12.27 石田順裕vs竹原虎辰 日本タイトル前哨戦 〜石田4RTKO勝利!4月京太郎と再戰へ〜 | @TUG_man石田順裕応援ブログ

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世界リアルボクシングドキュメント

2014.12.27 Nobuhiro Ishida vs Kotatsu Takehara 


年末27日、大阪住吉区民センターにて日本ヘビー級1位石田順裕対同2位竹原虎辰による日本ヘビー級タイトルマッチ前哨戦が行われた。勝者は4月のチャンピオンカーニバルで藤本京太郎と戦うことになる。

石田順裕
1年越しのリベンジマッチでタイトルマッチを狙う石田は必勝を義務づけされる試合だ。竹原が9月、京太郎に5RTKOで敗れていることもあって、大差判定の完勝かもしくは5ラウンド以内のKO劇を見せつけたいところだ。

石田順裕vs竹原虎辰
両雄石田と竹原はスパーリングパートナーだったことがある。その際竹原は、テクニックはさすが元世界王者だと舌を巻いた。そこで竹原陣営は“大増量”で体重差を武器にしようという作戦を立てた。今回竹原は101㎏(京太郎戦時)だった体重からさらに約6㎏も上乗せし106.9㎏という巨漢に仕上げてきた。接近戦で身体をあずけ石田のスキルをゼロ化しようという作戦だ。

“動けるヘビー級”を目指す石田順裕は、いつも通りヘビーリミットを少し上回る程度の約92kg。体重差うんぬんはあるが国内レベルでは、もはやそういった懸念は必要ないのかも知れない。ロス合宿ではメキシカンヘビー、ロシアヘビー級チャンプ、アフリカヘビー級チャンプら相手に本番さながらの激しいスパーを重ね、石田順裕は既にネクストレベルへ到達している。

本場のリアルヘビーは自分より10kg以上重く背も高い上に、パワーで上回りテクニックでも自分と同等のレベルにいる。そういったモンスター相手に真っ向から勝負しても敵わない。

石田順裕vsリアルヘビー
屈強な外国人ヘビーに勝つためには石田順裕にしかできない独自のオリジナルスタイルが必要不可欠になってくる。世界を制したアウトボクシングに、肉体改造で力強さを増したパワーファイトをブレンドしたハイブリットISHIDAスタイルだ。

硬質なパンチを武器に、スピーディーなボクシングを展開していく。動いて動いて、かわしてかわして、コンビネーションをまとめてダメージを与えていく。離れて良し、くっ付いて打ち勝つ。石田順裕の目指す完成ヘビースタイルが見えて来た。

今夜はベルト奪取に向けて重要なテストマッチ。弾みをつけるためにもいい内容で勝ちたい。

1R1石田左ジャブ
試合開始、第1ラウンド。石田順裕の鋭いジャブ、ドスッという打撃音が重く響く。ジャブ一つとっても格段にパワーが上がっているのが分かる。

竹原はピーカブースタイルで突進し左右フックを振るう。お互いに手の内を知り尽くしているため様子見なし。初回から重量級らしい見ごたえのある打撃戦が繰り広げられた。打ち合いを制したのは石田だ。竹原は早くも両目まぶたをカットした。

2R2石田左フック
第2ラウンド。距離ができると分が悪いと踏んだ竹原がさらにプレスを強めて来た。猛然と迫る竹原。距離さえ潰してしまえば体格に勝る竹原の土俵だ。そしてこの接近戦に石田が応戦した。

当初の石田陣営のファイトプランはアウトボックス。しかしヘタに下がっては予想以上にガンガン来る竹原を調子に乗せてしまうと判断。押し返しながらショートアッパーとフックを叩き込んでいくパワーファイトに急遽作戦を変更した。

こうしたヘビー級ボクシングの幅の広がりも、石田順裕が重量級の肉体に順応した証拠だ。経験豊富な石田順裕の引き出しは無数にある。試合中、状況に応じて瞬時の判断でスピード仕様のアウトボクシングからパワー仕様のインファイトへとハイブリットエンジンを切り替えた。

石田は体重差をもろともせず竹原の突撃を真っ正面から受け止め、バチバチのインファイトを展開していった。

3R1竹原カット
第3ラウンド。石田順裕が的確にヒットを重ねて行く。竹原虎辰も必死の形相で打ち返す。石田が3つ4つコンビネーションをまとめると竹原たじろいで下がった。竹原の両目の傷は広がり鼻血も垂れ、顔面が赤く染まっていく。2:36、竹原1度目のドクターチェック。

4R1石田ショートアッパー
第4ラウンド。石田順裕の硬質なパンチが竹原の顔面に突き刺さる。石田左ボディーショットで竹原の足が止まった。さらに石田右クロス、ショートのワンツー、アッパーと多彩なコンビネーションで攻め立てた。竹原顔面から血しぶきがリング外セコンドまで飛び散り、両陣営それを拭いながら指示を与えている。

3R2竹原ドクターチェック
2:33、竹原2度目のドクターチェック。顔面血だるまの竹原。石田も返り血を浴び全身血だらけだ。試合は再開されたが、竹原このままではストップ濃厚、最後の気力を振り絞りラッシュを仕掛けていく。石田も仕留めにかかり壮絶な打ち合いだ。

石田の左右フックが決まり竹原の意識が朦朧としたところでゴング。竹原ストップを覚悟したのか茫然と立ち尽くす。〝ナイスファイトだったぞ〟と石田が軽く竹原の背中を叩いた。

4R2石田順裕4RTKO勝利
5ラウンド開始ゴングを待たず、竹原陣営より棄権の申し出。石田順裕が4ラウンドTKO勝利を飾った。

竹原虎辰セコンド陣営
〝これ以上やったら竹原が危険だと思い止めました。竹原の身体が大事なので。応援して下さった方々ありがとうございました〟

最後まで諦めずに前進し続けた竹原虎辰にも最大の拍手を送りたい。あれだけの流血にもかかわらず気迫みなぎるファイトを続けた。決して諦めない竹原の粘りがあったからこそ“これぞヘビー級ボクシングだ”という見応えのある大迫力の試合になった。

石田勝利者インタビュー
石田順裕勝利者インタビュー
「ホントに竹原選手の顔もすごくて圧力がすごくて、いっぱいいっぱいの試合でした。ヘビー級転向っていうのは自分が思ってた以上に厳しい道のりで、まだまだ動けてないんですけど、京太郎と再戰するまで一生懸命頑張ります。4階級上げてアホなチャレンジとか絶対誰もやったことないし、これからもやらないと思うんですけど、ボクシング人生の最後にアホな事にチャレンジしたいんで。来年チャンピオンカーニバルで京太郎選手と試合するんで熱い応援よろしくお願いします」

石田は竹原に対し、見事京太郎より早い回でのKO劇を演じた。初めからノックアウトは狙ってはいなかったらしいが、強く意識はしていたと言う。試合の流れの中で自然とKOに結びつける事に成功した。

ヘビー級に転向し約1年、下半身が安定して来たおかげでミドル時代のキレが戻って来た。肉弾戦になっても当り負けせず、ポジションをしっかりと作れることで、スピードに乗ったベストショットを打ち込めるようになった。

石田麻衣
石田麻衣夫人
「大きい階級になってるので、練習の時点で相手とのスパーリングから怪我をする確率もアップしているので、身体が資本なので本当に。だからメンテナンスをしっかりしながら応援したいと思います」

次戦いよいよ藤本京太郎との日本ヘビー級タイトルマッチを迎える。4月チャンピオンカーニバルで激突する可能性が高いが、開催地や日付など詳細については近々正式発表される予定だ。


試合後記者会見
試合後記者会見
【試合を振り返って】
Q.ヘビー級初KOですね。感想は?
「いやあ、しんどかったです。本当は足使ってアウトボクシングしようと思ってたんですけど、結構圧力が強かったから、変に足使ったらどんどん前に出られて巻き込まれると思って、逆に前に出ました」
Q.竹原選手は京太郎選手より重いのですが圧力どうでしたか?
「圧力すごかったですよ」
Q.4回からまた組み立て直そうみたいなのを見受けましたが?
「そうですね。本当は足使ってやりたかった。そういうイメージでやってきたんですけど、思った以上にガンガン来たので、足使ったらプレッシャーで潰されると思ったので」
Q.世界チャンピオンだった時の動きをヘビー級でっていうと今何%くらいですか?
「30%くらいです。でも前よりジャブは出せてるし良くなって来たと思う」

【今日の仕上がりについて】
Q.今回の調整はどうでしたか?
「まあ結構スパーリングで怪我があったりとかもしましたけど、アメリカで」
Q.どこを怪我したんですか?
「いやそれはちょっと。それを言ったら何かオレ怪我してんのに試合して勝ったんだぞ、みたいになったら竹原選手気分悪いんで、それはちょっとなしで」
Q.それもあってアウトボクシングしようとした?
「そうですね、はい。あ、けどそれはもう、なしで、なしでお願いします」
Q.前までは打ち合ってでもって感じでしたけど、ヘビー級ではやっぱりアウトボクシングをする?
「今は動いていくボクシングはしていきたいなと。自分の持ち味を最大限に活かすボクシングをしたい。そうですね、本来の」
Q.その辺の方向性みたいのは試合では出せなかったようですが別のとこでは?
「練習とかでは動いていたので、はい」
Q.今日の試合何点?
「でも低い点数つけたら相手にそんな。ちと課題ある感じ、まあまあ。まあまあの出来」
Q.自分のイメージと一番違う違和感みたいのはどこ?
「やっぱり自分イメージで世界穫った時のようにジャブついて足使って、動いて動いてっていうイメージがあって、ああいうボクシングがしたい」

【ヘビー級ボクシングについて】
Q.ヘビーのパンチってのは違いますか?
「やっぱりゴロフキンとかね。ああいうやつらを知ってるんで。もう石で殴られてるような感じなんで。ただパワーだけならヘビーもこうパンチあるんですけど、硬さっていう部分で言うとそうでもない、違うかなと」
Q.ヘビー級の身体作りっていう中ではどうでしたか?
「まあ、でもまだ途中ですね。結局は動けなきゃいけないのかなってのが。体重だけ増やしても動けないと意味がないなっていうのが分かったんで」
Q.それでも大きくなったというか、ジャブとかでもドスって重いなって感じになってますよね?
「思ってる自分のイメージとは全然違う。もっと動いてこうパンチよけてっていうイメージがあったんですけど。でも向うガンガン来るから、それやって体重で押されてもね、イメージも悪いかなと思って」
Q.アメリカでも相当ヘビー級ボクサーとやってた?
「やってましたね」
Q.それと比べて今日というのは?
「彼(竹原選手)もずっとアメリカでやってたんで圧も重たかったですね」
Q.今どのくらいの出来ですかヘビー級?
「30~40点。もっともっと、何か自分のイメージの中では全然違う。頭の中でイメージしたのと」

【京太郎戦に向けて】
Q.京太郎戦へ向けて一つこれがテストになったと思うのですがどうですか?
「けどまだちょっと日にちもあるし、だからもっともっと。課題にしてたコンビネーションも出来てなかったんで。一発一発思い切り打ってしまったのでね」
Q.京太郎より早い回でのKOという事ですが?
「それはすごい意識しました。有言実行です」
Q.京太郎にもプレッシャーをかけれたというか狙って?
「狙ってるわけじゃなかったですけど、そんな自分余裕があって試合してるわけでもなく、いっぱいいっぱいの中でこういった結果が出たってことは嬉しい」
Q.ロサンゼルスでフランケン京太郎対策みたいのは?
「ロスにある図書館に行って、フランケンシュタインの好物を調べたら酒とタバコだったんですよ。ボクサーにとって一番ダメなものでしょ。だからそれを試合前にプレゼントして体調壊してやろうと(笑)」
Q.それはロサンゼルスにある図書館で本でこう調べたってこと?
「ホンマですよ、決してインターネットでちゃちゃっと調べたんじゃなくてちゃんと図書館に行って調べましたよ(笑)」

最後は軽いジョークも飛び出し記者会見は締められた。

控え室へ戻った石田は密着中のテレビカメラに向かって「キッチリとこの前の借りは返したいと思います」と力強く語った。



石田ファンと記念写真