【第3幕】

平手「病院の救急病棟に着いた美波は、廊下に立っている父親の姿を見つけました。その背後にある病室のネームプレートには『上杉ゆい太』の文字が…」

みい「やっぱり…どうして!?…」

平手「美波は恐る恐る部屋に入ります」

みい「ごめんくさい…」

平手「関西人の性でしょうか…?」

みい「もんちゃん…」

平手「部屋には、ベッドに横たわるゆい太と、その傍らでパイプ椅子に座ってうつむいているもん太の姿がありました」

もん「…来れたのか。意外と早かったな」
みい「ねえ…ゆいちゃんは…なんで?どうしたの?」
もん「…きれいな顔してるだろ」
みい「え…?」
もん「まるで眠ってるみたいだろ…本当にさ…」
みい「え…?まさか…??」
もん「実は…ゆい太は…」
みい「…う、うん…」
もん「…狸寝入りしてるんだ」
みい「うん。息してるのは見えたから、一体どうしたのかと思って」

平手「…くだらなくてどうもすいません」ペコリ
もん「何を謝ってるの」
平手「いや、雰囲気的に謝っておいたほうが無難かなと思って」
もん「続き行っていいすか」
平手「どうぞどうぞ」

もん「今日、野球部の練習に姿を見せないってことでうちに連絡があったんだ。でもゆい太は朝いつも通りに出掛けて行ってたから、心配になって探しに行ったんだ」
みい「そしたら、子供を助けて身代わりに車にはねられていた…?」
もん「マンガの読み過ぎだろ」
みい「一応原作だし」
もん「いや、似てる部分もあったとしても単なる偶然だから」
みい「そういうことにしとくのね」

もん「で、結局ゆい太は公園の木の枝に自分でロープをかけて…」
みい「ま、まさか…?」
もん「ハンモックを作ってそこで寝てたんだ」
みい「何やねん、それ!?じゃあどうして病院に居るん?」
もん「寝てるように見えたんだけど、どんなに読んでも叩いても目を開けないからさ、意識不明なのかと思って救急車呼んだんだよ」
みい「全く目を開けないの?」
もん「病院でいろいろ検査したけど異常は見当たらないし、脳波的にも目は覚めてるはずらしいんだけどね…」
みい「それで狸寝入りってわけか…そんなん、急所を一発蹴飛ばしたら目が覚めるんじゃないの?」
もん「傷害事件は止めてもらえますか」