自分を育ててくれた父が亡くなった時
腕時計だって自分が買ってやった
仕事用の時計でお金になるような物は
何も無かった
父は道楽をしないで自分に財産を残した
父が一番好きだったことは山に行って
自分の植えた木の手入れをすることだった
だから下の倉庫には山仕事用の鉈や手鋸
だけでもこんなにもある山で使う手鋸に
長さの違う鉈
どうして長さが違う鉈を持っていたかと言うと
体が大きな方ではなかった父は少しでも
上の方まで届くようにと長い鉈を持っていた
そんな気がする
山に入る時は腰には鉈と手鋸を
木に藤が巻き付いていたら可哀そうだと
他人の山でも藤は切り落としていた
藤に巻き付かれた木が成長していくと
木は益々締め付けられ枯れていってしまうから
手の届くところの藤を手鋸で切ってあげた時
今まで巻き付かれていた木から「ありがとう」って
そんな声が聞えるような
そんなことを考えながら
今日は早くも小さなビニールハウスづくりを




