日本を代表するニュースキャスター筑紫哲也氏が一週間ほど前
今月７日に亡くなられたのは周知のとおり。
筑紫氏についての評価は色んな方によってなされていると
思うが、世間一般でいわれがちな「左翼」とは若干色合いが違うと
私は見る。また彼は「アカデミズムの人」ではないし「ジャーナリスト」
と呼ぶにもあまり突進力がない。
よく筑紫氏については「思想がない」「ノンポリ」だという識者の意見が
あるけどそれは違うと思う。リベラリスト＋デモクラットの顔もあるが
若干、無政府主義的というかゴリゴリの国家主義者から見ればいい加減に
見える部分もあると思う。しかし久米宏よりは明らかに思想一貫性は
ある人で「筑紫ならこう言うだろうな」と思ったのがそのまんまだったり
することは沢山あった。
彼を一言でいえば「マルチ文化人」といったところが正確なところか。
ただもう一ついえるのは彼は「在野の人」であること。
「在野の人」というのは、早稲田や明治、法政などを出て新聞・テレビ・雑誌
などの仕事をしていて、新宿のゴールデン街あたりでプカプカ煙草を吸い
酒をガバガバ飲みながら反権力的なスタンスをとるような人たち
のことを、象徴的に私が呼ぶもの。スーツは似合わず、髪はむさくるしいが
どこか男としてカッコよく見えるところもある。有名どころでは噂の真相の
岡留安則や田原総一朗なんかが「在野の人」の典型。
そういう筑紫氏がニュース番組をやるわけだから、自ずと「彼に合う共演者」
は決まってくると思うのだが、TBSのセンスのなさもあってか筑紫とは
息があってるとはあまり思えなかった２名のNHK出身の共演者がいる。
膳場貴子と草野満代。今日はこの２名を紹介。
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025 膳場貴子（画像左）
NHK９７年入社。島津有理子と同期で、NHKリリコの美声と女優顔負けの美貌
女子学院から東大という華麗な学歴、何をとっても非の打ち所がないエリート。
膳場も島津も私より年長者だが、「爆笑要素」のある島津のほうが私は好みの
タイプで、膳場は見ていて面白みがない。ツッコミ所が全くないのでアナヲタ的
にネタがなく非常につまらないところがある。私が嫌いな「プロジェクトX」の
司会を長らく務めていたこともあり、彼女をあまり見なかったというのもあるが
私は個人的に彼女には親しみを持ちにくい所があった。同番組が終るとNHKを
退社してフリーに。０６年９月から筑紫哲也ニュース２３のサブキャスターに就任。
先にも述べたように、筑紫は「在野の人」。膳場は「エリート」なので、これは
見るからに合わないなと思ったが、やっぱり見ていてチグハグ感があった。
では筑紫はどんな人が合うかというと、浜尾朱美とか香川恵美子、木場弘子
みたいな飲み屋のチーママ風の女。小倉弘子も合っていた。
膳場は筑紫と組むには上品すぎる。
ただ、筑紫が亡くなった後は、筑紫色のなくなったニュース２３を膳場の
カラーに変えることができると思うので、これは注目である。
ところで、NHKはエリートタイプのアナも多少はいるが、NHK自体はあまり
エリートの世界とはいえないところがある。それはNHKは公共放送とはいえ
業種的にはマスコミだからであり、膳場みたいなエリートタイプにはNHKも
TBSもどちらも場違い感がなんとなくあると思う。
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026 草野満代（画像右）
NHK８９年入社。小野文惠や有働由美子、黒崎めぐみより年上＆先輩に
あたり９０年代のNHKを支えた功労者の一人。目鼻立ちが若手でいうと
フジの遠藤玲子に少し似ていて派手めだが、雰囲気はいかにも真面目。
声質もNHKリリコ（若干ツヤがないが）で無難なライン。NHK時代は
スポーツアナの印象が強く、原辰徳とよく共演していたが、原と物腰や
立ち振る舞いが似ているので笑った記憶がある。（この二人のスタジオ
での掛け合いも面白かった）。特に鋭い頭脳のキレ味を見せるわけでもなく
アナウンスで魅了するわけでもない、上品さと真面目さで勝負するタイプ
だったので、９０年代後半に民放に行くときいて「大丈夫かな」と思った。
NHKを退社してしばらく経った後、「ニュース２３」サブキャスターに就任。
膳場に後を譲るまで長期に渡り同番組を担当したのだが、いつまで経っても
「報道人」という感じがしない人だった。また膳場と同じく上品すぎるところが
筑紫とは合ってる気がしない。筑紫みたいなゴールデン街風の文化人と
は全く無縁の女という感があって、住む世界が違うようにも思えた。
原辰徳と組んでるほうがよっぽど面白かったと思う。
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私は今更言うまでもなく、NHKの女子アナは大好きだが、NHKの
グレートアナ達が民放に行ったからといって必ずしも輝きが持続
できるとは思わない。
鈴木奈穂子や久保田祐佳なんかは将来、民放各局が争奪戦を
繰り広げる可能性があると思うが、彼女たちが民放に合う人だとは
今のところは思えない。もちろんNHKの女子アナの実力は並みの
民放のアナを遥かに越えた凄いものがあると思うが、民放とNHK
ではやはり競技というか土俵が違う部分はあるし、NHKという大きな
後ろ盾があるから女子アナが輝いている部分は否定できない。
むやみに民放に行くのはやめてほしいと願っている。当然、
守本奈実、江崎史恵、井上あさひなど、国宝級アナは末永く
NHKに居てほしい。
筑紫哲也ニュース２３のエンディング曲のひとつ。
サザンオールスターズ「平和の琉歌」。名曲です。
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筑紫哲也さんのご冥福をお祈りします。。。