人間じゃなくても君が好き」の続編です。なんか別に続かせる必要なかったかも知れないと思いつつ上げてみました。





宮田はやっぱり友情で僕を好きだと思っているらしいが、どうせ時間の問題だと言って付き合うことを取り消そうとはしなかった。

僕も、宮田がいつか同じ気持ちを抱いてくれると思っているせいか、焦りはない。

「…じゃあ、行ってきます」

「頑張って!」

背中に激励を受けながら向かうのは図書室。

あの後、鏡に映らないことを宮田と確認し、何か知っているだろう図書委員に訊いてみよう、ということになった。

委員のカウンター当番は週1なので、今日はいるはずだ。

自分が何者なのかという恐怖は宮田のお陰で微塵も感じていないが、やっぱり非常に気になる。

図書室に入りカウンターを伺うと、例の図書委員が返却作業をしていた。

小さく深呼吸をして声をかける。

「あの、」

「はい?」

図書委員は先週のことを覚えていないのか、普通に対応される。

「…訊きたいことがあるんですが、いいですか?」

しかし、僕が言ってる途中で図書委員が不思議そうな顔をして、何かに気付いたように目を少し見開いた。

「あれ?ふふっ、ちょっと待って下さいね」

そして含み笑いをしてカウンターに手を置く。

「?」

じわじわと空気が変わっていくような感覚がして、気付くと僕はもう図書室にいなかった。

「な、え…!?」

まるで夢だ。床はなく、図書委員が手を置いたカウンターは目を瞑ったライオンのような生き物になっていた。

「訊きたいこととは何でしょうか?」

「……ここ、は…?」

呆然としながら口にすると、「鏡の中ですよ」という答えが返ってきた。

「鏡の、中…?君は一体…」

「それよりも気になるのは自分の正体でしょう?」

残念ながら私の正体は教えられないのですよ、と図書委員は付け足した。

「…僕の正体を知っているのか?あの影のことも?…もしかして、君が……?」

「答える前に、やらなくてはいけないことがあります」

図書委員は、意味深に微笑みながら手を振った。

ぱち、と静電気が走ったような音がして、僕の周りに青い火のようなものがうねる。火は次第に緑や黄色、紫や黒と色を変えながらじわじわと半径を狭め、50cmくらいのところで止まった。

「これは人としての精神を殺します。この火が全身を包み、あなたは完全に人ではなくなる…」

一瞬図書委員の顔に浮かんだ表情は、少しの憐れみと嘲り。

「あなたの正体は何かという質問でしたね。私は知らないのです。何故なら、あなたの言う影とは僕ではないのですから。しかし僕は影を知っています」

図書委員が言葉を切り、次の言葉を紡ごうとするその短い間で、次に言われるだろう言葉に予想がついた。

「正体を知りたいなら、炎に身を委ねて下さい。完全に人ではなくなった時、影は姿を現し、正体を教えるでしょう」

(…宮田、)

ふと思い浮かんだのは宮田の姿。

宮田は、僕が完全に人間じゃなくなっても変わらずにいてくれるだろうか。…いや、むしろ喜びそうな気もしてきた。

(でも、完全に人間じゃなくなったら僕がどうなるか分からないのか…)

少し不安を感じたが、心の大部分を占めるこの感情がなくなるとは思えなかった。

「…もし、僕が正体を知るのを諦めるって言ったらどうなるの?」

「さぁ…。多分鏡に閉じ込められるんじゃないですかね。僕はあなたが炎を受け入れなかったらここを去るだけですから」

「…ほぼ一択なんだ」

「場合によってはそれを選ぶ人もいるかもしれませんけど」

説明してくれたのは、確実に炎を受け入れることを選ばせるためだったのだろうか。

(宮田と会えないのは嫌だなぁ…)

どっちにしろ会えないかもしれないが、まだ何かになった方がいい気がしてきた。

「炎に焼かれて死ぬことになるなんてね…」

「焼かれはしないですよ、多分」

図書委員は炎を再び近付けながら、淡々と言う。

「炎に包まれたら熱い?」

「知りません」

意外に図書委員は知らないことが多い。

炎が完全に僕を包み込んだ瞬間、バチッと全身に痛みが走った。

「う゛っ!?」

「あっ!?」

僕の呻きに図書委員の驚いたような声が重なる。

痛みの後遺症で引き攣る筋肉をゆっくり動かすと、図書委員は驚きと焦りの混じった顔で僕を凝視していた。

炎は消えたらしい。自分を見るが、何か変わっている感じは全くしない。

人間としての価値観も持ったままの気がする。宮田に会いたいのも変わらない。

「え?」

何が変わったのかわからず、疑問が口から出た。

しかし図書委員はそれに答えずに虚空を見つめている。

と、僕たちの上の、空かと思っていた部分にひびが入った。鏡で見た影だ。ひびの間から出て図書委員の横に降りる。

「…何だ?こいつまだ人間じゃねぇか」

…影はどこから声を出しているのだろうか。ていうか、

「僕まだ人間なの…?」

「あ?違うのか?」

え、分からないから訊いてるんだけど。

「おいカナン?ぼぅっとしてんな。今確かにこいつが炎に包まれたと思って来たんだ、どうなっ…」

影は図書委員の表情に口を閉ざす。図書委員は僕を凝視したままだったが、何故か笑っていた。

「…ふ、ふふっ…ふふふ……」

抑えられてない含み笑いが怖すぎる。

「…カ、ナン……?」

影は少し引き気味に呼びかけるが、聞こえてないのか、図書委員は笑い続ける。

どうすればいいか分からないまま突っ立ってると、突然図書委員は笑いを止め、僕の肩をがっと掴んだ。

見た目にそぐわない強い力で握られた肩が軋む。

「凄い、凄いよ…!君は愛を知っているんだね?前と違って見えたのは、愛を知ったからなんだね!?」

僕は唐突な早口に全くついていけなかったが、影は図書委員の言葉を聞いて少し驚いたように眉を上げた。

「ほーお…」

それなら人間以外にはなれねぇな、と続けられて、どうやら窮地を脱したようだと悟って安堵する。

「あー、折角久々に上玉を見付けたと思ったのによ。お前帰れ。もう用はねぇから」

影はとてもがっかりしながら、僕にしっしっと手を振る。

(み、身勝手だなぁ…)

勝手に連れてきておきながら帰れとは。

「図書委員さん、僕は帰してもらえたりします…?」

「ええ、蛟(こう)が許可しましたから」

図書委員は最初と同じ微笑みを浮かべ、掴んだままの肩に、もう片方の手も重ねる。

と、目を瞑っていたライオンみたいなカウンター(だったもの)が突然しゃべり始めた。

「おや、あんまり意地悪するんじゃあないよ」

声は嗄れた老婆の様で、少し怖い。

「まだ闇に浸食されたままのその姿で、どこに帰すってんだい?愛を知った少年を相手の元に帰さないなんて許さないよ」

違う、本当に怖いのはこっちだ。

肩におかれた手を払いのけて後退ると、図書委員は払われた手を見て、微笑みのまま溜め息を吐いた。

「言葉で人を騙す魔女はいやだね。ほら、お陰でこの子はもう僕を信じられなくなったよ」

図書委員は喋りながら少しずつ近づいてくる。

「あの魔女の言うことは気にしないで下さい。魔女は人を騙すのが大好きなんです」

一つだけ分かったのは、信じられるものがないということだけ。

途方に暮れつつ、図書委員から離れる。

と、図書委員から10歩ほど離れた瞬間、僕の身体が淡い光りに包まれた。

また何か術を使われたのかと焦って図書委員を見ると、僕が炎をはじいた時の様に驚いた顔をしていた。

段々視界が白くなっていく。

図書委員がはっとして僕の方に手を伸ばしたが、その瞬間視界は完全に白く染まった。



いつの間にか閉じていた目を開いたが、状況の分からなさにまた目を瞑りたい衝動に駆られた。

いや、僕を囲んで呪文らしき何かを唱えてる黒ローブの1人が宮田なのは分かるんだけど。

な、何だろう、この人達に助けてもらったのかな…。

ふと足下を見ると、何かよく分からない魔法陣が。

「え…?」

思わず出た声の所為か、黒ローブは一斉に唱えるのをやめてこっちを見た。

そしてみんな「え?」って顔をした。

静寂。

え、なにこの空気。

「…何で大樹いんの……?」

「え、助けてくれたんじゃないの?」

宮田の疑問に疑問で返すと、「助ける?」って返されてしまった。

僕を助ける儀式をしてたんじゃないなら、何でこんなことしてたんだろうか。

と、宮田は目を輝かせて詰め寄ってきた。

「も、もしかして、本当に人間以外の何かになったの!?」

すっごい嬉しそうな声で訊かれて、この儀式の意味を理解した。

どうやら本当に、助かったのは偶然らしい。

多分悪魔でも喚ぼうとしてたここに選ばれたのが僕だったのだろう。

今、「近くにいる魔物を喚んだはずなのに…」と囁く声が聞こえたので確実だ。

「元に戻してはもらえなかったみたいだから人間以外のままなのは確かだけど…」

戻して貰えなかったの?と訊かれたので、とりあえず要点だけかいつまんで話す。

周りの人達の驚きの声は凄まじいもので。

次々と質問してくるので、宮田の手を掴んで逃げ出した。



宮田と別れて家に帰ると、部屋には何故か図書委員と影がいた。

思わずドアを閉めようとしたが、締め切る前に影が僕を部屋へ引きずり込んだ。

「なっ、んで…!?」

引きずり込まれた体制のまま問うと、図書委員は無表情のまま「あなたを人間に戻してあげようと思っただけですよ」と言った。

いやおかしいだろ、騙されないから流石に。

「うし、とりあえず戻ったんじゃねーの?」

「っえ、」

今僕なんかされてたの!?

影の言葉に慌てるが、やっぱり何かが変わったようには感じない。

「もう顔も見たくないので、間違って戻って来たりしないでくださいね」

図書委員はそう言うと、空気に溶けるように消えて。気付くと影もいなかった。

一瞬呆けてしまったが、はっとして洗面所に駆け込む。

「も、戻ってないじゃん!」

というより、何で銀色になってるのだろうか。銀色って、銀色って…!

少し前まで金と青だった髪と瞳は、さっきまで黒かった。そして今は銀。

絶対これ嫌がらせっていうか腹いせだ。

「…ええー……。またクラスに行きづらいんだけどー…」





まぁしかし、そもそもあのド金髪からして目立ってたからそんな変わらないと言われてしまったのだけれど。

宮田は「銀も似合うね」って言ってキスしてくれた。

生還記念らしいけど、可愛すぎるよね。

思わず抱き締めたら、何故かもぞもぞしていた宮田がそっと「…好き」って囁いた。

「えっ」

びっくりして顔を見ると、宮田は目が合った瞬間に手で顔を隠して、抱きついてきた。

「顔を見られたくなかったから今言ったのにー!」

「えっごめ、いや、でもだって、」

だって嬉しすぎて、空耳かと思ったんだ。

「…本当に?」

肩に埋められた頭を撫でながら訊くと、ゆっくりと頷いて。

何だ、この可愛い生物。

肩にへばりついてる宮田を強引に剥がして、抗議される前に唇を重ねる。

「愛してる」

合間に囁けば、宮田は「恥ずかしいよー…」って言ってまたぎゅっと抱きついてきた。

今度は無理に剥がさないで、「何で急に言ってくれたの?」と尋ねてみる。

「大樹が…もしかしたらいなくなってたかもって思ったら、溢れたの…」

その時のことを思い出してるのか、少し涙声でそう言われ。

僕は現金なことに、ああなって良かったなんて思ってしまった。








続き思い付かない!ので終了!←

ほんとは影と図書委員の話も書こうと思って名前まで付けてたんですが、なんか書ける気がしないのですよ。いくつか伏線残したままですすみません。

つーか間長くてもうほんとすみません。大学なめてました(つд`)

  ∧∧l||l
  /⌒ヽ)
~(__)

↑心境


あ、昨日のブログの短編も編集し直したので、宜しければ見て下さい。

今日は!

緑川光さんの!

バースデーですよ!!

おめでとうございます★祝福の大砲!☆(ノ^o^)♂ドド-ン



いやー、自分の誕生日よりわくわくして待ちました(笑)

別に捧げるとかではないですが(ってゆうか捧げられないw)、超短いの書けたので下に載せます。

他の人の誕生日を待ち侘びるのは緑川さんだけです。まじ好きです。





「伊須見ー!誕生日おめでとー☆
結婚出来る年になったね僕としてくれる!?」

松嶋は帰国子女である。

だから、知らなくても仕方ないのかもしれない。

女子は16で結婚出来ても、男子は出来ないということと、この国では同性結婚が出来ないということを。

「…お前ね、日本の法律知ってる?」

松嶋はきょとんとしたあと、にぱっという音が聞こえそうな程いい笑顔になって、

「やだなー、知ってるよー☆
日本では無理だからイングランドで挙げようよっ♪伊須見のウェディングドレス姿超可愛いんだろーなー♡」

なんてぬかしやがった。

待て、俺がウェディングドレス着るのか!?お前のが似合うだろ、背が高すぎるけど!

「ってちげえよ、イギリスだって同性婚認めてねぇだろが」

「あー、正確に言うと結婚じゃないけど、まぁ別に僕クリスチャンでもないし、結婚と同程度の権利があればいいんだよねー☆
って訳で」

松嶋がさっと取り出したのは飛行機のチケットらしきもの。

「お、前それ…」

「さ、行こうか☆彡
大丈夫、伊須見の御両親には許可取ってあるから♪荷物も送ってくれるってさ☆」

「許可ぁ!?てめ、いつのまに!?つか、国籍とか家とか、問題めちゃくちゃあんだろ!?」

余りに早い展開に、全くついていけないのだが。

「え?実は伊須見の国籍ってずっとあっちにあるんだよ?家は祖母が譲ってくれたから大丈夫 (*'v`d)
学校の手続きもちゃんと済んでるし、…何か他に問題あった? (●・ч・)?? 」

会話の中に混ざる記号はストレス的にかなりの問題だ。そして前提がおかしいことを理解してないのだろうかこのバカは。

「……っそもそも付き合ってもねーだろ!」

「いや僕伊須見が好きすぎて恋人期間とか耐えられないと思うんだよね。正式に法律で認められれば浮気とかしにくいし、っていうか付き合うって意味がちょっとわかんない。好きなら家族になりたいものでしょ?」

いきなりの早口と内容についていけない。つーか脳が内容を処理することを拒否しやがる。

とりあえずこれだけは言わせてくれ。

「…お、お前の愛すげぇ重いな…」

松嶋は(ゝω∂)てへぺろ☆などと全く似合わないことをほざいて、いきなり俺を抱き上げた。

「まぁそんな感じだから強制連行させてもらうねっ☆」

「待てこんにゃろう!人の気持ちは無視か!?」

そして下ろせ!なんで横抱きなんだよ!この体勢すげー不安定なんだって!

「え、だって伊須見も僕を愛してるよね?」

…何だよ、その笑顔。ああくそ、顔熱い。

「っ、…るせ」

気持ちがバレていたのも恥ずかしいけど、松嶋も同じ気持ちだったのが嬉しすぎて。

本当に空港に行く気なのか、玄関に向かってることには気付いていたけど、あと10分は顔が上げられない。

…どうせ止まれって言っても聞かないだろうし、

……仕方ないから、こいつに付き合ってやってもいい、かな。





最後の方ただの会話!超特急だったのですよ!そのうち直します!


緑川さんほんとおめでとうございます ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆



←そして直しました。なんかそんな変わった気がしない。足しただけなんで、松嶋のうざさは変わりません。

っていうかこんなとこで補足で申し訳ないんですけど、2人は幼なじみで、11歳の時に伊須見が日本に戻ってきて、その3年後に松嶋が戻ってお隣に住み始めた設定。

松嶋は離れている3年間で自覚した生粋の伊須見バカです。離れてた3年がもったいないと思ってます。伊須見は最近自覚。
「……これは…」

朝起きたら真っ黒になっていた髪を引っ張りながら、どうしようかと途方に暮れていた。


話は昨夜に遡る。

昨日はとても寒かったので、ゆっくり風呂に浸かってほかほかに温まってから出た。

寝間着を着て髪を乾かそうと鏡を見たら、───いつの間にか僕の後ろに黒い影が「いた」。

「……っ!?」

ひどく驚いたのに、驚き過ぎたのか声は出ないし、身体も全く動かせない。

目も逸らせず、その間見続けていた鏡に映る影はいつの間にか消えていた。

全く訳が分からなかったが、ふと体が動くようになって急いで脱衣場を出た。

部屋に戻ってベッドに潜り込みながら、影を思い出して言い様のない恐怖を感じた。

思えば影は、まるで死神のようだった。



昨日はあれから日が昇るまで全く寝つけなくて、寝たのは確か5時すぎだった。

鏡は勿論、ガラスすら見れなかったので、髪はもしかしたら寝る前から変わっていたのかもしれない。

そもそもあの影は何だったのか。

死神のようだとは思ったが、僕はまだ生きてるし、死神が髪の色を変えていく理由もないだろう。

ちらちらと視界に入る黒髪が、変わったことが現実だと言うかのようだ。

昨日までは確かに金に近い茶髪だったのに。友達が見たらさぞびっくりすることだろう。

(あー、宮田に会いたいなぁ…あ、学校……)

今日が平日だということを思い出す。時計を見ると、短針は11時ちょうどを示していた。

このショックは、信じてもらえるかどうかはともかくとして、宮田に話した方が楽になるかもしれない。

そう考えて、僕は学校に行く支度をし始めた。



教室に入ると、クラス中の目がこっちを見た。

「えっ、大樹(だいき)!?」

僕の名前を叫んで立ち上がったのは宮田だ。

「何で黒髪になってんの!?染めたの!?」

凄い勢いで訊きながら、急いでこっちに向かってくる。他のクラスメートや先生もびっくりしているのか、全く止める気配がない。

宮田は僕より小さいせいか、肘下らへんを持って強く揺さぶる。ブレザーにしわがつくからやめてほしい。

「ちょ、それやめて。…何か、気付いたら黒くなっててさ」

「気付いたら!?意味わかんないよ!…っていうか、カラコンもしてる?」

言われて驚いた。

どうやら目まで色が変わっているらしい。鏡を見た時は気付かなかった。

「えっ、何色?」

「黒…って、何で本人が訊くの」

宮田の純粋な黒髪黒眼を見下ろしながら、この色と同じになっている自分を想像する。…駄目だ、想像出来ない。

「本当に、気付いたら黒くなってたんだって」

「えぇ~?」

えぇ~?と言われても、こっちが訊きたいくらいなんだよ…?

「宮田、門倉(かどくら)、取り敢えず授業するから座れ」

先生がようやく注意してきて、会話は強制終了した。

しかし席に着いても宮田はまだこっちを見ている。見られても答えられないものは答えられない。

授業に集中するふりをして黙殺しながら、いっそ元の色に染めてから学校に来れば良かったと後悔していた。



4時間目が終わり、チャイムが鳴った瞬間にこっちに来た宮田と弁当を広げる。

「ふーん、本当に気付いたら黒くなってたんだ」

「そう」

「珍しいこともあるんだねー」

昼飯を食べつつ何回も同じ説明をして、やっと質問をやめてくれた宮田は、「ご両親の先祖にアジア系がいたのかもね」と言い出した。

「…え?どういう意味?」

「だからさ、突然先祖返りしたのかもね、って」

「……」

有り得ないと言いたかったが、僕の経験も大概有り得ないので黙る。

「あ!てことはさ!俺の先祖に金髪の人がいたら俺も突然金髪になるかも」

「…そうだね」



放課後、図書室にいるのは僕の日課になっていた。

宮田はSF部という、何かよく分からない部に所属しており、帰宅部の僕は終わるのを待って一緒に帰る。

僕もSF部に入ろうかと思ったこともあったが、全く話についていけずに断念した。他の部には入ろうとも思わなかったため、図書室にいることが日課になった。

授業が終わり、宮田が笑顔で部室に向かうのを見届けて図書室に足を運ぶ。

明日の英語と数学の予習をしておこうと思いながらいつもの席に座った時、ふと向かい側の棚に違和感を感じた。

一瞬何に違和感を感じているのか分からなかったが、気付いた瞬間椅子を倒して叫んでいた。

違和感を感じたのは本棚ではなかった。本棚の後ろにある鏡に、いつも映っていたはずの自分が映っていなかったからだった。

「どうしたんですか!?」

急に叫んだ僕を心配して、カウンターの奥に座っていた図書委員が駆け寄ってくる。

「あ…いや、……」

言える訳がない。そもそも鏡を見たのも一瞬だったし、自分が映ってない気がしただけだろう。そんなことあるはずないのに、思わず悲鳴を上げるなんて余りに情けない。

「椅子のささくれが刺さったみたいで…」

言い訳しながら椅子に座り直し、おそるおそる鏡を確認する。

やっぱり自分を鏡で確認することは出来なかったが、今度は鏡に映ってないことに悲鳴は上げなかった。

「っ…?」

鏡が鏡の役割を放棄したのだろうかと思った時点で思考がフリーズしたからだ。

映っていたのは本棚と椅子だけ。

鏡には、隣にいるはずの図書委員も映っていなかった。

総毛立ち、思わず図書委員を突き飛ばす。委員は意味が分からないという顔をしていたが、僕は恐ろしくて叫びながら図書室を出た。



「宮田っ!」

「えっ、大樹?どうしたの、凄い顔真っ青だよ?大丈夫?」

大丈夫なんかじゃない。怖くて怖くて、宮田と何度も呼ぶ僕に困惑しながら、部長に早退すると伝えた宮田は、鞄を持って「取り敢えず帰ろう」と促した。

「…宮田、僕は人間じゃなくなったのかもしれない」

校門をくぐり、学校前の田んぼ横を歩きながら恐怖を滲ませた声で言う。

「え、じゃあ何になったの?」

しかし思いがけず妙な質問を返されて、少し冷静になった。

「…宮田、そこは笑い飛ばすとか呆れた視線で見るとか無視するとか話を変えるとかの場面だよ」

「でも真剣な話でしょ?冗談のつもりだったの?」

下から少し怒ったような視線を向けられて慌てる。

「いや、本当にそう思ってるけど…」

「じゃ、何になったか教えてよ」

あっさり会話を続ける宮田に拍子抜けしながら、いつの間にか恐怖が消えていることに気付いた。

「…宮田は、突然こんなことを言い出す僕を変だと思わないの?」

そういう部分に救われるけど、戸惑わない宮田が少し不思議でもあった。

宮田は僕を見て、考えながら口にする。

「んー、俺は変だと思わないけど。でも、…うん、変だろうが人間じゃなかろうが、俺といてくれれば何でもいいんだよ」

口調からも眼差しからも、宮田が本気でそう言ってくれてることが窺えた。

(宮、田…)

どんな自分でも許容すると言った宮田に、今までなかったはずの感情が込み上げてくる。

心を埋め尽くしたそれは、溢れそうなほどの愛しさ。

「…っ、」

胸が締め付けられるような痛さを感じるのに、それが心地よい不思議な感覚。

唐突に恋という字が閃いて、今恋に落ちたのだと理解した。

溢れるほどの愛情は、否定しようもない。

友情が恋に変わったことに困惑するより、溢れる恋が抑えられそうにないことに笑いが込み上げてくる。

ああもう、好きになったんだ。どうしようもなく。

「っはは、宮田超格好良いよ。格好良すぎて惚れた」

くすくすと笑いながら、急に激しい感情を抱いたせいで浮かんできた涙を拭う。

宮田は僕の言葉を聞いて、何故かいきなり真っ赤になった。

「え、本当にっ?俺、昔から大樹好きだから凄く嬉しい!」

言葉に違わずとてつもなく嬉しそうに言うのを聞いて、動作が止まる。

意味を探るように見つめると、宮田はきょとんと目を合わせた。

きっと宮田と僕の好きは違う。けれど分かっていても止められない。

無意識に動いた腕で宮田を抱き締める。

「付き合って」

囁く声は震えた。

宮田の腕が、そっと僕の背中に回る。

「うん」

返事が聞こえた瞬間、自分が人間以外でも何でもいい気がした。







そして続きます。←

ちょっと…次の更新の目処立ってなかったり……するんですけど…ね(´▽`)

そんな長くならない、はず…。なので多分次で終わるとは思います。

相変わらずの見切り発車すみません(^-^;

そしてほんとブログタイトル裏切りまくってごめんなさい(´・ω・`)

悪気なんざないんですよ?←
TAF2013行ってきましたー!

そして16人の声優さんを見てきました(見てきたって言い方もあれですが←)

とりあえず羅列。間に感想を。


(聖闘士星矢Ω)緑川さん

あんな近くで拝めるなんて!眼鏡かけて、左手をポケットにかけて立ってるのがもうほんと…!(*´▽`*)

あんまり喋ってはいらっしゃらなかった感じでしたが、たまの発言がほんとツボでした。
ほんと緑川さん大っ好きです!!☆彡


(夏目友人帳)木村さん、久ちゃん、堀江さん

とりあえず三人がかわいかったです!←


(新テニスの王子様)諏訪部様、皆川さん、遠藤さん

真剣に焼き肉食べたいのがよく分かりました。←


(ボイス玉手箱)平田さん、賢雄さん、いとけん、冨永さん、わさびさん、田中真弓さん、矢島さん、ささきいさおさん、羽佐間さん

とりあえず、隣にいとけん来たときはもうなんかパンクしそうで!さらに平田さんが真後ろ来て!
ありがとうございました!

しかもささきいさおさんなんか宇宙戦艦ヤマト歌ってくれましたよ!?
生歌!生歌ー!うぎゃー!


そんな充実な一日を過ごしました(笑)


あ、下の写真は今日の収穫です(・∀・)


左から、ユナのストラップ、エデン、光牙、栄斗、蒼摩のクロストーンです。
あれ、龍峰いない←

下のTシャツはなんとスクライドTシャツ!まさかこんなところで出会えるとは思わず、つい買ってしまいました(笑)

ほんと緑川さん好きなんですよ。

次はテイルズオブフェスティバルなので…6月とか遠い……。
そしてステージ遠い………。

まぁとにかく!とても素晴らしい日になりましたっ+.+゚d(´∀`*)グッ!!
1日の!

S席取れましたーヾ(*´∀`*)ノ゛キャッキャッ


も~めちゃくちゃうれすぃーですー!

まだ席は未定なんですけど、なるべくならステージから見て左がいいなぁ…(´▽`)

ちょー緑川さんが楽しみなんです!

本当は近藤さんと櫻井さんがいるので2日のも行きたかったんですけどね←

今年はどっちがDVDになるんですかねー?

どうせなら2日間ともDVDになればいいんですけど(笑)

そんな感じで、テイルズオブフェスティバルでさんざん散財する予定な私は今からバイトに励んでおります。

今年はリオングッズ制覇したい!してきますよー!おー!(*゚▽゚)ノ