みなさま。
いきなりですが、
「閃輝暗点(せんきあんてん)」っていう症状をご存じでしょうか?
「閃輝暗点(せんきあんてん)」
突然視界にギザギザした光が現れて、視界が欠けたように見える。
そのギザギザがどんどん大きくなってきた…と思ったら、20分くらいでなくなる…
↑こういうのん。
つけちゃんね、小学校高学年の頃から半年に1回くらいかなぁ、
この症状に悩まされてきた。
最初はいきなり黒板がチカチカして見えなくなって、すんごくびっくりした!
そんで、先生に
「つけこちゃん!保健室行こう!」
って声をかけられても、もう立てないくらいにあっという間にしんどくなっちゃったの。
ギザギザが見えはじめて消えると
まもなくひどい頭痛→寝込む→吐く→楽になる
っていう一連のプロセスをたどることになる。
だいたい半日くらいで体調はもどってくる。
中学、高校の時なんかは
ギザギザ見え始めたら、動けるうちにすぐ保健室に行った。
保健室の先生も覚えてくれているから、
「吐くときはトイレね!」
と言われてベッドに寝かされ、ただ苦しんだ。
つけちゃん的には
「いつまた、あのギザギザが襲ってくるか…」
という気がかりが、いつも頭にある学生時代だった。
試験、修学旅行、友達との約束時など…気が気でなかった。
しかもいきなり視覚に症状が現れるので、
とってもこわくて不安になるのだった。
けれどもこの症状を、病院でどんなに正確に細かく話しても理解されず、
「うーん、ストレスかな~」って感じで、特に問題にされなかった。
だから予防策も対処法もわからないまま、なんとかやり過ごしていたのだが、
これが自分以外にも起こっている症状だと知ったのは、つけちゃんが大学生の時だった!
それは、芥川龍之介の「歯車」という小説を読んだとき。
そのお話の中に、まさに閃輝暗点の症状が現れていたのだ!
題名である「歯車」というのは、まさにそのギザギザの光をあらわしたものだった。
そしてやはり、その「歯車」が視界に現れて消えたあと、
主人公「僕」がひどい頭痛に襲われる、という話だった。
作者である芥川龍之介ご本人が、
重い閃輝暗点の症状に苦しんでいたらしい。
つけちゃん、食い入るように一気にその本を読んだ!
「これだ…」
そのお話の中に閃輝暗点、という言葉はもちろん登場していなかったけれど、つけちゃんは確信した。
「これは名前がないだけで、この世に存在するれっきとした”症例”だ!」
ということを!
今ではね、
「ギザギザの光、頭痛」って
検索したら、すぐに名前も原因も対処法も出てくるよ。
「閃輝暗点の原因」
脳の中の視覚野で血流が何らかの理由で悪化し、それが治った時におこります。
ってね!
つけちゃん、今でも数年に一度、閃輝暗点が起こる。
閃輝暗点のお薬っていうのはないのだけれども、
ギザギザが見え始めたら
とにかくすぐに頭痛薬と制吐剤を飲む。
で、しばらく休んでいると楽になる。
ちゃんと病院の内科とかで
「閃輝暗点が起こった時に備えて、頭痛薬と制吐剤ほしいです」
ってゆったら、
「あ、閃輝暗点持ちか。はい、じゃあ出しておこうね」
って、すぐに処方してくれる。
芥川龍之介の自殺の一因であったともいわれる、閃輝暗点。
彼は特に重症だったらしく、
ずっと原因がわからなくていやだっただろうなぁ。
医学がすすんで、解明されて
自分の身に何が起こっているのかがわかる。
これがどれだけ人を安心させてくれることだろう。
つけちゃん、本当に心からそう思う。
研究者の方々、本当にありがとう。
生きていると、こんな風にわかることもある。
やっぱり、すてたもんじゃないなぁ、と思う!
ああ、ギザギザが!
ギザギザが来たぁぁぁーーーーーっっ!!