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プーラーの作製です。
材料は縞鋼板(開渠の側溝や集水桝に一時的に蓋をするもの)廃材で厚さは5ミリ。以前、これでスバル360のブレーキドラムをはずすプーラーを作ったのですが、曲がってしまい使えませんでした。
強度を保つため大きめにディスクサンダーでカットし、芯間65ミリで8.5ミリの穴を開け、中心に11ミリの穴を開けました。両サイドにある穴はブレーキドラムをはずすプーラーを作った時にあけた穴で、今回は関係ありません。
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また曲がるのではないかとおどおどしながら締めてゆくと、ほどなく「パンッ」と音がしてはずれてくれました。
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クラッチASSYもオイルでベトベトです。
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クラッチハウジング内部もオイルが飛び散り、クラッチASSYから茶色くリング状に飛散してます。
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クラッチASSYを分解します。ボルト6本をはずせば分解できますが、マニュアルではSSTで固定して、スプリングの力ではじけるのを防止するとありますが、そんなものは持っていないので、慎重にボルトを緩めてゆきます。
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はじけることもなく分解できました。左から、カバーユニット、ディスクコンプリート、フライホイールユニット。今回はカバーユニットの分解はしません。
ディスクがベトベトですね。これでは滑らないわけがない・・・線状にオイルが流れた跡が見えます。実はここ、オイルスリンガーと言って遠心力でオイルがディスクのフェーシング面に付着しないよう、外側はに飛ばしてしまう構造のようです。とういことは、最初からオイルがクラッチに回る前提の設計と言うことができます。まあ、その通り動作はしてますが。
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各部品を洗浄し、クラッチディスクの摩耗はほほとんどありませんでしたが、今回は交換することにしました。フェーシングの材質が違いますが、たぶんこちらの方が古いタイプと思われます。はずしたディスクは予備部品として保管します。
組み立てにはディスクの芯出し作業が必要となります。芯が出ていないとクランクシャフト・ピニオンギアに刺さりません。マニュアルでは、SSTを用いての工程となりますが、なくても実車に仮組して芯出しを行うことで事足ります。私はジャンクのピニオンとクランクシャフトがあるので、これを治具にして組み付けました。
写真はカバー側が下になっています。
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ノックピンの位置を合わせて組み付けます。
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6本のボルトを締めます。写真では下側にあり見えません。治具ははずしても大丈夫です。
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一応トルクレンチで締めました。標準トルクは1kg-m。完成です。
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レリーズフォークを分解します。固定ボルトを抜くとリターンスプリングが緩みます。
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反対側のスナップリングをはずします。
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レリーズベアリングホルダー抜止めのスナップリングをはずします。
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フォークが抜ければ、
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ホルダーが外れます。写真は裏返した状態、この爪にフォークが入ります。
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レリーズベアリングは少し音がするぐらいでスムーズに回るのですが、クラッチレバーとの接触面が摩耗し、熱を持ったか変色しています。回るのに摩耗?うーん謎だ。交換することにしました。
さてこのベアリングは24TK308aという型番。トヨタコロナRT40、RT50と共通部品で私はこれ用を入手しました。
マニュアルではホルダーからベアリングを抜くのにSSTが必要とのことですが、持っていないので、ベアリングの内径にあった工具を旋盤で削り出しました。
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ベアリングのふちをバイスにかけてホルダーを打ち抜きます。
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打ち込みは汎用工具で間に合いました。
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今回はカバーの分解はしないで、グリスニップルからグリスの充填のみを行いました。注入すると、なんとカバー内部にグリスが溢れてくるではあーりませんか!これは下手に注入するとクラッチにグリスがまわってしまうということで、分解時以外は注入しない方がよいということですね。グリスニップルを見ると注入したくなりますが、これは要注意です。
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カバーは洗浄台で洗って分解の逆の手順で組み付けます。