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大学受験、本当に残念やったね。
あれからふさぎ込んでるみたいやから、私もどう声をかけたらいいかわからないから、手紙にしました。

でも、いつも言ってるけど、これからまた頑張ればええやん。
来年からはきっと一緒に通えると信じとるから。

うちと一緒に東京に行けなくて悲しんでるのはよくわかるけど
本当はうちだって心細いんやで(笑)。
だって今までずっと一緒でそばにいてくれたから、うちだって頑張れたんや。うちが大学行けたんもそのおかげや。
1人で東京に行くのは不安もいっぱいやねん。

でも、きっと距離が離れても、心は一緒にいてくれるって信じとるから、頑張るわ。

そこで感謝の気持ちも込めて、この前1人で学校に行って、これを撮りました。
よかったら見てください。
自信作やで(笑)。
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僕はプレーヤーにディスクを入れた。

画面の中では制服を着た彼女が歌い、踊っていた。
見慣れた教室、校庭、そして屋上。
彼女がこんなに歌も踊りも上手かったなんて、恥ずかしながら知らなかった。いや、猛練習したのかも知れない。
僕は画面の中の彼女に釘付けになっていた。

彼女が歌っていたのは『制服と太陽』という曲。大好きな曲だと言ってしょっちゅう聴かされてたから、よく知っている。
思えば、彼女もまさにこの歌みたいな状況だったんだ。

彼女が東京の大学に行って微生物の勉強をしたいと言ったとき、周りは猛反対した。
彼女の両親は娘の東京での1人暮らしに対して強い不安を示し
担任はそんな勉強をしたって将来の就職には結びつかないし、彼女の成績ならもっといい進路があると反対をした。

当然彼女は反発したが、周りを説得することができず、僕の前でもその件で何度も泣いていた。

そんなある日、僕は彼女のご両親に呼ばれた。
要は、心配だから東京行きを諦めるように彼女を説得してほしいというのだ。

僕は意を決して言った。