齋藤孝さん著「読書力」読了。

 数冊本を購入したが、スタートダッシュの為に最適の本だった。印象に残ったフレーズとともに、それに対する感想・考察を述べる。

 ・基本的な本を読んでいないことは恥ずかしいという意識が学生同士のテンションを高くしていた。現在の日本では、何も知らないということは、恥にはならなくなってきている。本当は恥と感じて勉強をする方がお互いに伸びるのだが、「知らなくたって別にいいじゃない」という安易な方向に皆が向かっていくことで、総合的なテンションが落ちている。

・ペダンティック:衒学的。学問や教養を必要以上にひけらかす態度のこと。現代は子の言葉自体が死語になっている。というのは、知らないことを恥だと思う文化自体がなくなってしまったからだ。

⇒現在の職場は優秀な人が多い。それは頭の回転の速さもだが、絶対的に語彙の量が多い。意味は分かるが、自ら使うことはできない言葉の応酬、また知らない語彙もあり、それを隠れてネットで調べることも多い。そういったテンションの高い職場にいることは幸せだ。今の職場の良いところ。ペダンティックではないのがまた良い。

 

 ・読書よりもサブカル系の軽いエンターテインメント文化を知っているほうが、若者にとっては大事なこととされていった。

⇒「こち亀社会論」に同様の記載あり。サブカル系が市民権を得て、それが文化資本とされていたことがこち亀から分かる。

 

・暗黙知:自分ではなかなか意識化できないが、意識下や身体ではわかっているという種類の知。言語化しにくいけれども何となくからだでわかっているような事柄は、私たちの生活には数多い。本を読むことで、この暗黙知や身体知の世界が、はっきりと浮かび上がってくる。自分では言葉にして表現しにくかった事柄が、優れた著者の言葉によってはっきりと言語化される。こうした文章を読むと共感を覚える。

⇒少し遠いかもしれないが、暗黙知のようなものを言語化するのが社会学。暗黙知が言語化され、自分にすんなり落とし込まれるのは快感。シリアスレジャー、プロセスエコノミーはその類。

 

・スポーツで厳しい、しかし合理的な練習をしているときは、心地よい緊張感がある。その練習をし終えた後は、エネルギーを燃焼した充実感と上達の実感が残る。こうしたスポーツの時に得ることのできる充実感を、読書でもまったく同じように得ることができる。

⇒スポーツの良さを痛快に示している。ただきついだけではなく、頭を使った緊張感のある練習は継続しがいがあるし、終わった後の充実感もある。長時間やりすぎると、脳が使えなくなる。脳と体をフルで使える練習が最高。

 

・大勢を前にして、2、3分でかいつまんで意味のある話をする技術は、高度なものだ。書き言葉を全く修練していないと、普通はなかなか「意味の含有率」も高い話はできにくい。

⇒学生の前で話す際に感じる。書き言葉を話す修練をするため、インプットとアウトプットを繰り返したい。無理してでもみんなの前で話したい。

 

・ただ集まって酒を飲んで話すのも楽しいが、共通のテキストについてまじめに語り合ったあとに飲みに行くというのは、充実した時間の過ごしかた。

・本のプレゼントは、自分が気に入っている一文に線を引いておいて、そこに付箋を貼ってプレゼントする。その一言を読んでもらい、本という形で手元に置いてもらうだけで十分だ、というぐらいの気持ちでプレゼントする方が、相手には負担にならない。

⇒試してみたい。付き合ってくれる友人も本をプレゼントしたいと思う友人も多くはないが、それができるのが自分にとって重要な人たち。