★JCWside★
 
『ムービング』以降、私のインセンドラマのひとつに加わった作品です。もとより本作は演技神シン・ヘソンと、キス職人のチ・チャンウクが主演。加えて脚本は『ゴー・バック夫婦』『ハイバイ、ママ!』のクォン・へジュ、監督は『椿の花咲く頃』のチャ・ヨンフンと、良質なヒューマンドラマへの期待値(最大レベル)を裏切ることなく、最後まできれいに終わらせてくれました。チェジュ島・サムダルリを舞台とし、とある三姉妹とその家族、周囲の人間模様を丁寧に描き、全員(一部例外を除き)に感情移入できる。もう、あらゆるシーンで泣けます。号泣からホロリまで涙の理由も様々で、ずっとこの世界観に浸っていたいと思えるくらい、観終わったあとはサムダルリという街が好きになるはずです。思えば毎話どこかのシーンで泣いていました。陸地ことソウルでフォトグラファーとしてようやく成功したサムダル(ヘソン)が冤罪で奈落の底に突き落とされる瞬間・その経緯とか、別れたあと8年もひたむきにサムダルだけを思い続けるヨンピル(チャンウク)の純粋さとか、海が連れていった最愛の妻を想い続けるヨンピルアボジの姿とか、自分のせいで親友を亡くしたと責め続けるサムダルオンマの葛藤とか、幼い頃の感覚にいつでも戻れる地元の友達の尊さとか、語り出したらキリがないくらい、あちらこちらに泣けるシーンが潜んでいる。とはいえ“悲しい”がデフォルトにあるわけではなく、山あり谷ありの人生を切なく、面白く、感動的に描いているのが素晴らしく、決してチープに見えない。自分の物語でもあるんですよね。ロマンス面もヘソン×チャンウクが「リア恋か?」並にときめかせてくれますし、冗談抜きで泣ける、笑える、悶えるの三拍子が揃い踏み!その証拠にやってはいけないと思いながらついしてしまう「ながら観」を一切しなかったんです。1秒1秒大切に観たいと思える作品に出合えることはなかなかないので、久々に永久保存版用にDVD購入を検討しています(エディターK)。