一枚の写真のくせに、それは僕の記憶を呼び起こさせるのに十分なものだった。
「楽しそうに笑ってら」
白濁としていた想いが、よりいっそう混沌さを増して、
とてつもなく遠かった日々の出来事ことを今にフラッシュバックさせる。
「彼のことが好きだって」
「そうなんだ!えー!?」
だからといって何かが変わるわけでもないのに
(もしかしたら目に見えない何かが変わっているのかもしれない)
けれども思い描いたミライは、ここにはなかった。
「幸せなのかな」
僕が先に諦めたのか、それともあなたか。
誰だと責任を押し付けあったところで何も解決しない。
つまるところ誰だっていいのだ。
どうしようもなくなって、また青写真を描いたけれど
またそれは同じものだった。
もはや非日常の世界だったのに、気づけばそこは
あまりに日常的に沈静化していた場所だった。
定着した記憶は、過去と今を交錯させる。
僕はただ、前へ進みたいんだ。
なのに、どうしてこんなにも僕は愚かなんだ。
だから、今更、何で、見つけてしまったんだろう。
踏み出した足はいつだって後ろを向いている。
こうしている間にも写真は増えていく。