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感謝のブログ(すべてのものに感謝しています。常に神(宇宙)のご加護があります。すべての人が幸せでありますように!)

日々、生かされていると思っていますので、感謝の気持ちを持って全力で生活します。愛と調和の精神を発展させ、人々が満足できる社会となるよう努めます。全ての人が幸せでありますように。全ての人が苦しみから解放されますように。明るい未来。

「透析を止めた

筆者:堀川 惠子

出社:講談社

令和61120日初版発行

 

この本は題名から闘病記のように思えますが、夫婦の愛の物語であり、生きるとは何か、死とは何かを教えてくれる本でした。この本は2部構成となっており、愛する夫(林)が亡くなるまでの経過が第1部、夫が亡くなった後、透析の現状や(血液透析ではなく)腹膜透析についての内容及び看取ることについての内容が第2部となっています。

 

この本を読んで、透析ということをネットで調べてみました。透析というのは、一般的に腎臓の機能が悪化して、血液中の老廃物(毒素)を濾過できなくなった腎臓の代わりに人工的に血液から濾過して体外に排出するということとなっていました。私自身、透析患者と接することはあったのですが、透析患者がここまでの苦しみを抱えているということは知りませんでした。人工透析となってしまった場合には、それを止めることはできず、唯一止めることができるのは腎移植をすることだということです。

 

筆者は言います。「透析という医療は、私が想像していたよりも遥かに過酷なものだった」(19P

筆者の夫はNHKのプロデューサーのため、多忙であり仕事に差し障りのない透析を週3回、1回4時間の透析をするため、朝6時から透析のできるクリニックに通い11時には終えて、それから仕事をしていたということです。(20P

 

また「ほとんどの透析患者は、尿が出ない。」(22P

これは、腎臓の機能が低下して働きが悪くなり、血液中にある不要な水分を取り出すことができなくなったことで、尿が出なくなるということのようです。そのため、水分補給も1日に500mlまでと制限するようです。それ以上、飲みすぎると夜に胸が苦しくなる。(23P)また、塩分も1日に6gまでに制限するのが理想ですが、スーパーの惣菜には23gの塩分が含まれていたため、油断ができないということです。(24P

 

透析になると栄養バランスにも気を配る必要があるようです。カリウム(32P)やリンの過剰摂取(35P)には注意したということです。

 

夫が透析する原因となったのは「多発性嚢胞腎」という病気により、腎臓の機能が低下するということでした。(40P

 

母から子への腎移植が行われました。(56P)手術は無事に終わり「義母は90代半ばまで健やかに生きた。私は義母の勇気と愛情に、今でも感謝している。」(60P

 

 

透析をしなくてよい生活が続いていたが、多発性嚢胞腎が肝臓に移転して肝嚢胞を発症していました。それによって呼吸困難を引き起こしたり、食事ができなくなったりするということです。肝臓も移植することが可能か検討を開始しました。(83P87P

 

腎臓を移植し、9年間働いてくれましたが、数値が悪化したため、退職した上で再度、透析を行うこととなりました。(94P

 

日赤医療センター内で医師同士が連携できていない状況に巻き込まれました。(145P)闘病生活をしていてそれ以外のゴタゴタに巻き込まれたことは残念な状況だと思います。

 

筆者と夫は話をして透析を止めることにし、医師に伝えたとあります。その際、医師からは

 

「意識があるのに透析を止めるということですか?そんなこと聞いたことがありません!自分から透析を止めるなんて、少なくとも。うちでは例が。。奥さん、意識が無くても透析はまわせますから大丈夫、安心してください。まわせるところまでまわすのが普通ですから、大丈夫です。」(162P

 

それを受けて、筆者は「医師なりに、私を励まそうとしてくれていることは分かった。(略)私は(夫に)透析医の言葉をそのまま伝えた。すると彼は表情を険しくして吐き捨てた。「冗談じゃないぜ。意識がないまま透析なんか、まわされてたまるもんか」(163P

 

夫は言います「僕はね、自分の命を他人が握っているということが耐えられない。自分の命のことは、自分で決めたい。自分の意思を貫きたい。それは辛くて悲しいことだけど、もう仕方のないことだって分かってる」(171P

 

主治医にいきなり叱責されてビックリした様子が書かれています。(178P

医師と信頼関係が築けなかった筆者の無念さはあまりあると思いました。その際、足が壊疽していることによる痛みが酷くなり、苦しみ悶えている様子があります。「足の状態は、どんどん酷くなっていく。指先は5本すべて真っ黒だ。指のみならず足の裏にまで壊疽は進んできている。」(187P

 

夫が永眠して、お別れをした様子が書かれています。(192P

「病との闘いは終わったのだ。そして、右手。この手で林は私の手を強く引き、ともに生きてくれた。私はそれを離すまいと必死で握り、歩いてきた。その右手は今、どんなに強く握りしめようとも、ぴくりとも動かない。私は林にすがって思い切り号泣した。感情をもうコントロールできなかった。そうするうち、呼吸が止まった。」

 

腹膜透析のことについて記載があります。(253P286P

腹膜炎となるなどの情報はあるものの、腹膜透析は自宅で行えて、身体への負担が小さく、生活の質を保つのに優れているということです。(254P

 

筆者は言います。「私は確信している。人生で真に大切なのは、どれだけ長く生きたかではなく、どう生きたかなのだと」(314P

 

この本の解説者である南学正臣氏は言います。

 

・「本書は、日本で緩和ケアが保険診療としては、がんと重症心不全にしか認められておらず、患者さんに最適なケアを提供することが出来ない問題も指摘している。」(323P

 

・「残念ながら、日本の腎不全患者さんは、制度上緩和ケアの恩恵を受けることが困難な状況に置かれている。」(324P

 

この本を読んで人工透析の恐ろしさ、腎臓を大切することの重要さを思い知らされました。一人でも多くの方がこの本を読み、適切に食事を摂り、適宜、運動をするなどして、腎不全とならず、健康で過ごしていただくことを願って止みません。この本は読者にも透析患者の心と体の痛みが伝わってくると思います。現在の日本には約35万人の透析患者がいるそうです。その患者の痛みが今後、少しでも解消されるよう願っています。

 

この本は私にとって一生、所持する宝物のような存在となりました。活字が心に染み入りました。

 

素晴らしい本を書かれた筆者の堀川惠子さん及び出版された出版社の方に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

みなさん、良い一日をお過ごしください。