この会社に来て、もう10年以上が過ぎた。
2008年9月15日にリーマンショックが起きた。
この二か月後にフリーランスで所属するようになった時、
会社のスタッフに「大変なときに入っちゃいましたね」と言われた。
意味がわかるのに時間はかからなかった。
そこから一年半、仕事なし、収入なしの苦しみを味わった。
辞めようと思ったけれど、なにも成しえていないのに辞められるか、と
そのまま嘱託の営業になった。
性格にはあっていないと思うのだけれど、なぜか数字は伸びていき、
嘱託から契約になり、エリアの責任者にもなった。
大型案件もたくさん受注し、施工事例は社内で表彰され、
実例集として誌面に掲載された。
順調にきたかに見えたが、難しい客に捕まった。
大型案件だけに長くもめている。
建築が、ものづくりが、少しも面白くなくなってしまった。
他の顧客までも、いやな存在になってしまった。
客商売の嫌さ、煩わしさ、
まるで自分を押し殺して働いているかのような窮屈さ、
本当の自分を隠しているかのような罪悪感。
いろんなものが小さい波のように、少しづつ私を削り取っていく。
籍は会社にありながらも、心は完全に離職してしまっている。
この状況はどうしたものだろう。
上司は心配などするはずもなく、「怠けている」と憤慨してくるし、
その上席はしたり顔で、「期待しているよ」などと笑顔を見せる。
これがいわゆる、「モチベーションの低下」なのか
あるいは「燃え尽き症候群」なのか
更年期などによる「無気力状態」なのか
ただの「暑さによる怠惰」なのか
判断ができずに過ごす 「夏休み。」