北区議会議員の吉岡けいたです。


 社会福祉士の活用法について考えています。来月の第一回本会議定例会で、「地域コミュニティに専門職を活用すべきだ」というテーマで練っています。「社会福祉士を活用すべきだ」と切り込みたいのですが、どの事業にどういう力を発揮できるか、正直イメージがつきにくいと感じます。自身が社会福祉士であり、この資格をもっと社会的評価を高めるべきと考えているため、その評価が厳しめです。


 東京都北区では地域の協働関係を造るため、「支え合い組織」を導入する事に力を入れています。「ささえあいフェスタ」というイベントでは、健康体操、手話、バレエ、介護予防体操、子供支援、おこと、笑いサークルなど地域活動をしている団体が集結します。こうした地域活性化イベントは一過性ですが、生活課題解決、認知症高齢者のサポート、生活困窮者アウトリーチ、メンタル疾患を持つ方の就労支援など多くの地域課題があり、ここの解決を行政にだけ任せる事でなく、区議会議員と専門職、特に社会福祉士の活用を東京や日本全国で進めば貧困問題の解決も見えてくるはず。しかし、現状はまだそこまで行きません。


 これは個々の社会福祉士の責任では無く、全体的な課題と思いますが、行政や医療機関、各種団体から「社会福祉士の専門性はわかるが、実践力はいまいちわかりにくい」という評価があるように思えてなりません。例えば「新たな家庭福祉のあり方について」新たな国家資格創設について厚生労働省では検討されていますが、日本社会福祉士会では反対表明をしています。会としては「社会福祉士」を児童相談所、自治体の家庭支援を行う拠点に確実に配置する事を要望しています。しかし、本当に社会福祉士が児童支援の専門家として評価され、信頼されていれば、直接に依頼が来るはず。評価というものは要望や資格バッチで与えられるものでは無く、ニーズに合致する能力と実績で決まるものです。


 社会福祉士の対人援助スキルは素晴らしいものです。しかし、数字で見れば各自治体別社会福祉士会の加入率は20パーセント前後が多い状況。加入者がいても、脱会者が同じくらいいるという事は、組織として課題があると思わざるを得ません。就職には有利だけど、その知識とスキルが活用されていないと考える有資格者がいるのは原因があるはず。士業で加入率が20%という事は、これは根本的問題が何であるか向き合うべきです。


  当方が思うに、「対人援助」「支援スキル」「聴く力」は優れており、「当事者の立場に立って寄り添う」ことができるのは社会福祉士の素晴らしい面です。さらに現場ニーズに応え、求められる実践力を養うには「経営感覚」と「費用対効果」という福祉経営の知識とセンスを高めるべきです。限られた時間で、限りある財源を活用し、専門的な視点で自立支援を促しながら、貧困と社会的疎外に苦しむ人を包括的に地域で支える第一線で活躍するのが社会福祉士であって欲しい。さらに、当然そこには地方議員も入っているべきです。