瞬間の幸せを感じて


ピンクと赤。
どっちの勝負下着にしようかと考えて
最近買った、ピンクの下着にした私。

ホテルに来て、といわれ
そりゃ、私も女ですし。

何かあった時に破れたパンツじゃ
私の心が敗れてしまうわけで。


でも茜ちゃんはあっちの世界の人で
いや、でも両方いけちゃう人もいるからな・・・

なんだか別の意味でドキドキしながら
私は茜ちゃんの待つホテルへと向かったのでした。



ひと時の幸せ

広い駐車場を抜けて入口へ向かうと
ラフな格好をした茜ちゃんがいた。

招かれるままついていくと
エレベーターは40階で止まった。


「さぁ、くつろいでちょうだい」




ホテルと言われて
私はなぜラブの方を想像してしまったのだろう。

いや、最初は仕方ない。うん、仕方ないけれども
住所を聞いた時に気付いたよね。

あ、これ違うなっつって。
これラブじゃなくて、どちらかというとリッチな方だなって。

で、実際の部屋は私の想像したのものよりリッチで。
誰が弾くのよ、ていうグランドピアノもあり。

なんだか一生懸命、赤…?それともピンクかな…?って
下着を選んでいた自分が恥ずかしくなった。


「適当に座って。飲み物は珈琲でいいかしら?」

「ありがとうございます。気を遣わせちゃって。できたらラテで」

「あんたわがままね」

「お恥ずかしい」


茜ちゃんは飲み物を準備すると
チャートを出して、指さしながらその技術を教えてくれた。


「いい?前にも話した通り
為替のトレードは逆張りが基本になるの。
だけど何でもかんでも逆ばればいいってもんじゃないの。

重要なのは自分がトレードする時間軸に対しては逆張り。
だけど、上位足に対しては順張りになるようにするってこと」


「例えばこれを見て」



「灰色の波形がH4(4時間足)だとして
今現在はブル派が勝っている上昇相場だとするわね。

この上昇の中で起こる調整波はその時間足では
単なる上昇の押しでしかないわけよ。

だけど、これを30分や5分足で見ると
下落のトレンドが形成されているわけね。

ここまでは分かるかしら?」

「はい」


「OK-。じゃ、続き。
上位足が上昇だとした場合、そこで調整波が形成される。
ここを下位足でみた場合、下落トレンドが確認できる。

この時の下位足の下落中に、わたしたちは買いを仕込む。
だから執行する足でみれば逆張りになっているんだけど
上位足からみれば順張りになっているってことね」

「なるほど。
結局は上位足に沿っての順張りだけど
トレードするポイントは、逆張りになるってことですね」


「そうそう、もちろんやり方は色々あって
上位足が上昇の時に
下位足で売りを仕込むこともあるけど
そこは短中期目線での売買になってくるから
よりリスク管理が重要になってくるわけね。

で、わたしたちは順張りが正しいだの
逆張りがいいだの、あーだ、こーだ言うんだけどさ

結局みんな正しい売買を行ってれば
見る時間軸では必ず逆張りになってるはずだし
順張りにだってなってるはずなの。

それがなってないっていうのは、こんなところ




こんな価格がどんどん上がっているところで買ってるってこと。
こんな場所で買う意味なんてないでしょ?

価格が上昇してる時に買うってことなんだからさ。


これに対して、わたしたちは初期の初期で買う。
みんながこれまだ上昇に転換してないよね?
っていう場所でポジションを形成するの。
それをダウで考えてみましょう。


さっき話したように、日足や4時間足が上昇してるとき
下位足では下落のトレンドが確認できたりする。

この下落のトレンドで買いを入れていくんだけど
わたしたちと他の人の大きな違いは、ポジションの場所。

例えばこれ





みんな大好きダウ理論~♡でみると
大体みんなここで買うわけよ。

ここはその前の段階で安値切り上げて、高値も更新。
N波動を形成して、第一の高値でレジサポ逆転したとこ。

ダウでみても上昇ダウが形成された場所になってる。
だからみんなここで買うわけよ。

でもここはね、遅いの。
ここはもうみんなが買いを認識した場所になるから
買うには遅いのよ。

じゃ、わたしたちがどこで買うかっていうと、ここね。




この場所は、上昇ダウも確認できていない
まだ売りが続くかもしれない余地がある場所。

わたし達はこの場所でサイクル、フィボナッチ
オシレーターでいえばダブストって呼んでるもの
こうしたもので買うだけの根拠を見出して
買いポジションを形成するのよ」

「でもまだ売りが続く可能性が大きいわけですよね?」

「もちろん。だからさっきいったようなもので
狙うターゲットを絞り込んでいく。

何も考えず、もうここが底だろーなんて考えない。
現在のプライスをみながらそれを判断してるわけ。

それに、あそこで買うとリスクリワードがいいわけよ。
これをみて



さっきの場所で買いをいれた場合
損切までの値幅は浅くなるでしょ。

で、狙う利幅は大きくなる。
このターゲットポイントも節目、PIVOT、フィボナッチ
こうしたもので予め算出できているの。

これが先に出したみんなが狙うダウの押し目だと
やっぱり損切幅は大きくなるわよね。

わたしたちはリスクリワード1:2を基本としていて
それを狙うには
できるだけ安いところで買う必要があんの。

そこで上手く買うことが出来たら
リワードもリスクゼロにしながら伸ばすことができて
1:3、1:4なんかもでてくるわよね」


茜ちゃんと話していると知らない言葉も色々でてきたけど
わたしはとにかくメモって
分からないところは赤ペンで印をつけた。

こうすればあとで調べることもできるし。
調べて分からないところは聞けばいいし。


「まずはよ、相場の基本を忘れない事。
高いところで売って、安いところで買う。

上位足には順張りで、トレードする足では逆張り。
これよ」



時間はあっという間に過ぎ
私たちはホテルにある
ちょっとお洒落なお店でディナーをとった。

その後、場所を変えようという茜ちゃんについていき
わたしたちは水辺のリビングに腰をおろした。





「どう?」
「・・・本当に綺麗」


「・・・またこんな場所で過ごしたい?」
「もちろん」


しばらく沈黙が続いたあと

「じゃ、やり遂げなさい」

遠くを見つめながら、茜ちゃんは力強くそういった。

私は頷き
こんな時間に帰ったらまた彼から何されるか分からない、と
少し不安になりながらも

泣きそうなくらい幸せな空間に
いまだけは、と、目を閉じた。


あなたの応援がわたしの励み♡
にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村