僕はまず料理のセンスがない。
色々なレシピを参考にしながら、
味も大雑把で、だいたいこんなもんかな…
程度の料理しかできない。
その味にについてうんちくを語る程
「食」に対して知らないし、興味もなく
知識も無ければ、探究心もない。
だいたい最近まで
「みりん」って何?
「ブイヨン」って何?
「出汁」を「でじる」と読む有様…
もしも自分が食レポなんてやった時には
まぁつまらないコメントしかできないであろう。
このコロナ禍で
今まであたりまえの生活の中にあった
外出、外食、飲み会等がまず激減し
まして人との接触までもが制限された。
そしてこの度
僕は肺がんという大病を患ってしまった。
「おうち時間?」「家飲み?」
百合子いわくステイホーム?なんて言葉も
あたりまえになってしまった。
しかし
人というのはその置かれた環境や境遇、状況で
よくぞここまで変化して行けるものだなと…
自分の場合は自分に都合のいいようにしか
変化はしていないが…
まぁそういう物なのかもしれないし、
それでいいのだ。
お父ちゃんの作る料理で
お世辞でもいいから美味しいと思ったベスト3
を高校生の息子くんに聞いてみた。
③ボロネーゼ
②ハンバーグ
①四川風麻婆豆腐
料理をしていると
今目の前のそこにある物に集中し、
夢中になって目の前にある事を
やり遂げなければならない。
その先には、笑顔があったり
しょっぱい事も、苦い事もあったり
言葉があったり、時には涙もあったり…
料理が美味しいとか
料理ができるとか、料理が好きとか、
家族がいるとかいないとか
そういうのでもなく、
何かをしなきゃいけないとかでもない。
何かに夢中になれる時間。
今の僕はその時間が
たまたま「料理」なだけである。
大病を患ってから
今この時間と瞬間を
僕はあえて「終活LIFE 」 と呼んでいる。
それをまた楽しみに変えている自分が
いるのかもしれない。
これでいいのだ。
高校生の息子がお世辞でもいいから美味しいと思った、お父ちゃんのNo.1料理「 四川風麻婆豆腐」