私が私である。

自分のことが自分で分からない。

わからなくて、何をしたいのか、何がしたいのか、

何を求めているのか、何に満たされたいのか…

本当に分からない…


結局欲張りなだけ。

あれもこれもと、求めることをやめられない。

人よりも優れたい、勝りたいという根性ゆえだと思う。


人間ていいな~人間に生まれて良かったな~と思っていた。

地球生物のなかで、一番恵まれた生物と思ってきたけど、

あれもこれも出来るがゆえに、すべきことが定まらず、

迷い、惑い、深みにはまっていく…


夏に鳴く、セミの声。実に力強い。

やかましいけど、鳴き続ける方も必死で大変だろう。

セミの声は、命の叫びですと、ある方がおっしゃっていたことを思い出す。


私は、いつから、叫んでいないんだろう。

私は叫ぶことをやめてか、知らずか、自分の気持ちというものを

押し殺して、あるものをないものにしようと働いているようだ。


生きているのに、死んでいるようで…

死んでいないのに、生きてもいない…


いつからこんなことになっちゃったんだろう…


そういえば、思うようにいかないと泣き叫んでいた幼少期。

世間体など気にせず、場所も気にせず、人も気にせず、

ただただ泣き喚いていた頃があったな。


泣き叫び、泣き喚いていた私は、いつからいなくなってしまったんだろう。


この現世界に生きなければならないというのは、

人間を迷わせ、惑わせ、苦悩するためにあるようで…


生まれた!と喜ぶのも束の間。

黒く悶々とした闇が押し迫ってくるようだ。


闇は空気とともにやってくる。

生きるために必要な空気と一緒にやってくる。

空気が欲しければ、闇も必然とオマケについてくる。


生きる喜び、生まれた喜びに、プラスおまけで苦悩がついてくる。

喜びと苦しみがセットなわけで…

二つが一つなわけで…


生きるを知るには、苦悩に学び。

苦悩する私の根本的原因を追求するには、

生きるということを確実に学ばねばならない。


高校や大学受験、就職試験。

様々な試験があるが、人生にだって試験はあるだろう。


生まれたからには、死ぬまで私たちは、受験生。

勉強し続けなければならない。

学び、そして自分を育み続けなければならない。


なぜ生まれた?

なぜ老いる?

なぜ病気になる?

なぜ死んでいく?


生老病死するという事実を生きる中で、学ばねばならない。


これは生まれたという事実をもとに、

私たち人間に、すでに備わっている大問題だと思う。


考えても分からない。

だから学ぶ必要がある。

考え悩むことにおいて、学ぶ。


お金と時間と科学技術を駆使すれば、

ほとんどのことがかなっていくこの世界に生まれてしまった私…


幸か不幸かは、その時の縁で変化する。

幸も不幸も私には関係なく、生まれてしまったこの私。

そこ一点を見つめれば、何事にも左右されない、

すべての人間に備わっている生老病死する現実。

生まれたことにおいての究極の私存在の事実こそ、

私たちが真剣に考え悩み学ばねばならない問題だと思う…


今日のお昼何食べよう?

どんな車を買おう?

どこに旅行行こうかな?


こういう悩みもあるけれど、その時の気分で変わってしまう。

ハンバーグを食べにココスに行ったのに、カレーライスを食べているとか。

気分でコロコロ変わってしまう。

今日と明日と明後日と、また、朝と昼とで気分が変わるから、その答えもその都度変わる。


要するに、真剣に悩んでも、気分次第でコロッと変わってしまう

どうでもいい悩みなわけで。でも、毎日の生活をする上では楽しみで。

生まれた意義は、そこから直接的には見つからないわけで…


生活の悩みと生きる悩みは、別個のもの。

一緒だけど違う。違うけど一緒。


どっちだ?


でも、どちらもなくてはならない悩みなわけで…

学び合うことによって相互に見えてくるものがある。


人間世界と仏世界。

表と裏。

愛と憎しみ。

満足と不満足。

男と女。


相手を知るから見えてくる。

相互関係。


受験生として学ぼう。さあ、どう学びましょうか?



唐突ですが、

お通夜やお葬式にお参りに行かれたことがありますか?


その時、みなさんはなぜお参りに行くのでしょう?


義理ですか?

人情ですか?

世間体ですか?


理由はなんでもいいんです。

まあ、良くもないのですが…


私と同じ人間が、目の前でもう動かない。

生きている私と、死んでいるあなた。


生まれ、今ここに生きている私が、

通夜葬儀という縁において、いつか自分にも必ずやってくる事実=死。

逃げきれない事実との直面の場。


何を思い、何を考えねばならないのか。


私も今考えています…


きっと、こういうことを、真に人生に苦悩するというのでしょ…


わからないことが見えてくるのでしょう…


何がしたいのか、何をしたいのか、

何を求めているのかが見えてくるのでしょう…