北区議会議員吉岡けいたです。

 今まで[自治会町会の民営化は可能か]について考えてきましたが、今回は「地域商店のコミュニティビジネス」についてお伝えします。

 北区で新たに創業をする(考えている)人を応援する施設としてネスト赤羽(東京都北区赤羽1-59-9 03-3598-0571)が北区行政と連携して事業を行っています。北区における起業家支援の他、交流支援、ネットワーク形成を行っています。支援の一つとして、「コミュニティビジネス」があります。今回は、コミュニティビジネスについてのセミナーが9月と10月にあり、当方はそのうち3回に参加しました。

 王子地区、十条地区、田端地区において、「子育て応援塾」「子育てママの集うカフェ経営」「障害者の自立支援に施設と協働して作品流通を会社がフォロー」といったビジネスを行っている方々と実際にお会いし、お話を伺いました。

 コミュニティビジネスは、地域ボランティアとは違いあくまでも事業として商業活動をしながらも地域と関わっていく活動です。趣味のサークル、福祉ボランティアは個人や仲間で「楽しみ」「社会貢献」を目的に行われますが、事業ではありません。コミュニティビジネスは、営利を求めると同時に、「地域雇用の創出」「地域経済の活性化」「まちづくり」「地域組織や住民との共同」を合わせて目的とする事業となります。こうした地域ビジネスが北区内で大きく発展すれば、「子育て支援」「高齢者の居場所づくり」「住民ニーズの集約」といった地域課題でありながらも行政だけでは解決できない面を民間力でカバーできることとなります。

 「地域課題に向けた民間活力の導入」を提言すると、反対意見として、「行政の質の低下」「営利目的だと弱者が切り捨てられる」「公務サービスが悪くなり、事故が増える」といったマイナス面を訴える声もありますが、地域への民間活力導入は、公務を民営化するといった事だけでなく、民営ビジネスと公的機関の協働を進める視点評価すべきです。

 今回のセミナー参加で良かったのは、実際にビジネスを実践している人のノウハウをお聞きできたことです。

 「補助金・助成金は最初は頼りになるが、徐々に厳しい適用となる」「公的機関との関係は時間がかかるが、継続して関係がつくれたらチラシを置いてくれることも可能」「子育て育児と学習、リサイクル服販売はニーズがつながる」「一見、違った事業内容でも地域事業であれば掛け合わせて展開ができる」といった体験談は、実際に地域で事業を立ち上げ活動をされてきた人からでないと聞けない話です。

 私自身は議員としての活動があるので、コミュニティビジネスを今すぐ立ち上げることはできませんが、地域課題を解決するためには、何でも行政任せと法改正では無理なことは明らかです。行政でできる事を明確化し、民間を支援して協働する視点で地域づくりを進めるこそ、地域の自立を実現できることにつながります

 まだコミュニティビジネスについては課題も多く、志を高く始めたが支障にぶつかって展開ができなかった事例も多いと聞きます。しかし、こうしたやる気と企画力、行動力がある人を支援してこそ、地域の自立と民営化による「地域のきずな」が生まれるはずです。

 今回のセミナーで、複数の地域ビジネス団体と経営者、関係者とつながることができました。今後も区内を回り、多くの人とつながり、地域の自立と民営化について政策実現に向け活動していきます。