4.5藤本京太郎vsカール・ドゥブス(仮想石田順裕)3Rエキシビジョンマッチ | @TUG_man石田順裕応援ブログ

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世界リアルボクシングドキュメント



【藤本京太郎、仮想石田順裕と3R公開スパー】
藤本京太郎vsカール・ドゥブス
先週末の4月5日。米軍座間キャンプにて『第3回太平洋ボクシング決戦』が開催された。全7カードが楽しめるこの興行は『日米親善桜祭り』の一環として行われ、入場料はなんと無料。そのためか会場内には家族連れの姿も多く見られた。

メインには昨年スティーグリッツとの世界戦に挑戦した清田祐三が登場する。京太郎はそのメイン前のスペシャルエキシビジョンマッチとして3分3ラウンドのスパーリングを披露した。

カール・ドゥブス
まずは青コーナーよりカール・ドゥブス選手の入場だ。身長190㎝体重100kgの巨体がのっしのっしとリングへ歩んでゆく。さすがはヘビー級だ、分厚くデカい。ドゥブスは京太郎陣営が、仮想石田としてフランスから呼び寄せた長身のスパーパートナーだ。

ボクシングキャリアこそ1戦1勝と浅いものの、ムエタイでは30戦21勝4KO8敗1分というレコードを誇る。ほかキックボクシングやフルコンタクト空手などの大会に出場し20戦13勝と大きく勝ち越している。京太郎のバックボーン同様、あのK-1への出場経験もある。

藤本京太郎
続いて赤コーナーから日本ヘビー級チャンピオン藤本京太郎選手の入場だ。ここまでの京太郎のレコードは9戦して8勝5KO1敗。巨漢ボクサー相手にスピードで上回る事で勝って来たが、4月30日には自身より速い相手と初めて戦わなければならない。

何かしら特別な石田対策を講じる必要がある。このエキシビジョンマッチで、仮想石田順裕のドゥブス相手にどういったスパーを見せるだろうか。注目が高まる。

両者の体格差
リング中央、京太郎とドゥブスがグローブを合わせる。両者の体格を比較すると、京太郎選手の方が全体に一回り小さく体重も下だろう。ドゥブスの体重は100kg。オフ時である事を加味して今は110kgほどだと仮定すると、京太郎の現在の体重は100kgを少し超えているくらいといったところか。

この見立てが正しければ、試合に向けては、さらに90kg台まで絞ってくるかも知れない。2013年7月に対オケロ・ピーターとの日本ヘビー級タイトルマッチでは「スピードと運動量で勝負する」として97~98kgがベストウエイトだと公言していた。

体重を増やして体格差で優位に立とうとするだけでは、テクニシャンの石田に翻弄されるばかりであろう。それならば自身のベストパフォーマンスに仕上げることで勝負しよう、という京太郎陣営の選択は、ライバルながら正しいと思える。パワーで圧倒すれば何とかなる、という安易な発想では、歴戦の猛者である石田順裕にはとても通用しないからだ。

それでは実際の戦い方はどうだろうか。さすがに公開スパーで石田対策用の特別なコンビネーションなどは隠すだろうが、現在の仕上がり具合くらいは見る事ができる。

【公開スパー開始。日本王者京太郎上々の仕上がり】
1R-1
さあ第1ラウンド、ゴング開始だ。まずはドゥブスから距離を詰めて来た。ドゥブス左で牽制し右のビッグパンチにつなげようというところ。京太郎これを上体を左右に振りながらフットワークでかわしていく。

京太郎はガードを堅めて接近戦でのショートのコンビネーションで応戦した。左右フック、ボディーから顔面へ。細かいパンチをヒットさせた。

1R-2
2:40すぎ。ドゥブスの右ストレートで京太郎コーナーまで下がった。ドゥブスのジャブ、ジャブ、ワンツースリー、左フックがモロにクリーンヒット。京太郎ここはクリンチでしのぐ。

第2ラウンド。ドゥブス開始から勢いよく前に出て来ると、京太郎ジャブで突進を止め、ボディーを狙う。両者ともエンジンがかかってきたか。

左の差し合い。リーチは見るからにドゥブスの方が長いが、ヒットするのは京太郎のジャブの方だ。中間距離では左右フック、接近してはボディーコンビネーションと京太郎の攻勢が続いた。

3R-1ドゥブス
最終第3ラウンド。ドゥブスは左がヒットしなくなって来ると、右ロングを強引に強振して来た。京太郎のフックに相撃ちに近いタイミングで、打ち終わりカウンターを狙っている。

さらにドゥブスがプレッシャーを強めていく。京太郎ガードを堅め、下がりながらかわしていく。京太郎は打ち気にはやるドゥブスの入り際にジャブ、ワンツーと上に散らし、ボディーに左右フックを決めて行った。

京太郎vsドゥブス
コンビネーションの京太郎対一発一発力強く打つドゥブス、熱のこもった公開スパーリングは京太郎優勢のうちに終了した。

ドゥブスは主戦場にしているタイから飛行機で到着したばかりで、その足で会場へ来て急いでグローブをはめたため本調子ではなかったが、それを差し引いても日本王者、京太郎の仕上がりは上々だ。

【決戦の4.30まであと3週間。石田対策の秘策とは?!】
京太郎インタビュー
そして京太郎はリング上インタビューで4.30の石田戦に向け強い決意を語った。

「数少ないヘビー級の日本人ということで、K-1から移籍してずっとやってきましたけど、次は石田選手というすごい強い相手ですけども、日本を背負って死ぬ気で勝ちにいきますので、応援よろしくお願いします」

今回のスパーで京太郎自身、手応えを感じたらしく「光が見えて来た。長いトンネルから抜けられるかも」と何やらヒントを掴んだ様子だ。

公開スパーを考察するに、ドゥブスの長距離砲をかいくぐって放った左右フックボディコンビネーションがうまいこと決まったことを言っているのだろう。京太郎にとって、石田順裕の鋭く精度の高いジャブ、ワンツーに、どう対応するかは勝負の重要なキーポイントだ。

もし仮に京太郎が石田の左右ストレートに対応できなければ、何もできないまま負ける可能性も高い。思い浮かぶ展開として、左を当てられ続け、強引に入ってはカウンターを食い、追って行ってはフットワークでかわされ、足が止まったところにコンビネーションを畳み掛けられて倒される。これが京太郎の考えうる最悪のパターンだろう。

2R-1
そこに射し込んだ光明とは、石田の懐にヘッドスリップで潜り込んで得意の接近戦に持ち込む、という作戦ではないだろうか。ただ頭を振るだけでは懐には入れないが、タイミングのいいジャブ、ワンツーで上を牽制してスッと中に入って来る感じだ。

もちろん言うは易し、行うは難しなのだが、今回のドゥブス相手には有効にヒットしていた。死ぬ気で勝ちに行くという京太郎の気概は決して侮れない。日本王者でありながら京太郎もまた、世界の石田順裕に挑戦する、という側面を持つ。

石田順裕vs藤本京太郎
スピード、テクニックに勝る石田順裕は、ロスでパワー対策に励み、対するパワーの藤本京太郎はスピード、テクニック対策をフランスから専属パートナーを招き錬っていく。

石田順裕vs藤本京太郎の試合は、JBCを含めた協議の結果8回戦に決定した。そしてこの試合に、王者京太郎が敗れれば、保持している日本王座を剥奪されることも決まった。

4.30の日本ヘビー級スペシャルマッチは、双方絶対に負けられない、勝たねばならない、サバイバルマッチの形相を呈してきた。

試合まであと約3週間と迫っている。石田と京太郎の両雄は、それぞれがそれぞれの想いを胸に、最後の追い込みを行っている。



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