発達障害児の生活に根性論は合わないと思う。 | 日記

日記

知的な遅れ&自閉症&ADHDの診断が下りている息子を子育て中。

基本的にネガティブなこと、愚痴などしか書いてませんので、悪しからず…。

知的な遅れのある自閉症&ADHD児を育てています。


たまーにいらっしゃる。

支援者の先生側に(特に学校の、しかも特別支援学級担当の先生方やスクールカウンセラーの先生でさえ…)。


発達障害児が学校でのストレスで不穏になっていたり、癇癪が起きていたりするのに、


「お子さんも段々と慣れていきますよ」

「社会に出たら怒られたりもするから、今から慣れていかないと」

と言う人たち…



私はそういう言葉を聞くと

「いやいやいや、それは違うのでは?」

と思う。


慣れでどうにかならないから、障害なのに。


環境をその人に寄せていって、初めて障害が障害でなくなることがあるかも、というくらいなのに。


なぜ発達障害は「慣れ」でどうにかなると思うのだろう?


足が動かない人に対しては「ひたすら練習して、重力に耐えれば慣れますよ」なんて言わないじゃん。


例えば、私の知り合いの人で足が全く動かない人がいるが、車を運転している。


どうやって運転しているか。


手のみで運転できる車に乗っているからだ。


環境をその人に寄せたから、

"車を運転できない"という障害が、

障害でなくなっているのだ。


足は動くが運転が苦手な私なんかより、よっぽどその人の運転の方が安心して乗れる(何度かその人の車で移動したが、めちゃ安定感、安心感のある運転をされていた。私よりもよっっっぽど上手かった。

私ももしかしたら、ノロノロ走ってOK、運転席が車の真ん中にある、車が全て小さめ、標識がもっともっとわかりやすい等、環境側が私寄りに整えば、今よりも上手に運転できる様になるかも知れないけど)。



なぜ、こと発達障害となると、本人の"慣れ"を期待するのだろう。


目に見えない障害だから?


じゃあ、あなたが虫嫌いだったとして、

虫がたくさん入った部屋に閉じ込めたら、慣れることができる?


恐らく想像もしたくない程では?

恐らくそんな部屋に閉じ込められたら発狂すると思う。


ストレスだらけの環境に居続けたら、

おかしくなるのも当然。


癇癪だって起きるし、不穏にもなるさ。



自閉症児に「怒られることにも慣れていかないと」「偏食があっても、少しずつ慣れていかないと」とか言うのって、

そういうストレスだらけの環境に放り込んで、ひたすら発狂するまで耐えさせているのと同じなのでは?と思う。




そもそも、まず本人が扱える道具や環境を揃えてあげたのか?


本人が扱えないものばかりを揃えて

「さあやってみて!慣れだよ!」というのは

そりゃ無理な話。


先程の車の話だってそうでしょ?


本人が扱える道具や環境を整えて、初めて練習ができる。

それで本人がやっと力を発揮できるものだと思う。




そして、忘れちゃならないのが、

発達障害児にも、ちゃーーーんと意思や感情があるということ。

ちゃんと自分のことは自分で選択していきたい気持ちがある。


子ども、特に自閉スペクトラム症+言葉の遅れがある子相手だと、意外とここを忘れがちな人、多いのでは?


特に自閉症児は無表情がちで、意思表示が苦手ない子も多いから(ニヤッとしたりはあるけど)、

大人側が忘れがち。


でも、色んな表情が絵で描かれたシートを見せながら、「今どんな気持ち?」「学校にいる時はどんな気持ち?」と聞くと、

無表情のまま"疲れた😮‍💨"とか"楽しい!😆"の絵を選んでくれる。


そして、好きな靴下を選ばせれば、ちゃんと選ぶ。


この子達にも感情や意思がある。

癇癪だって、ある意味、無意識の意思表示だと思う(言葉では言えないし、言えたとて周りが"慣れて行こうねー"としか言わなかったら、本人のストレス半端ないよね)。


大人が環境を整えるのは大大大前提だけど、

本人に確認しながら整えていっているか?


本人の意思を無視してない?

(嫌なことを嫌と言えない、嫌なことを好きと言ってしまう特性にも要注意!慎重に見極めが必要)


幸い、私が今までお世話になった支援者の皆さんで「慣れますよ」という言葉を使ったのは、一人か二人くらいだ。


他の方は絶対その言葉は使わず「私たち大人側が負担を調整しないといけない」という言葉を使っていた(そういう"本物のプロ"を、私も根気強く選んできた自負がある。見極めるのが大変だった)。


更にちゃんとわかってる先生であれば、例えば「負担を減らす時は、"今○○君、学校きついね。○曜日は早く帰りますか?"とちゃんと本人に確認すること」と付け加えてくれる。

本人の人生だもん。本人の意思をちゃんと尊重しようとする。

本人の納得感を大事にする。


発達障害児育児で安易に「慣れさせないと」「怒られるのに耐える力を身につけさせないと」というご意見は、

私は鵜呑みにせずに、参考程度に聞く様にしている。


要注意な言葉だと、私は思う。