私は、「北区の行政改革」「地域コミュニティ活性化」「スポーツ教育」について、質問いたします。

 初めに、「北区の行政改革」について伺います。

 2015年5月17日、大阪都構想の住民投票が行われ、残念ながら賛成694,844票、反対705,585票の僅差で否決されました。新聞・テレビ局による世代別の投票出口調査によると、20代から60代は賛成が過半数を超え、70歳代以上のみ、反対票が過半数を上回りました。多数決による決定が民主主義の原則とはいえ、少子高齢化が叫ばれる現在、未来を担う若者、ファミリー世帯が投じた多くの賛成票が地方の改革実現につながらなかった事は残念です。

 否決されたとはいえ、大阪市における「無駄を徹底的に排除し、成果を意識した行財政改革」により生じた平成26年度の削減効果211億円、生活保護費における不正受給対策の徹底による歳出削減など、大阪市政における改革実績が多くの市民に評価されました。その結果が、大阪都構想の住民投票において、過半数に迫る賛成票が投じられた事と言えます。

 大阪市と東京都では、行政組織と財政構造の違いがありますが、多くの住民が財政健全化と持続可能な区政の運営を求めている点では、東京都も同じと言えるのではないでしょうか。

 そこで、北区における北区経営改革プラン2015を基本とした行政改革の取り組み状況について、以下5点質問します。

一、平成22年から26年まで実施された「新5か年プラン」による、これまでの実績を活かして、北区は今後どのように行政改革に取り組んでいくのか。
歳入確保と内部管理経費に関して検証、見直しを行い、「役割分担の見直し」と「内部努力の徹底」の下で取り組まれた「新5か年プラン」を踏まえ、さらに
新しい視点を入れて行政改革に取り組まれる事についての決意と方針をお答えください。

二、民間活力の導入について、一層の推進を図るため、給与事務と福利厚生事務の外部委託、窓口サービスの外部委託の他、今年度から指定管理者制度が導入された「北とぴあ」のような公設民営化だけでなく、さらに一歩進めた民設民営化の導入を積極的に進めていく決意はあるか。具体的な事例を出してお答え下さい。

三、新規採用職員の研修に経営改革プランの内容検討をカリキュラムに取り入れる等、市民感覚に近い目線で新しい経営改善のアイデアを生みだすような相違工夫が行政に必要と考えます。そこで、経営改革の推進を全庁挙げて取り組むため、行政組織トップ、管理職職員、政策経営担当職員だけで改革プランを推進することでは無く、現場で勤務する一般職員と若手職員からの「経営改善」に向けた提言を随時、改革プランに取り入れる事を行っていくべきと考えるが、いかがでしょうか。

四、複数の自治体で1つのアプリケーションを共同利用することで、ICT経費の削減が期待でき、法改正に伴うシステム改修がある場合に負担軽減が見込めます。そこで、庁内業務におけるICT経費の削減に向け、自治体クラウドを速やかに導入する事について、区のご見解をお示しください。

五、社会の変化に対応した行政改革を速やかに実現するには、5か年単位の改革プランでは対応できない課題が生じます。例えば、「区税における徴収率の向上」だけでなく、「課税調査の強化」といった、経営改革プランでは踏み込まれていない課題があります。そこで、この北区経営改革プランに記載がされていない新たな経営改革手法について、全庁を挙げて情報収集を行った上、他市区の先進自治体への調査を進め、実現可能な改革事項を見つけ次第、可能な限り随時導入する姿勢が必要と考えますが、区のご見解はいかかでしょうか?

 以上、北区行政の経営改革に対する施策の推進についてお答えください。

 大きく二つ目の質問は、「地域コミュニティ活性化」についてです。

 今年4月1日より新たな支援制度である「生活困窮者支援制度」がスタ―トしました。今までの社会保障と労働政策では、いったん社会保険の網から外れてしまうと、最後のセイフティネットである生活保護しか無く、生活が困窮する前に行う予防策が無い状況でした。「新たな生活困窮者支援制度」はこの問題を解決するために立案されたものであり、北区においては、社会福祉協議会内に「北区くらしと仕事相談センター」という相談窓口が設置され、就労部分については区から民間企業に委託が行われています。この制度の趣旨は地域において、複合的課題を抱えた困窮者に対し、個別丁寧な支援を行っていくことです。これまでの高齢者、障碍者、母子世帯と言った属性別に分けて支援する福祉行政と比べ、地域と行政のより強い関係が求められる事となります。

 さらに、高齢者支援について考えると、東京都における65歳以上高齢者について今後、2025年までに約300万人以上増加するという推計が総務省統計局から出されています。また、認知症高齢者数も現在の約345万人から今後10年で125万人増加するという将来推計が厚生労働省から公表されています。

 こうした地域の課題が多様化し、公的なサービスのみですべてを補うことが難しくなってきている中、お互いに支え合うしくみをつくる地域福祉の構築は、北区にとっての喫緊の問題であると認識します。

そこで、以下5点の質問を行います。

一、地域のきずなづくりに必要なコミュニティ活動の支援方法として、地域情報の提供方法を今後、どのように行っていくか。広報誌には紙面上の問題で情報提供量に制限があるため、今後、スマートフォンやタブレットといったハードウエア端末を活用した情報共有を行い、地域情報に関心の薄い世代層に対して積極的に新しい地域情報の発信を行う事が重要と考えますが、区のご見解はいかがでしょうか?

二、集合マンション住民に対する地域コミュニティ参加を高める施策(しさく)推進を具体的に考えているか。行政には、地域防災対策上の理由から、「マンション居住者の地域活動や地域防災訓練に対する参加」を促す取り組みが求められるが、具体的な働きかけを行政からマンション組合や不動産管理会社に行う考えはおありでしょうか?

三、町会・自治会の加入率アップについて、具体的にどのような手段を考えているか。町会自治会の活動について新転入者に対して、積極的に加入促進の案内パンフレットを配布するなど働きかけの強化し、町内会の活動内容ルールを住民に判りやすく説明する工夫などの取り組みが重要と考えますが、町会自治会に加入しやすい状況づくりに行政が積極的に協力していく事についてどのように考えているか。

四、北区社会福祉協議会ではコミュニティソーシャルワーカーの配置、「地区担当制」を導入し社会福祉協議会の職員が地域に出向いて「顔がみえる関係作り」を行うなど、地域活動を実践しています。地域の中で人を支援し、社会的に阻害された人が困窮しないようにするために、北区行政と社会福祉協議会が行う地域福祉については、目的と業務内容が重複する事業が生じる事が想定できます。これを踏まえて、北区行政と社会福祉協議会における地域福祉の今後の連携と情報共有の状況についてお聞かせください。

五、平成24年度から実施されている「地域見守り・支えあい活動」の課題として「見守る側の高齢化」「スタッフ不足」「登録者が増えない」等の指摘が、北区が発行した活動報告書の中でされています。「地域の支え合い」に若い世代と専門職を活用する視点が必要と考えますが、活動内容に関して、現在の活動方法の改善を考えているか。お答えください。

 大きく三つめの質問は、「スポーツ教育」について。 2014年2月に公表された「北区教育ビジョン2015」策定に関するアンケート調査によれば、「子どもたちの体力が低下している」と思う保護者が76%、「授業や部活以外に体力向上を行っていない」と思う保護者が67%という結果でした。また、教育スポーツの課題点として、公共機関や民間団体において体力向上における多くの取組がされる一方で、集められた根拠データと専門家の助言が、質量ともに膨大過ぎて、まとまりがなく、スポーツ教育における共通指針が策定されにくい事があります。

こうした状況の中でも、「子どもの正常発育を促進する最低限度の運動量を幼児から確保すること」また、「学校だけでなく地域が一体となったスポーツ実施体制を整備する事」が北区のスポーツ教育において、求められています。今回は、こうしたスポーツ事業における北区の体育行政について5点、質問いたします。

一、スポーツ教育における体験・運動の参加機会拡充について、「行政と北区体育協会との連携強化」と、「スポーツ推進委員活動の充実」をどのような方法で行っていくか。在でも、地域スポーツ組織との連携は行われていますが、「北区スポーツ推進計画」の中で地域の交流と連携・協働を今以上に促していくという基本理念が策定された中で、どのように北区体育協会との連携強化とスポーツ推進委員活動の充実を支援していくか。お考えをお示しください。

二、総合型地域スポーツクラブの現状について、現在設置がされていない王子地区と滝野川地区への設立を速やかに行う事が重要である課題と認識します。この中で、既存の赤羽地区にある「れっど☆しゃっふる」について、地域への浸透度を高めるため、広報活動を強化する必要があると考えますが、地域への周知方法をどのように工夫し、地域に根差したスポーツクラブとして地域での認識を高めていくか。また、今後、設立が検討されている新総合型地域スポーツクラブについて、広報支援だけでなく、指導者の人材育成や経営に関しても行政のサポートが必要と考えるが、こうした支援をどのように行っていくのか。説明を求めます。

三、中学校の部活動支援について、部活動指導補助員の配置時間を増やす事が事業計画の中で検討されているが、質の面でも部活動が充実するよう、体育顧問等の現場で指導する教員の指導力向上と授業を受ける側の中学生の満足度を高め事が必要と考えます。これを踏まえて、具体的な部活動支援において、部活動指導補助員と体育を担当する教職員との連携、また、中学生の部活動参加の充実をどのような工夫を持って行っていくか。見解をお示しください。

四、学校支援ボランティア活動推進事業について、地域のスポーツ組織で活動している人材を学校支援ボランティアとして活用し、地域におけるスポーツ力を教育行政に取り入れる事を考えているか。

五、区内中学校で必修教科となっている武道教育のあり方について、日本の伝統と文化の尊重だけでなく、礼儀と相手を尊重する態度を身に着ける視点からも重要である武道教育を今後どのように充実させていくのか。また、武道教育において教育現場における安全面の確保を得るための具体的配慮をどのように行っていくか。ご答弁ください。

 これで私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。