女王様おつつしみ下さいませの巻き
配役
モンスター女王様・・・義母
召使①・・・義母の一人息子
召使②・・・息子の嫁(わたし)
女王様(義母)は股関節を骨折され自由に歩く事ができなくなったため
今は城(老健)で療養(リハビリ)生活を送っていらっしゃます
この間、城(老健)の家臣(ケアマネージャー)から
「実は女王様のことでご相談したいことがあるのですが・・」
という留守電が入っていた
それを聞いた召使②の胸に嫌な予感が走った
・・・と言うのも
「ノドでも詰まらせては大変なのでお菓子は持ってこないでください!」と
お世話係さん(介護職員)にきつく言われているのにもかかわらず
みんな持って来て食べてるからと召使①に命じ
召使①も女王様(義母)の嘘だと判っていながら
どうせ老い先短いのだからお菓子ぐらい好きなだけ食べて頂きたいと
いつものように吟味に吟味を重ね
女王様のお気に召すような菓子を献上したのだったが
何という事かそれを
お世話係さん(介護職員)に見つけられてしまった女王様
わたしは一口も食べてない!
ダメだと言うのに召使①が勝手に持って来るのだと
バレバレのをシラ切り通し周りのひんしゅくをかった事や
城(老健)には他家の王様や女王様がたくさんいて
何でも順番なのに
とにかくわたしだけは早くして!と我儘放題
お世話係さん(介護職員)にたしなめられることも度々だそうで
そんな話を召使①からさんざん聞かされていた召使②は留守電の言葉を聞き
とうとう危惧していた時が来たのかも知れない思ったのだ
その危惧とは
「お宅の女王様は我儘過ぎてもう面倒見ることはできません
ノシ付けてお返しますので、どうぞお引き取り下さい」と言う心配
結局電話の内容は女王様(義母)の返品話ではなく
舞踏会(リハビリ)で履く新しい靴が必要(前回の更新)だという話だったが
それ以来召使②は電話が鳴るたびに
今度こそ、危惧が現実になるのでは・・と不安になるのでありました
とりあえず返品されなくて
めでたし、めでたし
PS・女王様、お世話係さん(介護職員)は
召使ではありませんのでおつつしみ下さいませ
実際、伝い歩きもできない義母が家に帰ってきても
わたし一人ではお手上げだ
それでも家に他人が入ってくるのを拒み
訪問介護をまったく受け入れない義母
年取ってからなかなか性格は変えられないから
仕方ないという旦那
しかし、義母が帰ってきたら以前より身体が不自由になった分
介護は大変になるだろう
なのでせめて伝い歩きができるようになるまで
老健に置いてもらいたい・・・召使②の切なる願いなのです

