2015年4月の地方統一選挙出馬に向け、日々地域課題を考え、実践している吉岡けいたです。


 本日は昨日に続いて、「子供の貧困対策に関する大綱」について考えます。


 この大綱の重点施策は大きく分けて6つあり、「教育の支援」「生活の支援」

「保護者に対する就労支援」「経済的支援」「子どもの貧困に関する調査研究」

「施策の推進体制」に分かれます。


 このうち、教育支援の具体例として以下のものがあげられています。

1.学校をプラットフォームとした総合的な貧困対策の展開

2.幼児教育の無償化推進と幼児教育の質の向上

3.就学支援の充実 義務教育段階の就学支援充実と高校生奨学給付金制度

4.大学進学を支援する高校教育機会の保証を推進する奨学金、大学生への経済的支援

5.生活困窮世帯への学習支援

6.その他の教育支援 学校ネットワーク構築、夜間中学校の設置、子どもの食事、多様な体験活動機会の提供


 学校へのニーズ調査では、指導者、講話等の紹介を9割以上の学校が求めています。「地域ぐるみで子どもを育む社会」の実現が必要であり、当方は地域住民・企業・NPO・各種団体等の協力を得ながら、学校のニーズと企業の力をつなぐことが大切と判断します。


 上記の教育支援具体策は、貧困な環境から子供を守るための無償化、奨学金充実、経済的支援、制度の創設といった例が中心ですが、実際、子どもの貧困問題の解決を行うには、どこまで教育に関係する機関と関わる人(学校教職員や子どもセンター職員だけでなく地域住民を含めて)が本気で貧困問題に取り組むかが重要です。具体例6に「学校ネットワーク構築」とありますが、具体的にどんなネットワークか見えてきません。また、ネットワークは学校間だけで必要な事では無く、地域住民との関係充実、児童委員の活用、就職前職業体験に協力を依頼できる地域企業との関係づくり、子ども連れ去りなどの犯罪防止に向けた地域と連動した見守り体制づくりを行うべきです。こうした地域が作る「子どもの貧困問題対策」の姿が当方にはこの大綱に感じらません。


 テレビで、高齢者の孤独死を取り上げた「無縁社会」についての番組を見て感じた事は、「無縁社会」は高齢者だけでなく、全ての社会福祉に共通する恐怖だという事です。「社会的無関心」は貧困問題を進行させ、社会的弱者の生活を脅かします。


  単身高齢者と違い、子どもであれば両親が守っていて、学校が関わっているから安心というそもそもの大前提が崩れつつあります。当方には子供がいないため、子の教育に関して経験論から論じる事はできないのですが、実際、子どもの虐待事例裁判の記録を調べると、親自身の問題(経済だけでなく生い立ち、環境等)に問題があったと感じます。さらに、学校は教育指導より事務が大変で教師の労働環境が保たれていない、教師のサービス残業がハンパなく負担が大きい問題も出てきています。また、保育園について、「子どもの声がうるさい」「子どもの生活音がうるさいから保育施設を訴える」といった声や訴訟事例も生じています。


 上記、子どもを取り巻く社会状況の変化に対し、子どもの貧困解決について、

「奨学金」「給付金」「児童手当増額」といった給付額増だけでは解決しません。

「貧困指標の改善目標を示し、貧困率削減の数値目標を大綱に盛り込むべきだ」と主張する専門家もいますが、当方は数値目標を盛り込み、行政に対する給付負担を押し付けるだけでなく、地域全体で子供支援に取り組む社会環境づくりを推進すべきと考えます。これが当方が主張する「社会保障制度の適正化」です。こうした社会を実現するために、地方議員の存在があり、社会福祉士と言う資格があるのだと考えます。単に「福祉の充実」「安心して暮らせる平和な社会」「子どもが住みやすい環境づくり」とスローガンだけを訴え、具体的な解決策を示さず、地域福祉の改善のための実践をしない地方議員がいるとすれば、そうした議員を住民は求めていないはずです。