皆さんこんにちは! ジャズクラリネット奏者の壱岐薫平です。

 

前回の記事「【ジャズアドリブ】「何を」の前に「どこを」という話(前編)」はお読み頂けましたでしょうか? 少し間が空いてしまいましたが、今回はその続編となっています。

 

このコードではどんな音が使えるのか、何のスケールが使えるのか、そういった「何を演奏するか」だけを考えていてもアドリブってなかなか上手くいかないものですよね。それは「どこで演奏するか」を考えていないからかも知れません。

 

初心者の方はつい、何を演奏すればいいのかということに気をとられて、デタラメに音で埋め尽くしてしまいがちですが、その前にまずどこで喋って、どこで間を置くのかということを考えてみるといいですよ、そのための練習方法にはこんなものがありますよ、というのが前回の記事の内容でした。

 

《 明日使える会話術 》

 

「昨日虎を狩りにいったけど失敗して手をかまれて怪我をしちゃったから今日の予定はキャンセルします」

 

と、友達に言われたとしましょう。

「いやそんなことあるわけないじゃん」という意見は受け付けませんのであしからず。

 

これが、極めて簡潔に必要な情報を伝えることが最優先のシチュエーションだったのならば頷けます。ですが、通常の会話においては、これだとちょっと素っ気ないし、急すぎて「え、え?」となってしまいますよね。日本語としては特に間違っている部分は無いのですが、あまり上手な伝え方とは言えないでしょう。

 

「昨日さあ」

「なに?」

「虎を狩りにいったんだけど」

「虎を!?」

「うん、でも失敗してね」

「どうなったの?」

「手を噛まれて怪我した…」

「まじか」

「だから今日の予定はキャンセルさせて」

「…オッケー。お大事に」

 

というやり取りであれば自然で、友達との大事な予定をキャンセルしなければならないという事態もスッと入ってきませんか?

 

必要な情報を全て一文に詰め込んで話すのは、頭の良い人同士で相互信頼がある状況でなければあまり賢くありません。普通は、相手が「相槌」を打ちやすいタイミングを想定して情報を小出しにした方が伝わりやすいということですね。

 

《 伝え方いろいろ 》

 

さて、それでは前回の記事のコード進行をもとに伝え方のバリエーションを考えてみましょう。今回は「面白いことをどう言うか」という事は後回しにして、同じ事でも話し方の工夫一つでこんなにも聞こえ方が変わるんだということを実感して頂ければと思います。今回挙げるのは一例に過ぎませんので、皆さん自身でもっと色々な話し方を研究してみて下さいね。       

 

まずは「うん」を想定しよう

 

「昨日さあ」「うん」「虎を狩りに行ったんだけど」

 

シンプルな相槌を想定して二言喋ってみました。

 

接続詞を使ってみよう

 

「昨日さあ」「うん」「虎を狩りに行ったんだけど」「うん」「そしたら失敗して…」

 

このように、いきなり喋り始めず、接続詞的に前置きをつけたりするとまた聞こえ方が変わってきます。

 

同じ事を繰り返してみよう

 

「昨日さあ」「何?」「昨日、虎を狩りに行ったんだけど」

 

○強調してみよう

「昨日さあ」「何?」「ト、ラ、を、狩りに行ったんだけど」

 

さてさて、いかがでしょうか?

ここに挙げたのはほんの一例で他にも色々な話し方のバリエーションがあります。

 

また、これらは「イメージ」に過ぎません。歌詞というわけでもありませんので、全てを「あてはめて」考えようとする必要はありません。実際にやっているのは音楽、ジャズ語を喋っているわけですから、他言語たる日本語では適切に訳せない表現だってあるのです。

 

他にも、大胆に間を使ってみたり、言うと見せかけて言わなかったり、言わせてみたり、

 

これらの例は全て「何を演奏するのか」以前の問題です。「どこを演奏するのか」という頭の使い方が出来るようになると、あてずっぽうに音符で埋めてみたり、やみくもにコードトーンを並べてみたり、行き当たりばったりのフレーズでごまかさなくてもよくなるかも知れません。

 

《 実戦の要は「人」 》

 

さて、ここまで色々な話し方を列挙してきましたが、これが自己完結に終始しないよう気をつけて下さい。時として、もし自分が想定した通りの相槌が来ればとても面白い、カッコいい演奏になるはずの内容を喋っていても、実際には独りよがりで全然サウンドしない微妙な演奏になることがあります。

 

人の完コピを演奏するときなんかにもありがちです。カッコいいと思ってコピーして、その通りに喋っても、相槌の方も全く同じものが返ってくるとは限らないのです。そのズレに気付かず、仲間の声に耳を傾けずに演奏していると、何ともとんちんかんなサウンドになってしまう恐れがあります。

 

あなたの喋り方にも無限の可能性があるのと同様、相槌にも無限の可能性があるのです。どんな相槌をうたれるかによって話の展開は当然変わりますよね。ソロといえどもアドリブをしているのはあなた一人ではない、というところがミソです。

 

実際のセッションではどんな相槌がうたれるか、どんなツッコミがやってくるか分かりません。もしかすると自分一人では想像もつかないような面白い返しをされる可能性だってありますね。相槌ひとつとっても個性が出ます。どんな会話が繰り広げられるかはやってみないと分からない。それがジャズの面白いところです。

 

また、あまり狙いすぎて脅かし合いのような演奏になってしまうのも考え物です。もちろん上手くいっていれば何でもいいんですけどね。ナチュラルな流れがベースにある演奏はやっぱり美しいものです。

 

 

《 今回はここまで 》

 

いやー今回の内容は記事として書くのが非常に難しかったです(笑)

 

また、どこに着目して話しているのかという点を見失いがちなテーマだったのですが、ちゃんと伝わりましたでしょうか?

 

今回は「どこで喋るか」に焦点をあてて「どう喋るか」という話をしてきましたが、他にも色々な視点から「どう喋るか」を考える記事を書いてみたいと思っておりますので、是非また覗きに来て頂ければと思います。

 

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お付き合いありがとうございました!

皆さんこんにちは! ジャズクラリネット奏者の壱岐薫平です。

 

前回の記事、「ジャズのアドリブが今この瞬間に出来るようになる方法教えます」は各方面から反響を頂きまして、ありがとうございます。「え、何その記事読んでない!」というアドリブが全然出来るようにならなくてお悩みの方は是非ご一読下さい!

 

今回はその続きというわけではありませんが、アドリブをする上で役に立つ発想転換の方法、ということで多少前回の内容も踏まえたお話になると思います。

 

《 何を演奏するか 》

 

さて、皆さんはアドリブをするときにまず何を考えているでしょうか。

 

「どうしたらコードにあったソロが出来ますか?」「ドミナントセブンスコードで使えるスケールを教えて下さい」「アプローチノートの使い方を教えて下さい」「アウトサイドなフレーズを吹くテクニックを教えて下さい」…と、そんな質問を度々頂きます。いやはや、勉強熱心で素晴らしいですね。

 

ところでこれらは全てソロ中に「何を演奏するか」についての質問ですね。もちろんとても大事なことなのですが、「アドリブが思うように出来るようにならない…」とお悩みの方はあるポイントを見逃しがちな傾向にあると僕は思っています。

 

それは、「どこで演奏するか」ということです。「え、ジャズ研の部室だよ!」「街のジャズバーでジャムセッション!」「屋外のイベントに出るんです!」なんて声が聞こえて来そうですが、そういう意味ではありません(笑)

 

例えば、以下のようなコード進行でアドリブソロをとるとしましょう。

 

 

さあ、どうしますか?

 

アドリブが全然出来ない、でお悩みの方は、「えーどうしよう、何も思いつかない、何を演奏したら良いんだろう…」と思ってしまいますよね。そして結局何も出来ないか、デタラメに音を並べて終わる。そりゃそうです。初心者が8小節もの間を完璧な内容で乗り切れるはずがありません。

 

このパターンに陥ってしまう人は、この8小節何かを演奏して埋め尽くさければいけないと考えている場合がほとんどなのです。でもちょっと待って下さい。

 

あなたはこの8小節、常に喋り続けなければならない訳ではありません。

 

アドリブソロのパートをあなたに与えられた発言の場と考えると、その間あなたは自由に間をとることが出来るし、自由に文章を区切ることが出来るし、相手の相づちを待つことだって出来るのです。

 

《 どこで演奏するか 》

 

そこで僕が提案するのは、「何を演奏するか」ということは一度後回しにして、「どこで演奏するか」だけに焦点をあててみるという練習方法です。

 

例えば先ほどの8小節、コードに合っているかとかそんなことは今はどうでもいいので、ただひたすら「どこで喋って、どこで間を置くか」だけを考えて、鼻歌でソロをしてみて下さい。雰囲気で良いですよ(笑)

 

こんな具合に。あるいは、

 

こんな風に。

8小節間をどう過ごすかはあなた次第です。

 

まずこれを練習した上で、では実際にコード進行に沿って「何を演奏するか」を考える、というように順番を入れ替えてみましょう。後者の喋り方で実際に演奏してみると、

 

 

といった具合ですね。この「実際に何を演奏するか」の部分でお悩みの方も当然いらっしゃるでしょうが、それはまた別の記事か、レッスンでお助けできればと思います。まずは騙されたと思って今回のコンセプトに慣れてみて下さい。慣れてくれば自然と両者がほぼ同時に出来るようになってきます。それに、「どこで演奏するか」を決めてしまえば考えなしに8小節に突入するよりもはるかに希望が見えてきませんか?

 

これと同じ事を32小節のスタンダードナンバーでも練習してみましょう。

 

小節数が長くなると、今どこをやっているのか曖昧になってしまう時があります。この練習では、最初から最後までしっかり曲の進行に寄り添って、自分が今どこにいるのかを把握していることが大切ですので、そんなときは片方の手の人差し指で軽く「指揮」を振りながらやってみると良いでしょう。それだけでかなり落っこちにくくなります。

 

《 まとめと次回予告 》

 

これはよく言われる話ですが、ジャズのアドリブは言葉を喋っているのととてもよく似ています。友達とのお酒の席で、自分ばかりが休みなく訳の分からないことを喋り続けた時、その場の空気はどうなっているでしょうか。8小節ひたすら「何を演奏するか」だけを考えて埋め尽くしてしまうと、

 

「僕の名前は壱岐薫平で愛知県で生まれたんだけどジャズをやってて今はアメリカにいるんだけど好きな食べ物はえびとカントリーマアムで昨日は雨が降ってたな高校時代は吹奏楽部だったのと海は綺麗」

 

きっと相手にはこんな風に聞こえていることでしょう。

 

「僕の名前は壱岐薫平です。愛知県の出身です。ジャズをやっています。」

 

とちゃんと一文ずつ適切に区切って伝えることが大切ですね。もちろんシーンに応じて、ちょっと長めに喋ることもあれば、周りの反応をじっくり待つ場面もあるでしょう。接続詞を使ってみたり、ちょっとした言葉遊びのような事も出来るかも知れません。

 

また、今回は一人での練習という前提でお話をしましたが、実際に演奏する中で「どこで喋るか」「何を喋るか」は周りの反応や状況によって様々な可能性が考えられるようになります。その辺りも言葉でのお喋りと全く同じですね。

 

何はともあれ、アドリブが上手くいかないという方は、「何を演奏するか」より先に「どこで演奏するか」を考える、というのを試してみてはいかがでしょうか?

 

さて、今回はここまでです。次回もまたこのコンセプトを、もう少し掘り下げて解説していく予定です。具体的には「セッションする上での実践編」、「よりバリエーション豊かな文章の組み立て方」といった内容をお話しできたらなと思っていますので、お楽しみに!

 

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お付き合いありがとうございました!

 

【10/15】続き書きました→【ジャズアドリブ】「何を」の前に「どこを」という話(後編)

こんにちは! ジャズクラリネット奏者の壱岐薫平です。

さて、今回はかなり冒険したタイトルでのブログ投稿となります(笑)

 

ネットの普及したこの時代、ジャズという分野においてもこの手の胡散臭いブログ記事はごまんと存在しますよね。アドリブが出来ないと悩んでいるそこのアナタ、このような記事に惹かれて逸る気持ちで読んでみては、結局何も出来るようにならないじゃないか…と落胆するまでがテンプレだったりしませんか? はい、まさしく僕がそうでした。

 

ジャズを始めてみたはいいけれど、アドリブが全然出来るようにならない。セッションでは頭が真っ白になって、テーマが終わるともう何を演奏したら良いのか分からない、音を出すことすら出来ない、やがて今どこをやっているのかも分からなくなる。好きで始めた筈なのに、練習意欲だって有るのに、気付いたら時間ばかりが過ぎて、アドリブが出来るようになる気配が一向にない。

 

 

僕は今、過去の僕と同じ苦しみを味わっているアナタのためにこの記事を書いています。

 

どうせ聞こえの良いことばかり書いて、ためになる情報は何一つ載ってないんだろうと思っていませんか? あるいはアドリブ出来るぜっていうアナタ、「そんな方法ねーよ」「地道にやるしかねーんだよばーか!」と思っていませんか?

 

ご安心下さい。

 

これからお話しすることを最後まで正確に読み解き、理解し、実践したそのとき、アナタはアドリブが出来る人に生まれ変わっています。誰でも、出来るようになります。地道な練習は大切です。というか一生練習です。それは当たり前。でも、その地道な練習はアドリブが出来る人になってからも続くモノ。まずは出来る人になってからでも遅くはないのです。

 

正直こんなマル秘情報をブログに載せるかどうか迷ったんですけどね、これ人に伝えるときはちゃんと僕の名前と一緒に拡散してくださいね(と、いかにも胡散臭そうなことを言ってみる笑)

 

《 アドリブとは 》

 

酒を飲んだミュージシャンが集まって、そもそもアドリブとは何であるか、という話をし始めると朝になっても結論は出ません。人によって今の自分になるまでのプロセスが違えば好きな音楽も違うので、当然一人一人の哲学があるのです。

 

ですが、そんな音楽的で、芸術的で、高尚な捉え方とか、小難しいアドリブ論とか、プレーヤー毎のアプローチの違いについて考えるのは後にしましょう。そんなものは出来るようになった後からいくらでもついてきます。今はなりふり構わず、まずアドリブが出来る人になることを優先してしまいましょう。

 

 

アドリブについての考え方は人によって違えども、ジャズの演奏における自分のアドリブソロパートにおいて、誰もが必ずやっていることがあります。自分が何を演奏するのかを(頭で考えているかどうかは差し置いて)「選択」して「実行」しているのです。優秀なプレーヤーはそりゃもう凄まじい処理速度でその場で最も適切な「選択」をして、洗練された演奏技術を頼りに「実行」しています。

 

そんなレベルになるのはまだまだ先のことですが、この「選択」と「実行」というのが今回のキーワードとなります。ちなみに出来るようになればなるほど「選択」と「実行」のラグが限りなく小さくなって、そのプロセスを自覚しなくなっていきます。「選ぶ」というより「分かる」といった感じになってくるのです。「感覚でやるんだよ」「聴こえたモノを吹けば良いんだよ」ってタイプはこの最たる例ですね。

 

《 これでアドリブ、出来ます 》

 

アドリブをするということは、アドリブパートにおいて演奏内容を「選択」し「実行」すること。僕は今哲学の話はしていません。アドリブとはかくあるべき、とかそういう類の話ではなくて、事実の話をしています。この事実をなぞった時、あなたは紛れもなくアドリブをしているということになる、この理屈は大丈夫でしょうか?

 

さあそれでは実践編です

 

まずは好きな曲を一曲選んでください。基準はこうです。

・テーマをよく知っている曲。

・コード進行も覚えていると良いが、コードの知識がなかったとしても、なんとなく全体の流れを体で覚えているくらいの曲。

 

始めたころの僕にとってそれに該当するのは「枯葉」と「メモリーズオブユー」と「世界は日の出を待っている」でした。なんともクラ吹きらしいラインナップですよね(笑)

 

皆さんは何でしょう。やはり「枯葉」でしょうか? 「酒バラ」「アナザーユー」「ブルース」なんでもいいですよ。マイナスワンがある人はセットしてください。ない場合はYouTubeで検索するとヒットします。もしくはコードを演奏できる友達に協力してもらうのもアリです。

 

準備はできましたか?

 

それでは、以下の指示をしっかり理解して、演奏してみてください。

 

(1)まず1コーラス、テーマを演奏します。

 

(2)次のコーラスからがアナタのアドリブソロです。今アナタが100%、確実に出来る「選択」をしてください。その「選択」とはズバリ、すべての小節において、あるいは拍において、休符を演奏するということです。

 

(3)その「選択」を、ロスト(どこをやっているかわからなくなること)せずに継続できる常識的なコーラス数「実行」し続けてください。

 

(4)戻りたくなったところで後テーマに戻って、演奏を終えてください。

 

以上です。

 

意識して欲しいのは、曲は常に進行しているので、「休む」のではなく「休符を演奏する」ことによってちゃんとその流れについていくことです。バッキングによく耳を澄ませ、落っこちないように気を付けて下さい。

 

どうでしたか? ちゃんと出来ましたか?

これで、今までアドリブが出来ないと悩んでいたアナタは、その悩みを解消することが出来ました。たった今アドリブが出来たのです。

 

なんだよ騙されたーーーーという声が聞こえてきそうですね(汗)

でも、ちょっと待ってください。

 

大事なことです。

 

もう一度言いますが、アナタはたった今アドリブが出来たのです。

 

自分の意志で休符を演奏するということを選択し、その通りに実行しましたよね。これはまさしくアドリブ中に誰もがやっていることです。「でも、これじゃ音が出ていないから何が何だかわからない!」「CDで聴いてかっこいいと思っていたあの演奏と全く違うじゃないか」って?

 

そうです、その通り。

アナタは今までアドリブが出来ないことに悩んでいたのではありません。良いアドリブが出来ないこと、イメージ上のプロのような演奏ができないこと、適切な選択が出来ないことに悩んでいたのです。

 

確かに、全てにおいて休符を演奏するだけというのは、選択として「適切」ではありませんね。なぜならそれでは、一緒に演奏している人にも、聴いている人にも何も伝わらないからです(ジョン・ケージを否定しているわけではありません笑)。ジャズのセッションでは「伝える」ということがとっても重要なのです。

 

でも、アナタ自身はどうでしょう? 少なくとも休符を演奏するぞという意思はアナタ自身の中にはあり、それをその通りに実行できましたよね。これまでのアナタはそもそもこの「選択」も「実行」もできていなかった、あるいは不完全に終わっていたのです。でも今アナタはついにそれを完遂しました。これは非常に大きな一歩です。後は選択肢を増やし、人に伝わるものに変えていけば良いだけなのです。

 

これが分かったアナタはもうアドリブの出来ない人ではありません。今この瞬間から《良い選択はまだ出来ないけれど》アドリブの出来る人に、ワンランクアップしたのです。基礎練習をして、コピーをして、セッションで沢山失敗して、どうぞ良いアドリブの出来る人になって下さい。

 

 

どんなアドリブが良いアドリブなのかは人によっても、場面によっても異なりますが、一緒に演奏している仲間や聴いてくれている人に「伝える」という気持ちだけは忘れないで下さいね。

 

ちなみに今回は分かりやすくするために「アドリブ」と言う言葉を用いてきましたが、個人的には「ソロ」とか「インプロヴィゼーション」と言う事の方が多いです(使い分けてます)。…だから何(笑)

 

《 これ本当に意味あるの? 》

 

僕はこういった発想の転換を糸口として、負のスパイラルから抜け出すことが出来ました。練習も俄然楽しくなりましたし、未だに悩みは尽きませんがジャズを続けて良かったと思っています。過去の僕と同じような悩みを抱えている人にも、そこから脱却して是非楽しくジャズを続けて欲しいという思いで今回の記事を書きました。

 

もちろん、これは僕と同じようなタイプの人間にとって有効な方法というだけで、人によってはあまり意味のないことかも知れませんし、こんな回りくどいことしなくてもどんどん出来るようになってしまう羨ましい人はいくらでもいます。最初に「誰でも」と言ったのはちょっとビッグマウスだったかも知れないですね(汗)

 

 

こんな事考えなくても、とにかくコピーを続けてればある日ふと出来るようになるんだよ、という意見もあると思います。それを言えるあなたはそれで出来るようになった人です。そういう人は口をそろえてこう言います。「いつまで経っても出来ない人が何故いるのか全然わからない」「考えて練習してないからでしょ」と。本当にそうでしょうか?

 

この最初の一歩さえ踏み出せれば後はどんどん出来るようになる、後は自分で考えて練習できるようになるだろうな、という人は僕の目から見て沢山います。でもその一歩の踏み出し方が分からず去って行ってしまうは少なからず存在する。それはとても不幸なことではないでしょうか? 皆が当たり前のように喋っている日本語も、足し算も引き算も、最初の一歩は誰かに後押ししてもらっている筈なのです。

 

もちろんこの先本気で続けていく人は甘いことを言っていてはいけません。というか僕が甘い考えが嫌いな人間であることは僕を知っている人には理解して頂けると思います(笑) それでも、この一歩で一緒に楽しめる人の数が増えるのならばそれは素敵なことだと思うのです。

 

勘違いのないように言っておくと、コピーはとても大切です。して損をすることは当然ないし、絶対にしなくてはなりません。僕も何も出来ない頃からコピーはそれこそ数え切れない程していました。ただ、それが活きてくるベースがもともとある人はそれだけで出来るようになりますが、ない人は作るしかありません。逆に、一度作ってしまえばその後は同じ土俵に立つことが出来ます。それだけのことなのです。

 

《 おわりに 》

 

いかがでしたでしょうか?

今回はやや奇をてらった構成になってしまいましたが、これで丸投げというつもりはありません。次のステップに関する記事も必要に応じて書いていこうと思いますのでお楽しみに!

 

この先のステップはもちろん膨大で、奥が深く、地道な練習を要します。ですが、アドリブをするという姿勢は今回とまったく変わりません。休符以外の選択を増やしていくだけなのです。アイデアがなかったり、怖がったり、パニックになったりして何も演奏できないということは今回は無かった筈です。ちゃんと冷静に、休符を演奏しましたからね。今後もこの基本となる姿勢を忘れないようにしてください。

 

注意)この話の肝は、「意思を持って出来ることを選択する」という部分にあります。ただ「出来ないなら休めば良い」という話とは少し違います。音を出す勇気もとても大切です。

 

分からなかった点、他のアプローチを知りたい、自分の場合はこういうことで悩んでいる、などお気軽にご相談ください。僕に可能な範囲でお答えしますし、レッスンも受け付けています。

 

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かわいいネコちゃんのイラストは、

Frame illust 様より

 

お付き合いありがとうございました!

こんにちは! ジャズクラリネット奏者の壱岐薫平です。

前回の記事「何故ジャズではIV-VよりもII-Vが好まれるのか(前編)」はお読み頂けましたでしょうか? 今回はその解答編となっています。

 

基本的にはジャズ・ポピュラー和声の視点から解説していますが、今回の内容は吹奏楽部で音楽をやっているよ、という方にも是非読んで頂きたいものです!

 

前回の記事では、

 

・ダイアトニックコードというものがあり、その中のI、IV、Vがそれぞれトニック、サブドミナント、ドミナントの代表格。

 

・IV→V→Iという解決の動きは非常によく登場するが、ジャズではサブドミナントを代理して、IIm7→V7→Imaj7となることが多い。

 

というところまでお話しましたね。

 

《 ツーファイブワンは強い 》

 

さて、皆さんは「強進行」という言葉をご存じでしょうか? これは「5度進行」と呼ばれることもあり、その名の通り、ルート(コードの構成音の一番下の音)が完全5度下へと動く進行のことです。この動きはとても強い進行感を持っています。試しに鍵盤の低い音域でソの音を弾いてから、その下のドへと進んでみましょう。これだけでもスッキリ感を味わえる筈です。

 

それではここで、サブドミナントをIVコードではなくIIコードにすると何が変わるのか、という点を見てみましょう。

 

 

はい、どうでしょう。言うまでもなく、ルート音が変わっていますね。よってツーファイブワンはサブドミナント→ドミナント→トニックまで通して強進行していることになるので、非常に強い進行感が得られるわけです。

 

(※強進行、5度進行は、ジャズの世界では便宜上「4度進行」という言い方をすることの方が多い(完全4度上と完全5度下は音名的には同じものになります)のですが、今回のように決まった調性内でのカデンツの働きを持っているツーファイブにおいて、完全4度上への進行と表してしまうのはいささか早計なのです。)

 

さて、またまた大抵の理論書では「それが強進行です、覚えましょう」となるところを、もう少しだけ突っ込んで見てみましょう。次はこのスッキリ感の正体に関するお話です。ただし、次の項目はかなりややこしい上に今回の本題からは外れているので、「本題だけでいいよー」という方は丸っと飛ばしちゃっても大丈夫です(笑)

 

《 倍音とは 》

 

結論から言うと、強進行のスッキリ感は「倍音」によって裏付けられると考えることが出来ます。吹奏楽界隈では意味も分からず「倍音」という言葉だけが独り歩きしている感がありますが、言葉は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

 

楽器で「ド」の音を鳴らした時、実はその「ド」(基音といいます)の周波数に対し、整数倍の周波数が同時に生まれているのです。物理の世界のお話ですね。え、難しい?(笑)

もっと簡単に言うと、「ド」と鳴らした時、実はその「ド」以外の色々な音が同時に鳴っているということです。これが「倍音」。

 

具体的には、

こういった具合に。

 

倍音の前身となる考え方は、なんと紀元前にあのピタゴラスによって既に発見されていました。倍音自体は、1636年にメルセンヌによって発見されます。そして1753年にベルヌーイによって三角関数を想定して周波数と整数倍の重ね合わせが出来ることが発見され、その後19世紀にフーリエによって体系化されます。…あ、覚えなくて良いですよ(笑)

 

訓練すると、基音である「ド」と同時にボワーっとこれらのピッチが鳴っているのが聴き取れるようになります。また、分からないという人も、機械的に倍音をシャットアウトした「ド」(純音)を聴いてみるとその違いは感じられる筈です。もちろんこの譜例よりも更に上に、人間の耳ではとても認識できない高次の倍音まで理論上存在することになっています。

 

それでは、話を戻しましょう。

強進行とこの倍音というモノはどう関係しているのでしょうか。

 

まず第一に、「ソ」→「ド」という強進行において、「ソ」は進行先の第3倍音に転がり込む、と考える事が出来ます。これがスムーズな連結を裏付けていると言えるのではないでしょうか。第二に、(この辺りは厳密に説明するともう少し複雑なのですが、今回はあえて分かりやすく説明すると)第四倍音~第七倍音に着目してみて下さい。ここにとあるドミナントセブンスコードが存在していることにお気づきでしょうか。

 

そう、「ド」という基音は既に倍音によって「C7」の要素を含んでいると考えることが出来るです。繰り返しになりますがこの辺りはもう少し厳密な説明が本来必要ですが、ちょっと難しくなりすぎるので今回は割愛しています。まとめると、ある音が鳴った瞬間、倍音によって既に強進行が示唆されているということです。

 

 

さらに言うと、前編で保留にしていた「何故主要三和音は全てメジャーコードなのか」という疑問も、基音から近い倍音列に含まれる音だけで出来ている、極めて調和のとれた和音がメジャーコードであるためと考えることも出来ます。当時は調和がとれているということは非常に重要でしたからね。

 

加えて、I、IV、Vの3つのコードでメジャースケールの全ての音を網羅できているという点が挙げられます。なお、これはメジャーキーにおける話ですが、そもそも長調・短調のシステム自体が長調ありきの考え方ですので納得ですね。

 

また、吹奏楽の合奏には「純正律でメジャーコードの5度は+2.0、3度は-13.6」というキーワードが有って、「これを知ってる人は通」みたいな風潮がありますが(少なくとも僕の時代にはありました笑)、実はこれも倍音に関係しているのです。

 

根音を基音とする第三倍音、第五倍音などの、5度と3度にあたる音が平均律に対してその分だけ差のある周波数で存在するので、そこを狙って演奏すると倍音との間のうねりが生じず、気持ちよく調和するね、という理屈なのです(実際には+1.955セントと-13.686セントですが、まあ自然現象ですから誤差の範囲内ですね)。

 

《 本日のメイン「それは何故」 》

 

さてさて、話を戻しましょう。

「何故」が高じて倍音の話まで出てきてしまってお疲れかとは思いますが、ここでようやく今回のメインのお話となります。

 

ツーファイブワンが強い進行感を持っているのは分かった。でもそれは音楽理論と物理の世界のお話。ジャズでその強い進行感が求められるのはそもそも何故?

 

これは一意見に過ぎませんが、僕の中でしっくり来ているのはこのような答えです。

 

結論を述べる前に、ジャズという音楽を思い浮かべてみましょう。ドラムの音が基本的に休みなくジャカジャカと鳴っていて、サックスがパラパラとアドリブを吹いている。コード、とりわけ内声を含んだハーモニーの担当はもっぱらピアノです。

 

しかし、クラシックのオーケストラ等と違ってピアノは基本的にアタックが最も強く、同じ音の中でダイナミクスに変化をつけられません。ましてソロピアノならまだしも、ドラムやフロントの管楽器が常時目立つ音を発している状況です。内声の詳細な移り変わりというのはどうしてもはっきり伝わらなくなってしまうものです(しかもテンションを含んだボイシングです)。

 

そんな状況ですから、同じサブドミナントからドミナントという動きでも、外声であるベースを強進行させることでコードの移り変わりを補う必要があったのではないでしょうか。これが今回の結論。お分かり頂けましたでしょうか?

 

補足として、サブドミナント→サブドミナントマイナー(今回初出の単語ですね、意味が分からない方は流して下さい)という進行においても多数の管楽器でハーモニーを担当していたスウィング時代にはIV-IVmという動きが多かったのですが、モダンジャズ以降はIV-bVII7という代理コードの使用により強進行させるのが主流となったという点も付け加えておきたいと思います。

 

《 今回はここまで! 》

 

いやー、ややこしかったですね。そして回りくどかったですね(笑)

 

音楽をする上で、必ずしも物理の話にまで首を突っ込む必要があるわけではありません。ただ、だからといって「倍音」が何なのかさっぱり分かってはいないけど、「知ってると通」っぽいからという理由でテキトーな嘘を教える吹奏楽部の先輩、先生、いたりしませんか? それを防ぐ意味でも、アウトラインくらいは知っておくといいかも知れませんね。

 

事の本質を理解するには、そのものそのままだけでなく、理論的な、科学的な、精神的な、歴史的な、そして現実的な側面から、多面的に考える必要があるというお話でした(深い)。

 

それでは今回はこの辺りで、次のネタが決まったらまた更新したいと思います!

 

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お付き合いありがとうございました!

こんにちは! ジャズクラリネット奏者の壱岐薫平です。

ボストンは日ごとの温度変化が激しくよく分からない季節になっておりますが、日本の皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

先日、実に11か月ぶりにブログを書いてみたところ、いきなり人気記事ランキングにランクイン、アクセス数もベストを更新致しまして、お読み頂いた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。調子に乗ってまたまた投稿させて頂きます(笑)

 

今回も、一般的な理論書や音大の授業なんかで「そういうものです、覚えましょう」と言わんばかりに説明されている事柄について、「それは何故?」と切り込んでいく記事となっています。

 

前回は調号に関する「何故」を紐解いていく内容でしたが(前編)(後編)、今回はコード進行に関するお話になります。なお、前回の記事を読んでいないと今回の内容を理解できないということはありませんのでご安心ください。

 

 

さて、皆さんは「ツーファイブ」あるいは「ツーファイブワン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ジャズをやっている人や、作曲に興味のある方にとっては馴染みの深い言葉だと思います。詳しい説明は後程しますがざっくり言うと、強い緊張感から解決へ向かう、ジャズのスタンダードナンバーではかなりの頻度で登場する定番のコード進行のことです。

 

《 ダイアトニックコード 》

 

まずはこちらをご覧ください。

(※今回はポピュラー和声の視点から解説するので小文字の数字は使っていません。)

 

これはキーがCメジャー(ハ長調)の時、このキーに存在する音のみを重ねて作ることの出来る7つのコード(和音)の一覧です。言い方を変えるとCの音階上のコードということになり、このようなコード達をCの「ダイアトニックコード」と呼びます。キーがCの曲では、主にこれらのコードから曲が成り立っているのです。

 

これらをコードのタイプで分類すると、

https://stat.ameba.jp/user_images/20171006/20/tuketukekun/11/22/p/o0671016314043075302.png

となります。コードの知識がないという方はとりあえず、一般的に明るい響きを持つとされるメジャーコードと、暗い響きを持つとされるマイナーコード及びディミニッシュコードに分けられるのだということだけ理解して頂ければと思います。

 

《 主要三和音とカデンツ 》

 

ダイアトニックコードの中でも特に大事なコードが3つあります。それは先ほどの譜例の左側、I、IV、Vの3つのメジャーコードです。このI、IV、Vは「主要三和音」と呼ばれ、作曲をする上で核となるコードです。

 

ちなみに、大抵の理論書では「そういうことなので覚えてください」といった書き方がされていますが、これにもちゃんと理由があるのです。それはまた後程説明するとして、今のところはメジャーキーの主要三和音だから全部メジャーコードなんだな、と思って頂ければ大丈夫です。

 

この主要三和音、曲を形作る上でそれぞれがそれぞれの役割、「機能」を持っています。

 

I … トニック、とても安定した性質を持つ。

V … ドミナント、とても不安定でトニックに進みたくて仕方がない性質を持つ。

IV … サブドミナント、ドミナントほど不安定ではないがトニックより展開感があり、ドミナントにもトニックにもスムーズに進める性質を持つ。

 

言葉で説明するとしたら、こんな具合ですね。もちろん人それぞれの表現方法があって良いと思います。また、和声学を基礎から学ぶとすると、進む方向や条件が色々ルール化されていたりするのですが(ただし現代はもう例外だらけです)、ポピュラー音楽においてはその辺りは自由です。とにかく、この3つのコードが核となって曲が作られているということはお分かり頂けましたでしょうか?

 

そして、曲の中によく登場するのが以下ようなサブドミナントがドミナントに進み、ドミナントがトニックに解決するという一連のコード進行。カデンツの第2型として知られています。

 

 

専門家に怒られそうな乱暴な言い方をすれば、バッハやモーツァルトの作品にはこの動きばかりが出てきますし、皆さんのよく知るポップスにも、童謡にもこの進行は頻繁に登場します。

例えば「ふるさと」の、「(IV)ふーるー(V)さー(I)とー」の部分なんかもそうですね。

 

吹奏楽部の方は、基礎合奏で「カデンツの練習」と称した練習をしたことがあるのではないでしょうか?

https://stat.ameba.jp/user_images/20171006/18/tuketukekun/aa/69/p/o0733014314043015899.png

学校によって違いがあると思いますが、こんな感じのやつです。完全終止ですね。うちは意味も分からずやってましたよ(笑) 吹奏楽で言えば、課題曲のマーチなんかもこの進行と出会うことが非常に多いです。

 

余談ですがカデンツはドイツ語、カデンツァはイタリア語で本来どちらも終止形を意味するのですが、日本ではカデンツは終止形、カデンツァは協奏曲の即興パートを指すことが多いようです。ちなみに今回はポピュラーの視点から解説しているのでケーデンスと言うべきなんですけどね。言語の混同はややこしい(汗)

 

《 四和音の場合 》

 

はい、ここまでは全てトライアド(三和音)を前提にしてお話ししてきました。トライアドとは文字通り、音を「ド、ミ、ソ」と3つ重ねて出来るコードの事です。ところが、ジャズで主に使われているのは「ド、ミ、ソ、シ」と4つ重ねてよりキャラクター性が増した、セブンスコード(四和音)と呼ばれるコードです。

 

 

こちらは、ダイアトニックコードを四和音にしたバージョンです。コードネームが複雑になっていますので「だから、コードがわからんのだよ!」という方には申し訳ないです(笑)

 

トライアドからセブンスコードに変わると、響きや音楽の趣はもちろん変わりますが、機能的な部分は大枠で同じです。トニックはImaj7、サブドミナントはIVmaj7、ドミナントはV7が代表となります。ちなみにVがV7となったことでトライトーンが生まれ、より強い解決感を得られるようになりました(トライトーンについては前回の記事を参照)。

 

ところでI、IV、V以外のコードの話を全然していませんが、彼らは存在価値のないモノなのでしょうか? もちろん、そんなことはありません。I、IV、Vはあくまでキーにおける各機能の代表格。他のコードも同じようにトニック、サブドミナント、ドミナントに分類することが出来るのです。

 

https://stat.ameba.jp/user_images/20171006/19/tuketukekun/39/5e/p/o0730014214043036693.png

と、このようになっております。何故か、というのは代表格との共通音を見て頂ければと思います。いずれのコードもそれぞれの機能の代表格と3つ以上の音を共有していますね。機能の同じコード同士は置き換えても同じ働きをします。つまり本来Cmaj7が来るところでAm7を使用してもやはりトニックとして響くということですね。このようなAm7をCmaj7の「代理コード」と呼んだりします。

 

補足ですが、IIIm7をきっぱり「トニックです」と言ってしまうのがジャズ理論とクラシック和声の相容れない部分ですので、混乱されないようにお気をつけ下さい。また、VIIm7b5は理論上ドミナントに分類されますが、実際にこのコードがV7の代理として使われる例はほとんどありませんので、()書きにしている理論書が多いです。

 

さて、先ほどのサブドミナント→ドミナント→トニックというカデンツを思い出して下さい。これをセブンスコードで置き換えると、キーがCの場合、

https://stat.ameba.jp/user_images/20171006/19/tuketukekun/eb/dd/p/o0357008414043043563.png

ということになりますね。

ところがこの進行、ことジャズにおいては、実はあまり見かけません。

サブドミナントであるFmaj7は代理コードであるDm7で置き換えてしまうケースの方が圧倒的に多いのです。

 

 

実際に一般の方にも馴染みあるジャズスタンダードを例にコード進行の一部を紹介すると、

(※キーは分かりやすいように全てCにしてあります。)

 

トニックコードの前はものの見事にII-Vですね。ちなみにアイガットリズムは「循環」と呼ばれるコード進行で、これだけでも一記事書けるところなのですが、今回はII-Vの紹介に限らせて頂きます。というわけで、このようなコード進行を俗に「ツーファイブ」または解決まで含めて「ツーファイブワン」と呼んでいるのです。

 

《 今回はここまで! 》

 

かなり詰め込みましたが、いかがでしたでしょうか?

なんとびっくり、予備知識の解説だけでこの文章量になってしまったので、今回も前後編に分けて、続きは次回お届けしたいと思います!

 

ここまでの内容を整理すると、

 

・ダイアトニックコードというものがあり、その中のI、IV、Vがそれぞれトニック、サブドミナント、ドミナントの代表格。

 

・IV→V→Iという解決の動きは非常によく登場するが、ジャズではサブドミナントを代理して、IIm7→V7→Imaj7となることが多い。

 

ということでした。

 

「何故ジャズではIV-VよりもII-Vが好まれるのか」解答編はかなり濃い内容になっておりますので、是非とも懲りずにフォローして頂ければと思います!

それでは今回はこの辺りで。

 

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お付き合いありがとうございました!

 

【10/7】続き書きました→何故ジャズではIV-VよりもII-Vが好まれるのか(後編)