北区議会議員吉岡けいたです。区議会の見える化を推進するため日々活動しています。


  地方議会は国と違い二元代表制であり、地方議会は議員が行政運営の監視を行います。しかし、区議会議員の業務は行政提出の議案や予算決算のチェックだけではありません。提出された資料と議案の審査と同時に、区政に関係する社会課題について日々、調査を行い、問題提起に向けた提言をすることが業務です。


 議会の仕事の中で感じた「不可思議な事」の一つに、「意見書審議の実情」があります。一人会派所属議員は意見書審議について、一人会派所属議員は討論に参加できません。<政調会の最後で会派としての態度についてのみ求められます>


 意見書とは何か?について、下記に説明を致します。


※ 意見書とは?→ 地方自治法第99条において、地方公共団体の公益にかかわる事柄に関して、議会の議決に基づき、議会としての意見や希望を意見書として内閣総理大臣、国会、関係行政庁に提出できることとされています。議会会派発案だけでなく、市民等から意見書提出を求める請願が提出されることもあります。これについては請願の例により取り扱い、採択された場合は、議員発議で意見書を提案し、採択することになります。
 意見書には法的拘束力はありませんが、住民代表である議会の総意として尊重されます。



 各会派から提出された「意見書」(区政に関するテーマだけでなく、都政や国の課題、憲法や防衛に関する内容もあります)について、北区議会が提出すべきかどうかについて、政務調査会」において審議を行います。

 

 6月に開催されている北区議会の政務調査会では数件の意見書案を審議しましたが、一人会派所属の議員はオブザーバーとしての参加を認められているにすぎず、意見書に対する意見や質問、一切できません。実際は議長から発言が求められればできますが、今回は一人会派所属区議には発言は求められませんでした。


 いくつかの疑問を感じています。


一人会派所属議員は「意見書提出」ができるのか

★提出がされた場合、その意見書は「政務調査会」で審議されるのか?

★「政務調査会」で審議された場合、提出会派議員としての発言と提出趣旨説明は、議長の指名が無ければできないのか?

★議長からの指名が無い限り、提出した会派の議員が全く討論に参加できないまま、書面だけを持って他政党会派の議員意見だけで審議され、提出の採否が決まるのか?


 意見書に関する審議に関してもそうですが、

「幹事長会への一人会派所属議員が参加できないこと(傍聴も不可)」、

「本会議と常任委員会においても議員同士の討論が無い事」

 について、よく理解しました。議員となり、2か月を経て感じた実感は、

「議員同士の討論の場が無い!」という事です。


 会派に所属していれば、すくなくてもその中での意見交換は非公式の場ではあります。しかし、一人会派所属議員として、非公式に対話を求めたり、情報交換を個人的に行おうとしなければ全く意見交換(討論)が無い状況で、賛成」「反対」「異議なし」「同調」といった意思表明をいきなり公的に求められます


 本日、ニュースで早稲田大学マニュフェスト研究所が発表した

議会改革度調査2014ランキングを見ました。


 上位300位に入っていた東京都23区議会は、131位の新宿区217位の板橋区だけです。他21区は301位より下であり、北区議会は23区中11位でした。23区内で11位なら悪くないか?という意見もあるでしょうが、その場で仕事をする立場としては少なくとも上位5位に入るくらいの議会改革度を求めたいのが本音です。


 上記のランキング算出の評価要項の一つとして、議会機能強化ポイントがあげられています。

 議会本来の権限・能力を発揮するための機能強化状況が評価され、討議方法を工夫し、議論を活性化させること非常に重要視されています。


 しかし、当方は特に所属した議会を否定的には考えてはいません。長い時間をかけて、行政と議会の関係ができてきた面は尊重すべきとは思います。

もちろん、区民目線で見た改革度合いと情報公開の透明性は上げていくべきですが、まずは今の議会ルールを良く理解する事が重要と認識しています。よって、批判的な見解を示すよりは、まず現状認識を優先することを求めます。


 討論が無いと感じるのは一人会派所属議員であり、まだ経験が1期目なために議会のルールをよく理解していない部分もあります。討論の必要性、情報公開の大事さを理解しながらも、今のルールでできる活動をしっかりと行い、逆に多数会派から意見や協力を求められるくらいの実力持った議員になる事が自身に与えられた課題です。


 「身の丈に合った活動をしっかりと行い、区議会改革に寄与できるような実力のある議員になる事」を見据えて、明日からも実践を重ねていきます。今は、自身が参加できる会への出席、関係する委員会の傍聴参加を行います。