東京都北区議会議員の吉岡けいたです。日本維新の会東京支部(東京維新の会)所属 

本日は「地方議会議員の厚生年金制度加入」について考えます。

 

 かつてあった地方議会議員年金とは、12年で受給資格が得られ、兼業の場合は被用者年金と重複受給できました。議員特権の象徴とも言われ、多くの国民からの批判を受け廃止されています。そもそも、議員の掛け金だけでなく自治体の負担金が前提にあって運営されていた制度。平成の市町村合併に伴い、急激に議員数が減少し年金財政が悪化しました。

 

  今、その地方議員年金に新しい年金制度設計の動きがあります。新しい議員年金制度に前向きなのが自民党。本部で「地方議員の年金を検討するプロジェクトチーム」を設け、全国都道府県議会議長会が今年7月、地方議員が年金に加入できるよう法整備を求める決議をしました。

 

 自民党、議長会決議の主張としては以下の点でされています。

①地方議員のなり手不足が問題。無投票当選者の割合が高くなったのは年金制度が無いのが原因の一つ。

②年金制度を時代にふさわしいものとすることが人材確保につながる。国民の幅広い参加を推進するため。

 

 当方の考えは、以下の理由で議員年金の復活には反対です。

①議員年金が廃止された時点ですでに議員年金を受給していた人には引き続き議員年金が支給されている。

②地方議員年金制度が完全廃止となるには、これからまだ50年ほどかかると言われている中で、多くの税金が議員年金受給権者への支給が今後も相当長く継続する。

③今、地方議員年金を新しい形(復活ではなく)で開始した場合、議員の厚生年金加入となり保険料の半分を税金で負担する事となる。全国で約170億円の税金負担が議員年金制度のために必要となるのは国民の理解を得られない。

④「議員年金が廃止されて、あらためて老後の生活が不安になった」と考える地方議員もいるようであるが、国民年金だけで生活できないというのであれば、自分たちの経済的保証を復活させる前に、国民年金制度改革をすべき。非正規雇用で働く人が増える中、議員が税金を使って年金保障を充実させることはおかしい。

 

 議長会が決議した「被用者年金」と「かつてあった地方議会議員年金」は内容が違うため、「復活」という意味ではありません。しかし、無くなったはずの地方議会議員年金が形を変え、厚生年金制度加入という仕組みで開始(再開ではない)されたら、納税者には「復活?」と思われるのでは?

 

 当方は議員年金制度を考える事は論議の前提としてはあっても良いと考えます。しかし、国民年金制度において受給額が非常に低い実態があり、かつ将来的に不安な状況がある中で、今、地方議員のみが厚生年金制度加入となるのは公平性からみて納得できません。

 

 以上の理由を持って、地方議員の厚生年金加入には「反対」と態度表明します。

 

 12月5日北区議会本会議において、「地方議会議員の厚生年金加入に対する意見書提出(年金制度開始の要望を国に行う)」については反対。各会派がどのような態度をとるかは、当方ツイッターなどでお知らせします。