今週発売された週刊少年マガジン(12号)漫画を読みました。

「聲の形(こえのかたち)」という読み切りを読みたいだけに久しぶりにマガジンを買いました。作者は大今良時という女性漫画家です。



当時19歳だった作者が、「聲の形」でマガジン新人漫画賞最高賞を受賞したそうですが、なんと内容の際どさから掲載されないまま、数年が経過したそうです。

それが去年に月刊マガジンに搭載されるとその他の連載漫画を抑えて投票一位になってしまった。大きな反響を呼んだその話題作が、全日本ろうあ連盟の後援を得て、ついに週刊少年マガジンに載せられたのです!!




できれば未読の方は作品を読んでからこの記事を読んでいただきたいと思います・・・ひらめき電球





その気になる内容は、重いです。
聴覚障害のある聾の少女が学校でいじめにあう。同級生や教師、学校の性質・・・いじめの心理構造が生々しく描かれていました。共感をも含んで、胸がざわついた作品でした。




いじめの筆頭となっていた少年が、次はいじめの対象になる。少女と少年の立ち位置に違いなんてなかった、いじめに理由や原因なんて必要なかった。



そして、聞こえないとは何か?



少年と少女が取っ組み合いの喧嘩をするシーンでは共感が過ぎて鳥肌が立ちました。



聞こえないとは何か。それは単に「音を聞くことができない」ではないのです。





互いの聲(心のこえ)を聴くに困難が起こる、起こりやすい---ということだと思います。





我が家では、伝わらない言葉が沢山あります。言葉が伝わらないだけではなく、伝わらない気持ち(作品で言うところの聲)が悲しいほど沢山あります。



いつもは諦めています。
お互いに諦めている部分が沢山あります。それを認めたうえで歩み寄ろうとしているのです。



でもどうしても伝えねばならない時、今!そうしなければならなかった時、きっとこの物語と同じように暴力でしか表現できなくなるのです。実際そういった事態もありました。他に方法は全く無いほど追い詰められた末の出来事だったと思っています。
そしてそれでも、何が伝わったのか、確認する術が少な過ぎた。





「あの時、お互いの聲が聞こえていたらどんなに良かったか・・・」




私の立場だからこその感情かもしれませんが、そんな物語の台詞が胸を打ちました。

必要なものは何なのか・・・今の私に問いかけられた気がしました。




ラストは少年漫画らしい爽やかさです苦笑
きっと小説家の作品だったら、違うラストになっていたのでは。続きがあっても良さそうですよね、聴覚障害をテーマに練り込んで・・・



この内容を、19歳で描いた作者は何者でしょう。入賞作品が搭載されないままデビューしていたなんて、きっと異例ですよね・・・




まだ店頭にはマガジンは並んでいるかと思います。是非一読されたい漫画です!!

ちなみに聴覚障害がテーマではなく、それを側面にした、いじめの構造を描き出した漫画だと思います。

私個人的には聾の少女が健気過ぎて、現実離れしている感が否めなかった。これは障害者は全員心がキレイで努力家というプラスイメージの押し付けや、逆差別を膨らまさせてしまう可能性があるなと感じた。(それをフォローする描写もありましたが)



障害者は皆、心がキレイ?否!!オイッ


人間ですから!キレイなだけ、そんなわけがない叫び



実際私はひとつ屋根の下で、擦れて捻じれた感情的な出来事は書ききれないくらい体験してるわっ それ以上に体験させてる自信もありますけどもっオイッ

 最後は、障害も何も さっ引いた、ただの人と、人のぶつかり合いです。それでいいと私は思います。




あ、話が逸れてしまいましたが、とにかく、可能であれば是非ご一読下さい笑い