親友のご主人が亡くなった。
若かった。肺癌だった。
亡くなるまでの1年、とりわけ終末期の1か月は、「地獄のようだった。」と、彼女は言った。辛かったろうな・・家族も大変なんだな・・・と思ったけど。
わたしは胃癌の手術を受けて、まだ1年も経っていない。
『体調が悪くて』とか言って、本当は恐ろしくてお見舞いに行かなかった。
彼女は、病院や医師への不満や、ダンナさんの苦しみ様を、会うたびに涙を流して話した。わたしは、うなずいて聞いていたけれど、どれもこれもひたすらオソロシイ話だった。
とくに、激痛→モルヒネ/鎮静剤→意識混濁→癌性腹膜炎→腸閉塞→衰弱→肝不全ご臨終ってのが、癌死の経過が判で押したようで恐かった。死ぬまでが長い、というのも怖い。
その病院では、ダンナさんが苦しまぎれに点滴の管を抜き、ベッドにぴょこんと起き上がったりのた打ち回ったりするまで、モルヒネなどを十分に投与しなかったらしい。ひどい病院だと思うけれど、こういう病院、もしかしたらけっこう多いかも・・・・怖い!
時代遅れの、非人間的なダメ病院だな。ダンナさんの主治医は、もしも癌で死ぬ時は、同じように処置して欲しいのかな?
ところで、最近、別の友人が出産した。
すごく快適そうだった。病院は幸せピンク色で、食事も美味しそうだった。
わたしは出産の経験がない。この先もないかもしれないけれど、死ぬ時だけはみんなに平等に来る。死をまぬがれた人間はいない。「その時」は遅かれ早かれやってくる。
出産する時のように、きれいで明るい病棟で、快適に死にたいな。
快適というのが言いすぎならば、痛くなくすみやかに死にたい。
山田風太郎みたいに「イタクナイ、イタクナイ」と言い聞かせても、癌で穏やかに眠るが如く死ぬのは難しそうだ。
疼痛緩和ケアなんか、今現在普通にできる医療行為なのだから、最低限、無駄に苦しませないでほしいです。
オネガイ。