そしてわたしはまた自分の心に蓋をした
「何があっても責任取れません!」
「すぐに入院しないと死にますよ!」
医師からのどんな言葉にも蓋をして心を閉ざした・・・
姑にゴキブリを盛られた嫁の行方(5
長男が幼稚園、次男が赤ん坊の頃
人工透析が必要になった実父の入院生活が始まった
その頃旦那は仕事の関係で日曜日しか休みが無く
わたしは幼い二人の子育てに追われ
夫婦ともども忙しい時間を過ごしていた
なのに旦那は日曜の夕方になると必ず
子どもたちとわたしを車に乗せて
父の入院する病院に向かった
「あんな人の顔なんか見たくもない、お見舞いなんか行く必要ない!!」
そうあの人は・・父という人は
3か月も入院している娘の病院に遊ぶ金をせびりにくるような人
母が糖尿病で働けなくなるとどこかのツテを駆使して
生活保護と奨学金の申請を済ませてきて
「俺のお蔭でお前は学校を辞めなくて済んだんだから礼を言え」と
わたしに土下座を要求する
そんな人だった
頑ななわたしに旦那はこう言った
「今はそうかもしれないけど後で後悔しないために今できる事はするんやで」と
だけどその時わたしは
旦那の言っている意味がよく判らなかった
ただ、孫の成長を見て喜ぶ父・母の笑顔を見て
これでも良いのかなといつしか思えるようになっていった
帰りの車内でよく旦那はわたしを褒めてくれた
「孫の顔を見せて親を喜ばせて、お前は本当に親孝行や」
わたしはずっと普通の家庭に産まれたかったと思って生きてきたが
死が迫った父に孫の姿を見せるそんなシーンに身を置くことで
探し求めていたモノをやっと手に入れたような
そんな気持ちになれたのも事実だった
そして、3年もの長い入院生活の末に父が亡くなった時
「今はそうかもしれないけど後で後悔しないために今できる事はするんやで」
と言った旦那の言葉の意味がやっと理解できた
週一のお見舞いは両親のためでもあり
わたしのためでもあったのだ
誰かに「あなたは父親の死に後悔はありませんか?」と聞かれたら
誰にだって「ハイ、有りません!!」と胸を張って言えるだろう
酷い父だった泣かされたことも何度も・・
ひどい人だからと同じようなことをするのは楽だし簡単だ
でもわたしは逃げずに子として人として精一杯父と向き合い見送った
もし死後の世界で答え合わせがあったら
そこのところ、神さまにしっかりアピールしようと思ってる(笑
そしてそんな方向へ導いてくれた旦那に
心からの感謝
・・・と言うと旦那がとても偉大な人思えるかもしれませんが
ただの普通のおっさんです
もう離婚してやる!と思う事も度々
でも、良いところも悪いところもあるのが人間
お互いの足りないところを補い合うのが夫婦
偉そうに聞こえるかもしれないけど
最近やっとそんなことが少し判ってきたような気がする
明日は先端医療センターで診察
液検査なのですぐには結果はでないだろうから
中途半端な気持ち
でも、この先わたしの目の最終形
最悪どんなカタチになるのか
聞けたら聞いてこようと思う
今、先端医療センターから電話があって
病院の食堂は2時までしか開いていないから
食事を済ませてきてくださいとのこと
診察時間は3時間程度
いつもながらだけど親切で丁寧な対応に驚く
先端医療センターで診て貰えることに
心から感謝
