住友大阪セメント栃木工場(佐野市)セシウム検出汚泥、使用は1%未満 安全性判断は保留
福島県郡山市の下水処理施設「県中浄化センター」の下水汚泥から高濃度の放射性セシウムが検出された問題で、この汚泥をセメントの原料としていた
同社の発表によると、汚泥はセメントの原料となる粘土源の代替として使用しており、「その量は生産したセメントに対して1%未満」としている。原料の8割は石灰石が占め、ケイ石、鉄原料などと調合・粉砕した上で、1450度で熱してセメントを生産しているという。
生産したセメントの安全性については、「福島県による検査結果および関係機関からの見解も踏まえて判断する予定」などとした。
一方で操業停止に伴い受け入れできない汚泥は、あらかじめ福島県の許可で他の処理事業者に受け入れてもらっているといい、その数量は307トンに上るとみられる。この汚泥は外部に搬出されず受け入れ施設内にとどまっている、としている。
違い難しい「放射線」「放射能」
■放射性物質
放射能とは放射線を出す能力のこと。
放射能を持ち、放射線を放出するのが放射性物質。原発事故で問題となっている「ヨウ素131」や「セシウム137」などだ。
ヨウ素もセシウムも、理科の授業で「スイ、ヘー、リー、ベー…」などと習った「元素周期表」にちゃんと載っている。自然界にあるヨウ素はうがい薬などの成分として、セシウムは衛星利用測位システム(GPS)などに使われている。それぞれ原子番号は「53」と「55」。
■放射性同位元素
「ヨウ素131」は53番のヨウ素の放射性同位元素と呼ばれ、放射線の一つガンマ線を出す。原子炉で核分裂中にできたもので、131は原子量を指す。
原子量が自然界のヨウ素より大きくて不安定なため、崩壊する過程で安定した状態移行する際、エネルギーとして放射線を放出する。
■発がん性
ヨウ素131は体内に取り込まれると、甲状腺に蓄積されやすく、そこで放出されるベータ線による発がん性が指摘されている。
甲状腺被ばくを防ぐ効果がある安定ヨウ素剤は“安定”した状態のヨウ素。被ばくする前に甲状腺にためておけば、ヨウ素131は蓄積されないという。
「半減期」とは放射性物質が放射線を出して別の元素に半分の量が変化する期間という意味だ。ヨウ素131が8日間なのに対し、セシウム137は30年と長く体内に入った場合影響が大きい。
■単位
単位では「ベクレル」と「シーベルト」が使われているが、「ベクレル」は1秒間に原子核が崩壊する数を表し、数値が高いほど放射能が強い。放射線が人体に当たった影響を表す際は「シーベルト」を使う。元素ごとに計算式があり、それを当てはめて「ベクレル」を「シーベルト」に換算している。
それぞれの放射性物質が出す放射線はベータ線、ガンマ線など異なるが、「シーベルト」に換算できるため、その影響は医療現場などで身近なエックス線と比較されている。