人生の寄り道達人/宮沢章夫(58歳) | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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寄り道の達人に憧れます。
多分、仙人級の寄り道達人は、みうらじゅんですが
以前取り上げた堀井憲一郎とかも、かなり良い寄り道具合です。
そして、今回の宮沢章夫も大変素敵な寄り道マンです。


「寄り道」とは何か?
それは「一銭にもならないような些細なことにどんどん脱線して行く」ことです。
人生の目標とか、より良い生き方とか、そういう真面目な話題とは関係無い事に
情熱を捧げたり、追い求めたりするのが人生の寄り道です。後には何も残らない。
堀井憲一郎で言えば「伊勢丹ではエレベーターとエスカレーターどっちを使う方が速いか」とか
「『文豪』と呼ばれる作家と『巨匠』と呼ばれる作家の違いとは何か」とか。
これ気になる人は是非『ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎』買おうね。

さて、宮沢章夫は私が15歳くらいの時に、ふらりと寄った本屋で知った人です。
著書『わからなくなってきました』の文庫が陳列されていて、手にとってそのままハマりました。
暇つぶしにはちょうど良い「どうでも良い話題」だらけのエッセイなのですが
コントユニットを結成していた人間だけあり、軽やかな文体で凄く読ませる本なのでした。

内容としては「美しい”だめ”とは何か」とか「胴上げは何故日常化しないか」とか
そんな事一体日常のどこで考えるんだよ、という他愛の無い話題なのですが
15歳当時、暇な時間ばっかり(勉強しないから)あった私としてはすごく共感しました。
今、大人になってみると、そんな事考える感性と余裕があった宮沢章夫を尊敬しますマジで。


その後のエッセイも「長すぎる資本論を何とかして完読するまでの雑談つき日記」
「脱線しまくりながら11年かけて短編を読む記録」とか
やっぱり心の余裕、時間の余裕を使って沢山脱線して行く宮沢章夫の色々が描かれます。
この脱線こそが本当に人生の寄り道だよなぁと思うと、めっちゃ羨ましい。
何よりその脱線をネタにして本を出してそれが売れるの羨ましすぎ。


でも宮沢章夫の顔はエッセイストとしてだけで無く、劇作家としてもあります。
実際岸田戯曲賞も受賞している実力がありますし、芥川賞候補に入ったことも。
寄り道以外のメイン街道もかなりしっかりしている人なのです。
また、自らが若者だった時の80年代文化を分析する「80年代地下文化論」講義
「ノイズ文化論」講義(どちらも東大での講義)も、本になっていますがすごく面白い。
東大生のふりして聴講潜り込みに行けば良かったです。


こういう「寄り道」をたくさんする人ほど人生が豊かで楽しくなるんだよなぁ、と
いつも宮沢章夫や堀井憲一郎の著書を見ると思います。すごく羨ましい。
男に生まれたらこう在りたい、という人の候補でもあります。
そういうわけで、宮沢章夫。
先日『長くなるのでまたにする。』という新しいエッセイも出たばかりですのでご一読下さい。


明日はまた日本の芸能人について。
なんかリストアップしたら沢山出てきちゃったから消化せねば。
どうぞお楽しみに。