三輪芳弘さんは、グループの総売上が4,000億円を超える、日本でも有数の複合企業・興和株式会社の5代目となる社長です。

興和と書くとピンとこない人もいるかも知れませんが、コルゲンコーワやキャベジンコーワ、バンテリン、ウナコーワ、ホッカイロ、三次元マスク、そして薬局の前に立っているカエルキャラクターの「コーワ」と言えば、日本人ならほとんどの人が「あのコーワか!」と納得するでしょう。

 

 

 

キャベジンやキューピーコーワシリーズなど、大衆向けの医薬品などを製造販売してきたことで知られる興和株式会社。実は商社部門もあるなど、OTCだけに携わってきたわけではないことは意外と知られていません。そんな興和株式会社で代表取締役社長を務めるのが三輪芳弘さんです。
 

 

三輪芳弘さんの経歴

 

 

三輪芳弘さんは1955年10月30日生まれで、現在66歳です。三輪芳弘さんの祖父の代から興和株式会社が存在し、興和の名前がつけられたのは1945年のころで、三輪家の長男が代々興和株式会社を引き継いできました。三輪芳弘さんは慶應義塾大学、大学院を卒業後、1980年に入社、その後すぐに常務となります。その後は関連企業の取締役や副社長、社長を務め、1995年、興和株式会社の社長に就任します。他の会社で社会人経験を積んでから親や祖父の会社に入るのがよくある光景な中で、三輪芳弘さんは40年以上興和一筋、こうした英才教育もあったからか、三輪芳弘さんが40歳という若さで父親から社長の座を譲ってもらうことになります。
 

アベノマスク生産に奔走

 

興和株式会社といえばアベノマスクの生産を手掛けたことでも知られています。いわば国家プロジェクトを任された形となった興和株式会社でしたが、とにかくスピードのみを求められたことで、興和株式会社が定める品質基準で送りだせなかったことに対して、三輪芳弘さんは残念がります。とにかく量が欲しいと政府関係者に求められ、4月は5000万枚という数字に驚愕します。なんとか数を作り出すことはできたものの、品質までを保証することができない状態に追い込まれてしまいます。それでも生産して配ることが大事であると政府は考えていたこともあり、興和株式会社は職務を全うしたわけです。
 

 

地元への貢献に対する気持ち

 

三輪芳弘さんは愛知県名古屋市の出身で、地域の企業で組織した名古屋ロータリークラブの会長にも抜擢されています。三輪芳弘さんはインタビューの中で、「歴代会長をはじめとする諸先輩や会員の皆さんの協力をいただき、歴史と伝統を継承したい」と語っています。新たな新型コロナウイルスの治療薬の開発を行うなど、新型コロナウイルス対策にも乗り出す興和株式会社。三輪芳弘さんの頑張りに期待するとともに新たな感染症対策の治療薬を作り出すことで地域貢献につながっていくことを願うばかりです。