MINKABUに載っていた『日本企業が「脱中国」へ…欧米企業は「生産拠点の移転加
速」日本政府もサプライチェーン分散と国内回帰を支援』という記事を読んで思った
ことを書いておく。
記事の主旨は、「欧米企業が中国からの撤退を進める中、日本企業の撤退がなかなか
進まないこと、その背景を指摘し、現在の状況も踏まえると、更なる政治的後押し
が必要ではないか」といった内容。
オレは製造メーカーに勤務しており、オレが勤務する会社も、会社が所属するグルー
プ各社も、中国にそれなりに大きな規模の製造拠点を持っている。上記、MINKABU
の記事によると、2024年度の帝国データバンク調査では、1万3000社以上の日本企業
が中国に進出しているということなので、そのうちの1社ということだな。
オレが勤務する会社では、20~30年ほど前に中国拠点を立ち上げたが、その頃は中国
拠点と並行して、日本国内の拠点でもそれなりの生産を維持していた。
だが、2009年からの悪夢の民主党政権下で狂ったような円高が進行する中、国内製造
ではコスト競争力が無くなり、結果、国内拠点を大幅に縮小して中国生産に軸足を
移した(いま円安が進んでいるが、これを「円安=日本の国力が落ちた」と語る評論
家が一定数いることには本当に驚く。円安が日本の高度経済成長を支えていたことを
どう考えているのか。「円安=日本の国力が落ちた」論を語るヤツは無知蒙昧の阿呆
なので無視して良いと思う)。
その結果、今になって問題が出てきている。
近々に始まったことでは無いが、中国の人件費がそれなりに上がって来ており、コス
ト競争力は落ちている。また、政治情勢によって地方政府から嫌がらせを受けること
もあり(急にある工程は環境に影響があるのでやってはダメだ、とかな)、決して安
定的に安心して製造を続けられる環境とは言い難い。
そして、中台リスクである。日本企業の中でも、しっかりしたメーカーは、既にサプ
ライチェーンから中国を外す具体的なアクションを進めている。新製品の部品は中国
以外の工場で生産したものに限るとか、既存の製品の部品でも中国以外に生産移管
を求めるといったことが進められている。
(ただ残念ながら、メーカーによっては中国にハマりすぎており、全く移管が進まな
いところもある。中国に積極的に進出してきた某有名弱電メーカーなど、どうするつ
もりなんだろうな。購買と話をしたことがあるが「中国がダメになったら、ウチは
死ねばもろともですよ」と悲しそうに笑っていたので、ツッコみようが無かったが)。
今、日本企業は脱中国を強力に進めるべきなのに、その動きは鈍い。今日のMINKA
BUの記事では、その原因を「危機感の無さ」に求めていた。これはその通りだが、
もう1つ理由があると思う。
それは、経営者のメンツだ。現在の経営者は、当然、過去の経営者に選ばれて経営
をしている。場合によっては、過去の経営者がまだ会長職で残っている会社も多い。
日本企業の風土を考えると、過去の経営者が強力に中国進出を進めた場合、現在の
経営者がその方針を覆すことが難しいのではないか。
記事ではこの状況を突破するには、政治の力で脱中国を進めるべきと論じているが、
これはその通りだ。日本政府が今まで以上に強力に脱中国を支援するのであれば、
経営者もメンツを守って撤退が出来る。
幸い、高市政権下で中国が完全に発狂状態になっているのだから、この機会を活か
さない手は無いよな。高市の支持率はやたら高いが、実際どの程度の見識を持った
政治家なのか、この問題への対応も、1つの判断材料になるのではないか。