父の死後、3年たってやっと実家が片付きました。
姉夫婦は持ち家なので、私が住むという選択肢もありましたが
- 仕事が遠い
- 築30年ほどで老朽化してきている
- 近所づきあいが嫌
という理由で売りに出すことにしました。
(思い出の多い家ではありますが、父親が一人暮らしを始めてからごみ屋敷のようになり、もう愛着はありませんでした)
しかし、この家問題があったのです。
30年前に一度建て直しているのですが
その時小耳に挟んでいた建築基準法。
調べてみると、やはり実家に該当しました
実家は「旗竿地」と呼ばれる土地でした。
「旗竿」の形をしている土地です。
建築基準法には接道義務というものがあります。
原則、4m以上の道路に対して、接道(道路に接する部分)が2m以下の場合、建物を建てることができないのです。
実家の間口は2m以下、再建築不可物件でした。。。
昔は1.8m以上あれば建物を建てることが出来たらしいです。
しかし建築基準法の改正によって2mに変更されました。
(昭和40年~50年代前後の分譲宅地は該当する可能性が高いそうです。)
我が家は新築時が昭和40年代。
昭和50年代後半に建て直した時は、どうも建築会社がうまいことごまかしたらしく
裏の土地が空き地だったので、そこから資材を運んで建てたようです。
今ではその土地にもアパートが建ってしまい、
どう転んでも新築は無理(解体も手作業なので費用が高い)
最善策は
1.手前の家に少し土地を売ってもらう。
間口1mほど売ってもらえば、法律をクリアして新築を建てられるのですが、持ち主に打診したところ却下。
確かにギリギリまで家が建っていたので・・・。
2.手前の家に土地を買ってもらう
持ち主が高齢で、別居中の息子夫婦も定年のため「お金がない」ということでこちらも却下。
仕方なく、地元の不動産屋へ媒介を依頼しました。
田舎とはいえ、立地はそれほど悪くないので不動産屋さんも期待したらしいですが、現地を見に行って失望したらしいです。
そこで163㎡(4LDK)で500万円と、かなり安い金額で買い手を探すことに。
(ただし駐車場なし)
不動産屋の担当者は、ご近所に買ってもらうのが最適だろうと回って交渉してくれたらしいのですが。
ご近所はみんな老齢な上、父が自宅で亡くなったことを知っているので買い手なし
これは長期戦になるかも・・・とあきらめていたところ、3ヵ月経った頃に担当者から電話が。
担当者の知人(会社経営者)に交渉し、買い取ってくれることに\(^o^)/
お値段は当初の半額以下なのですが・・・
このまま持っていても固定資産税を払い続けるだけだし、早くスッキリしたかったので承諾しました。
不動産屋さんの会議室にて売買契約。
媒介手数料10%は売り手と買い手で折半。
現金で支払っていただき、契約が成立しました。
売った実家は、会社の社員寮として使うそうで、外国人の方が住まわれるとか。
隣家の人も、先行きを考えて買っておけば、見知らぬ外国人が住むこともなかったのにね・・・と意地悪に考えてしまった(そう、仲が悪かったのです。だからここに住みたくなかった)
とにかく、これでやっと遺産全てを現金化でき、遺産分割が終了しました。
この経験を経て、不動産はつくつく面倒だと思いました。
実は義父母も、田舎の方に家と田畑を持っています。
未だに携帯の電波が弱いような、かなり田舎の地域です。
将来義父母が亡くなった時、私は関係ありませんが、娘が遺産相続の対象になります。
場合によっては相続放棄を考えています。
最近では、コロナ禍でのキャンプブームで山を買う人も多いとか。
でもその土地、将来すごく困ります。負の遺産となります。
私も昔は、海の近くに住むのが憧れでした。
娘が生まれ、夫が亡くなり、地震による津波が起きました。
今娘と二人で暮らすのは、政令指定都市の、駅近でオートロックのマンションです。
海の近くで波の音を聞く生活を、私はもう一生できないでしょう。