸を張った
何が御礼なんだろう?
誰かのコネをたどり
どこかの議員に泣き付いて
生活保護に奨学金なんて
どこかの議員に泣き付いて
生活保護に奨学金なんて
誰かに頼るのではなく
今度は、父自身で働いてこの窮地から
抜け出して欲しかったのに
どこまで腐りきった人なんだろう
心から軽蔑した
幸いなことに
数ヶ月後には母は回復し
また前のように仕事に行き始めた
成績を下げちゃいけないと言う
プレッシャーを受けながらも
私も何とか高校卒業することができた
成績を下げちゃいけないと言う
プレッシャーを受けながらも
私も何とか高校卒業することができた
以前と変わったことといえば
母がインスリンを打たないと
生きていけない体になってしまったこと
これは私に
母がインスリンを打たないと
生きていけない体になってしまったこと
これは私に
とても大きな
影響とダメージを与えた
(母本人が1番辛かったのだろうけど)
暗い部屋で
背中を丸めながら隠れるように
インスリンを打つ母の姿
それを冷たく見つめる父の目
影響とダメージを与えた
(母本人が1番辛かったのだろうけど)
暗い部屋で
背中を丸めながら隠れるように
インスリンを打つ母の姿
それを冷たく見つめる父の目
実家を思い出すとき
一番に頭の中に浮かぶ風景
とても辛く悲しい風景
一番に頭の中に浮かぶ風景
とても辛く悲しい風景
糖尿病と言う病気
目を背けるように
私はその現実に蓋をした
目を背けるように
私はその現実に蓋をした
商業の高校を卒業した私は
市内の事務職に就くことができた
市内の事務職に就くことができた
1ヵ月働いても
お給料は8万足らず
お給料は8万足らず
それでもそんな給料の中から
着物が大好きだった私は
成人式用に振袖を買った
ピンクの可愛らしい振袖
着物が大好きだった私は
成人式用に振袖を買った
ピンクの可愛らしい振袖
そのローンと
家計を支援するためにと
合わせて53,000円を
毎月母に渡した
手元には2、3万しか残らない
それでも幸せだった
初めて自分の自由になるお金
初めての給料は
大きなケーキを買って食べたっけ
手元には2、3万しか残らない
それでも幸せだった
初めて自分の自由になるお金
初めての給料は
大きなケーキを買って食べたっけ
事務職だからか
事務職じゃなかったからなのか
働きだして数年しかたたないうちに
ひどい腰痛に悩まされることになった
まだ20歳にもなっていないのに…
ひどい腰痛に悩まされることになった
まだ20歳にもなっていないのに…
腰痛はどんどんひどくなるばかり