朝、ダイビングで撮影した写真を整理していた。
昼食を買ってコンビニから帰宅すると、異変に気付いた。水槽の熱帯魚が消えて、写真の一枚がヒラヒラと遊泳していたのだ。
「そんなバカな……」
大きな口を開けている顔だけのサメの写真だった。
恐る恐る掴み出そうとした刹那、飛び出して窓から逃げた!写真のサメとはいえ熱帯魚を捕食した……人が襲われる!おれは必死で追いかけた。サメは雑居ビルの窓から侵入した。階段を駆け上がって侵入したオフィスのドアを叩いた。
「なんですか?」
「サメがいるんだ!」
「サメ?」
窓に目をやると、サメがコピー機の中に入っていった。
「アイツまさか……」
サメはコピー機を操作していた。拡大して人間を襲うつもりだ!
「逃げてください!」
複写で量産されたA3のサメは次々と社員を呑み込んでいった。俺は必死でビルから逃げ出すと、サメはビルの窓から次々と猛烈な速さで街へ拡散していった——