石川さゆりさんの歌を語る その13 風の盆恋歌 | 歌謡曲と叙情歌を語る

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今日は石川さゆりさんの「風の盆恋歌」をご紹介します。これまでさんざん石川さゆりさんが紅白で「天城越え」か「津軽海峡」ばかり歌わせているといってきましたが、実はNHKさんばかり批判はできないのです。聞いた話なのですが「天城」か「津軽海峡」を紅白で歌わせないと視聴者からクレームがくるそうです。つまり年末だから日本的な歌を聴きたいという視聴者の心理でしょう。しかし、お客様は神様だとは言うけれど、あんまりお客様のクレームに振り回されるのも考え物ですよ。それに、石川さんの歌で日本情緒のある歌だったら、「天城」「津軽海峡」以外にもたくさんありますよ。今まで紹介した「滝の白糸」とか、「鴎という名の酒場」とか。「風の盆恋歌」もそんな年末の雰囲気にピッタリだと思うのですが・・

 

おっと、愚痴が多くなりましたねw「風の盆恋歌」のお話をします。この歌の舞台は、富山県の八尾。ふだんはひっそりとした街並みなのですが、毎年夏の終わりに行われる「おわら風の盆」というお祭りが行われます。このお祭りの時は全国からわんさかと人が押し寄せるそうです。僕も生では見たことがないのですが、胡弓の調べと三味線に合わせて、人々がひっそりと踊りを踊るのです。その光景は幻想的な感じもします。このお祭りは300年前から続いております。

 

 

(八尾のおわら祭り)

 

このお祭りを見たいと全国から観光客が訪れるとお話ししましたが、昔はこのお祭りは知る人ぞ知るという感じで、そんなに遠くからわざわざお祭りを見る人は少数だったそうです。それが、このお祭りを有名にしたのが小説「風の盆恋歌」です。不倫がテーマなのですが、日本の情感を見事に描いた名作です。

 

そして、ダメ押しが石川さゆりさんの「風の盆恋歌」です。この歌と小説でおわら祭りは全国的に知られるようになったのです。石川さんの歌は小説「風の盆恋歌」をモチーフにした歌です。歌を聴いていると小説の内容がある程度わかってしまうので、小説を読んでから石川さんのこの歌を聴かれるのも、またよいかもしれません。

 

僕も一度は八尾に訪れたいと思うのですが、お金と暇がないのでなかなかいけないのが残念です。でも、機会があれば、ぜひ生のおわら祭りをみたいのですね。お祭りだけでなく、八尾の街並みも時の流れも忘れてじっくりと見てみたいですね。ちなみに東京都の杉並区西荻でも毎年夏におわら祭りが行われます。

 

 

(西荻の風の盆)

 

 

 

(八尾の街並み)