お題
クラシックでした 

※ピアノ演奏はフジコヘミングさんです


この動画から作品宜しくお願いします

ジャンル問いませんので
(俳句、短歌、ポエム、手紙、
エッセイ短編小説など)
ジャンルをお書きいただき
コメントにて作品をお願いします
ジャンルで一人5作品でお願いします
俳句5句、短歌5句などです
エッセイ、短編小説、ポエムなどは

1作品でお願いします

1作品でお願いしますとの事でした


では作品発表です

(短編小説)


題名 ピアノ

主人公 綾瀬美華(あやせみか)

美華の母 綾瀬ゆり(あやせゆり)


綾瀬美華は、フランスにある

パリ国立高等音楽院 パリ音楽院 

コンセルヴァトワール首席で

卒業し海外や日本でピアノコンサート

活動をしている綾瀬ゆりの一人娘

だった。

情感を込めた綾瀬ゆりの演奏は

ファンを魅了しコンサートを開けば

チケットも完売しCDも売れTVや

雑誌のオファーも数多くあった

そんな偉大な母をもつと美華は

まわりの人に

「あのピアニスト綾瀬ゆりさんの娘さん?」

と言われ自慢にもなり弾けて当たり前

などと思われ苦痛に感じる事もあった

当然母が首席で卒業した 

コンセルヴァトワールを目指し日本の

音楽学校で学んではいるものの

「それ、そこミスタッチ」

と先生に指導が入ると落ち込む美華

だった

久しぶりに海外ツアーから母の

綾瀬ゆりが戻ると連絡があった

美華の父親は同じ音楽家だったが

母の天性の素質を認めこのまま

小さな町で音楽教室をして

平凡な人生を送るより世界にでて

活躍してこそ母の為だと思い離婚を

して母を世界のピアニストの道を

極める事をすすめた。

今でも美華を通じて交流はあるが

父はその後平凡な人と別の家庭を

持っていた

「美華っ〜、会いたかったよう」

と母のゆりが玄関先でハグと頬に

キスの嵐をした

最上階のマンションからみる東京の

夜景は見事だった。

食事が終わり大きなグランドピアノ

が置かれたリビングで

「美華、ピアノ弾いて」

と母のゆりが言った

美華は母の得意なショパン革命を

弾いた

母のように〜母のような弾き方で〜

それを聞いたゆりは母としての

言葉ではなく一音楽家として

言い放った

「美華、あなたは私じゃないのよ

あなたはこのまま私の綾瀬ゆりの

影武者するの?」

その言葉に美華は愕然とした

「私はママの演奏を聞いてきた

ママのように弾きたいと思ってた」

「美華、目指すのと真似は違うの

真似は真似そこまでよ

よく考えなさい、ここがあなたの

音楽を一生の仕事に選ぶかの

分かれ道、多分コンバトに入れても

あなたは今のままじゃそこまでの

ピアニストよ」

母はそう言って部屋に戻った

美華は母の言葉に落胆を覚え

ピアノをダンと鳴らし泣いた

白い鍵盤に美華の涙が落ちた

母のように母を目指しただけなのに

なぜいけないのだろう?

美華は久しぶり父の雅也(まさや)に

連絡をして母のゆりに言われた事を

聞いて貰った

雅也にも母の前で弾いた曲革命を

弾いた。

それを聞いた雅也も言った

「何か、お母さんが言った事わかる

気がする、美華の演奏はお母さんの

コピーなんだよ、それじゃダメなんだ

お母さんはお母さんの演奏で

人に伝える、感動を呼ぶ演奏をする

美華は美華だけの世界で人を感動

させる弾き方をしないとそこまでの

ピアニストなんだよ」

「ママの真似はダメなの?」

「手本にして演奏をするのはいい

まんま真似なら美華らしさではない

美華は美華しか弾けない演奏を

しなきゃ」

「難しすぎる」

美華はなきベソを父に見せた

父雅也は

「君たち母娘はピアノの神様が

与えた天性の才能がある、それは

僅かな人しか与えられないもの

それを持つ人は必ず花開くよ」

父の雅也がそう言った

それから美華は母のCDは一切聞かず

自分独自の弾き方を模索した

何度も何度も〜

いつもここはママが強く弾いていた

箇所いつも確かめて弾いてくせに

なっていた事を徐々に気付いた

それでは母のコピーになると思った

そんな事を自分に言い聞かせ

左右に首をふり私の弾きたいように

語りたいようにそして何日かが過ぎ

滞在記間も終えまたフランスに帰る

ゆりに言った

「ママ、もう一度聞いて」

そう言って母に披露した

それを聞いたゆりは

「美華、それでいいのよ

まだ荒削りなところはあるけど

あなたらしさがでてきたわ

私はどちからと言うとピアノで

人に力強さを伝えたい動のピアノなの

あなたは違うと思うのよ

これからコンバトで学びなさい

そして私以外の偉大な音楽家の人達に

触れなさい、感じなさい

それがきっとあなたの才能を開花

させるわ」

そう言ってまた母は演奏に旅立って

いった。

美華はパリ国立高等音楽院 

パリ音楽院 コンセルヴァトワールの

試験に通り今はパリでピアノを

学んでいる

いつか、母綾瀬ゆりの良きライバルを

目指して〜

パリの空はいつの間にか秋が色付き

はじめ美華に優しく語りかけていた

いつの日か?母娘共演のピアノが

聞けるのもそう遠い日ではないかも

知れない


[完]

※この物語はフィクションであり実在の
人物・団体とは一切関係ありません

(俳句)

母娘でもピアノで競ふ巴里の秋

作こマメ

文字数制限の為に2回に構成します