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【初釜で感じたこと】
         
今年の初釜は、
濃茶が練り終わるまで
一切の声が無く
    
    
ただただ釜鳴り
茶筅の音
柄杓から湯が落ちる音

外の風
鳥のさえずり
庭の葉一枚が落ちる音

 

そして暖かなのに
ピーンと張る空気
その中で香と茶の香りがたち

一服のお茶を届けることが
叶いました。

 

日本は声の国だと神道の本から学び
妙に納得し
その説が気に入っています。

声の国とは
実は自分の声ではないのです。
自我のある声ではない。

 

 

だからお茶の世界でも
声を発するより
自我のない鐘や箸落としで

亭主に合図します。


その意味がなんだか凄く肌で分かる
時間でした。

更に言うと
午後の会は
子供たちに来ていただきました。

年少、年長、小1、小3、小5
全員初釜は初めてです。
同じように濃茶から始めると

3歳の子から全員最後まで
シーンです。


大人の会と全く同じ空気の中

濃茶という
初めて知る方には
あり得ない濃さの
抹茶が練り上がります。

 

流石に大人用に
練ったのですが
子供たちに飲んでみる?
と聞くと、、、、、

 

 

 

小5の男の子から
飲んでみる!と声があがり
口をつけます。

次客の小3の子に
茶碗がまわり
首を振っていたのにつられて一口

唇を緑に染めて
3歳の子に茶碗が回ると
自ら一口、、、

5歳の子にまわり
一口いただくと
全然苦くない、甘い。
もっと飲んで良みたい。

最後に息子にまわり
やっぱりその空気につられて
口をつけるのです。

なんと全員が
濃茶を体験できました。

 

静かにしてくださいと
一言も言っていないし
濃茶を飲んでと強制もしないのに

勝手に静かになり
飲んでみようかなと思わせるのは
茶道の凄さだなと思いました。

 

一昨年茶道を全く知らない
パリの子供たちに
抹茶を点ててもらったのです。

静かになり
抹茶も飲めたけれど
先に解説をしていただきました。

侍が飲んだ強くなって
集中力が増す
魔法の飲み物だよと。

そうしないと
苦くて飲めないし
静かにできないと現地の方の声でした。

そして本当に
空気だけでは
静かに待つことはできませんでした。

だから今回
偶然かもしれませんが
3歳の子からの席で

誰一人喋らず
濃茶の間中正座し
口をつけたことは

日本人のDNAなのかなと
不思議な感じがしました。

てなわけで
初釜の写真があまり
残せなかったのですが

少しおまけに動画を残しましたので

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