MACD戦略:トレーダーの心理
その背景を覗き見る「これで見るべきなのって、参入してるトレーダーの心理だよね?」茜ちゃんのホテルに着くなり、私はパソコンを開いて言った。寝起きの茜ちゃんはちょっと不機嫌そうに私を見ている。「・・・・・・ちょっとまだ眠いのよ」「茜ちゃんがこのロジックの背景に目を向けろっていってたからダイバージェンス、2つの障壁ラインの意味を考えてみたの」この女、って目でこちらを見てくる茜ちゃんを華麗にスルーして私は自分の気づきをアウトプットした。「難しいことはよくわからないから、とりあえずシンプルに考えてみることにしたの。価格が上昇してる時、買ってる人たちは更に上昇していくことを狙ってるはず。当たり前のことだけど。その時に、A)の高値で押しをつくっていくのかどうかが重要になると思う。こんな感じで」「下から買っていたトレーダーは含み益が乗ってるわけだしこのA)のポイントで再度上昇すれば直近高値を踏み出しにし、伸びやすい押しになると思うの。この部分だけでみればだけど。だけど茜ちゃんが言ってくれた条件は、この高値の障壁を下回ることだった。これはここから買いを狙うわけではなくて、売りを狙うからだよね。ダイバージェンスを条件に持ってきてるのだって、いま買ってる人たちの利確や新規の買い参入をみたときに売りに傾きだしてるかをみるため。であれば、私が買ってるとして、きっと嫌なのは、高値を踏み台にできずに下回る事。」私がD)で買ったって考えて、まだ買いが入ると思ってたらやっぱり直近高値のA)で更に伸びてく事を見ていくと思う。E)のように高値を下回て来たとき、私だったら「う~ん」ってなるかな。D)で買って、少しでも含み益が乗ってたなかで、思惑どおりA)で押しを作れず深い押しになってきたら、ここからの上昇を疑う。それに・・・・・」「それに?」「E)の段階は、それまでの含み益が目減りしていってていま少しでも利益が出ている段階で切ろうか、ここから伸ばそうかって悩むと思う。だから条件のなかに安値D)を下回らず再度上昇が入ってるんだよね。もし安値を下回ったら、その下にある損切を巻き込んで下落していく可能性もあるしそこに飛び乗るのは危険だと思う。でも安値を下回らずに上昇したとき、それまで目減りしていた含み益が戻ってホッとするな、私なら。でも同時にすごく不安にもなる。例えば含み益が1万出てて、A)で上昇してダウ継続って思ってホールドしててそれがE)の段階で2千円とかになってたら、まずどうしてあそこで切らなかったんだろうって考えちゃうと思う。で、それが安値を割らずに再度上昇して、2千円、3千円、って含み益が戻ってくるとよかった~ってきっと思うんだけど、A)で上昇しなかったこの波は売りの力も強いのかな?って思う。押しが深くなってるし、ダイバーも起きてるし。だから、当初より含み益がないけど利益が出てる段階で利確してしまった方がいいって考える。伸びる?どう?って迷ってるとき、どこまで伸ばそうかっていうよりもどこで手仕舞いをしようかに考えが傾くと思うしF)の高値が直近高値を超えれないってなると痛みを避けたいからそこで利確すると思う。損切の痛みより、いま利が戻ったここで手仕舞っちゃおうって」私の話を静かに聞いてくれていた茜ちゃんは、コーヒーを少し飲むと「それでこのロジックの背景で何を得たの?」といった。「・・・・・・心理。トレーダーたちの視点。私、ローソク足やインジケーターの動きにばかり反応してたけどこの一つひとつを作ってるのは、画面の向こうにいるトレーダーたちで大衆心理が形作ってるんだよね。ディックスさんがいった、なぜ上昇するのか、下落するのか?って問も結局はそこに買うトレーダーがいるからだし、それは買うだけの心理が相場のなかにあるってこと。だからこの茜ちゃんのMACD戦略も、このまま使うんじゃないっていったのはこの相場を動かしているのは大衆だと知れってことだと思った。インジケーターやサインなんかの前に、相場とは何かを知れってことなんじゃないかと。どうかな?」そういうと茜ちゃんは、私の目を見て、「おみごと」と笑った。にほんブログ村