http://plaza.rakuten.co.jp/kidsstudion2/diary/201111220000/
さて、今回は
お母さんのおなかに赤ちゃんのいのちが宿ってから生まれるまでをたどってみましょう。
これも真に不思議な過程なのです。
図-1を見てください。
左側に個体発生のイラストがあります。
これは妊娠期間(280日)中の胎児の変化過程です。
右側は系統発生のイラストです。
これは地球に生命が発生してから約25億年の変化の過程です。
つまり、
・受精卵 ⇒ 鰓(鰓)⇒ 肺 ⇒ 産毛、爪 ⇒ 体毛 (個体発生)(280日)
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・単細胞 ⇒ 魚 ⇒ 両生類 ⇒ 哺乳類 ⇒ 猿 (系統発生)(25億年)
の二つの変化過程で、各段階がが対応しているという図です。
図1個体発生は系統発生を繰り返す
(井尻正二著 斉藤公子序説「ひとの先祖と子どものおいたち」)
ヘッケルという学者が1866年「一般形態学」の中で、
次のような意味のことを言っています。
「生物は個体発生の経過の間に、先祖がたどった形態の変化(系統発生)を繰り返す」
つまり、胎児は280日(9か月と7日)の間に、生物が約25億年の間にたどった
変化を、海水の組成を引きついだ羊水の中で、繰り返す、というわけです。
この図で見ると、人間の赤ちゃんは、二足歩行しないサルの段階で生まれてくる
ということですね。
さて、
羊水には、胎児を発育させ、守る役目が有ります。
図2では羊水(初期)が母親の血液から作られ、海水の組成によく似ている
ことがわかります。
図2(作成:仲田)
ところで、妊娠初期の羊水は母体の血漿(血液の液体部分)がにじみ出たもので、
組成が似ているのですが、
妊娠16週ころから組成が変わってきます。
実は胎児が作り出した尿だということです。組成も尿に近づきます。
これを真羊水といいます。
胎児は腎臓で有害なアンモニアを出さないようにしているということです。
ですから羊水を汚いと思う必要はありません。
胎児は羊水を飲みこみ、肺呼吸の練習もしているのです。
海水の中で20億年位-羊水の中で280日
不思議な対応ですね。
参考:
・井尻正二著 斉藤公子序説「ひとの先祖と子どものおいたち」(筑地書館)
・医療コラム 羊水のはなし(磯辺レディースクリニックさんのホームページ)⇒
http://www.isobe.or.jp/column/sanka/s68/s68-4.html
仲田記
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