台風12号で被災した紀伊半島で8日夜から再び激しい雨が降ると予想され、崩れた土砂により川をせき止めている奈良、和歌山両県の「土砂ダム」2カ所は決壊する恐れが出てきた。二次災害を防ぐため、奈良県十津川村と五條市、和歌山県田辺市は計324世帯605人に避難を指示した。
これまでに出されている避難指示と合わせると、対象者は和歌山県新宮市の2万1千人など両県で2万7千人を超えている。
和歌山県南部では8日深夜、雨が降り始めた。和歌山、奈良両地方気象台によると、紀伊半島は8日夜以降、和歌山、奈良両県南部で1時間に最大40ミリの激しい雨が降り、9日午後6時までの24時間雨量は最大120ミリと予想されている。台風12号の豪雨で地盤が緩み、土砂災害などの恐れがある。
国土交通省などによると、両県内に土砂ダムが12カ所できており、そのうち2カ所が決壊する恐れがあるという。同省や気象庁は8日、奈良県の五條市南部や十津川村、野迫川(のせがわ)村など7村を対象に、土砂災害警戒情報を発表する基準の値を通常の半分に引き下げた。和歌山県でも基準値を通常の8割に引き下げた。
五條市大塔町の十津川(熊野川)支流にできた土砂ダムは7日時点で、川床から堤までの高さが約120メートルに達している。国交省によると、高さが100メートルを超す土砂ダムは過去にほとんど例がない。水面からの堤の高さは6メートルしか余裕がない。この地域でさらに60ミリの雨が降ると水があふれ、土石流が起きる恐れがあるという。下流にある十津川村は上野地、長殿など計7地区の504人に避難指示を出した。
同県野迫川村も、檜股(ひのきまた)地区の川に土砂ダムができる可能性があるとして、職員が川の状況を監視している。危険と判断した場合、バスで下流の住民18人を避難させる態勢を整えた。
和歌山県田辺市は8日夜、近くに土砂ダムができた熊野(いや)地区の19世帯30人に新たに避難指示を出した。
一方、同県那智勝浦町で8日、男女各1人の遺体が見つかり、同県の死者は40人、全国の死者は9県で56人。行方不明者は和歌山、奈良、三重、鹿児島4県で55人。和歌山県警は8日、連絡が取れなかった101人のうち74人の無事を確認したと発表した。
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