今回はこの 続きです。


断食をしていたわたしに優しく特製ミルクを作ってくれていたひととは


いつしか仲良くなり何となく彼氏になっていた。


でもまだこころの中のどこかにアルコール中毒の彼は居た。


何せ彼に会えないし引き裂かれたのが寂しくて悲しくて


『断食して死んでやるっ』


みたいな断食を決行させるくらいの相手だったのだから。


その彼の姿を思い出し会えないという寂しさ、悲しさを味わいたくなかったから


多分その時はそのやさしい特製ミルクの彼と一緒にいたのだと思う。



特製ミルクの彼としばし楽しい時を過ごしていた。



が、整形外科の担当医から再入院の勧めがありその話に両親は賛成し


わたしは二度目の整形外科入院をする事になった。



今度は特製ミルクの彼と離れなければならない。



特製ミルクの彼は精神科にまだまだ入院していた。


だが週末は精神科は外泊ができたりするのでその時に会うことにした。



特製ミルクの彼は週末だけ外泊がてら親戚の魚屋さんを手伝いに行き


そこで貰ったお刺身を持ってわたしの居る病院にきてくれた。



ある日病院のロビーで


『話がある』


と言われ話をしていた。



『もう別れた方がいいから別れよう』


と特製ミルクの彼は言った。



わたしは拒めなかった。


わたしは今彼に何もしてあげられないし


不自由な足を抱えているからお荷物でしかない。


そんな考えが瞬時に頭を駆け巡りわたしは


『わかった』


とだけ答えた。



特製ミルクの彼と別れてわたしはまた独りで足のリハビリに


取り組むことになった。



独りになり考えるのは特製ミルクの彼のことではなく


アルコール中毒の彼のことだった。


でも前回の整形外科での一件でパトカーに連行された後は


全く音沙汰がなかった。



『思い出して悲しい思いをしているのはわたしだけ?


あなたはもうわたしの事忘れているのかなぁ。。。』


などと思いを巡らせるばかりだった。



足のリハビリはずっと同じことが繰り返されていた。


少し膝が動くもののなかなか装具なしで歩くのは困難な状態のままだった。


その時は足先から太ももまでの長く大きな装具で


それを付けたり外したりがとても厄介だった。



そんな装具での生活が半年ばかり過ぎていった。



そして整形外科の入院患者さんと仲良くなり付き合いだした。


その人は15歳年上で『恋人』というよりは


『(お父さん+お兄ちゃん)÷2』みたいな存在だった。


でも当事のわたしは何かその人に拘った。


精神科に入院してしまってから精神科だけの交友関係や彼氏に


自分自身少し退屈で嫌気がさしてきていたのだ。



整形外科のその人は健常者で社会人で仕事をしていて車にも乗り


最近の彼が持っていなかったものを全て持っていた。




おおまか一年前に整形外科に来た時、


腫れて痛くて動かない足だった足は膝が動く足に改善はされていた。


が、日常生活には困難をきたし今までの様な生活に戻るのは無理だった。



そんな生活しか出来ないわたしはとにかく自分が嫌いになっていった。


『誰かのお荷物になったり誰かの足を引っ張りたくない。


誰かに迷惑をかけたくない ! 』


そんな頃のわたしとペースがあったのは


やはり整形外科で不自由な生活をしていた整形外科の彼だった。



彼は一足先に退院し、


わたしが退院するまで通院がてらお見舞いにきてくれていた。



わたしが退院してから一ヵ月後には【結婚】を前提とした付き合いに変わっていた。



でもその結婚がわたしの人生をまた狂わす事になるとは


この時はまだ夢にも思わなかった。






整形外科から退院してからの話しはまた後日。。。



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