【散骨の種類と特徴】

 

散骨は、大きく「海洋散骨」と「山林散骨」の2つの方法があります。これらは遺骨を撒く場所による違いです。さらに「空中散骨」や「宇宙散骨」があり、それらは細かく分類すると、「ヘリコプター散骨」「花火散骨」「バルーン散骨」「ロケット散骨」などがあります。

「海洋散骨」が現在ポピュラーなものとして認識されていますが、近隣への配慮から海水浴場、養殖場、漁場以外の場所で撒く必要があるため、船に乗船して沖に向かい、そこでパウダー状にしておいた骨粉を海に撒くのが一般的なスタイルです。船をチャーターする必要があるため、天候の悪化によって、出航を見送ることもあります。遺族が乗船して自ら散骨する方法と専門業者に依頼して代理散骨してもらう方法があります。「海洋散骨」は海にゆかりの深かった故人を弔う場合に人気の散骨スタイルです。

「山林散骨」は、山で散骨する方法です。散骨を規制する法律はありませんので、きちんと粉骨し節度をもって行えば基本的にどこでも散骨は可能ですが、他人の所有地で散骨することは論外ですし、国立公園や一般の公共公園、観光地、観光ルート、公共施設などでの散骨は禁止されています。それ以外にも、水源地での散骨は禁止されていますし、河川も禁止されています。一部の市区町村では条例によって散骨自体を禁止している場合もあります。そういった事情から、現在のところ「山林散骨」ができる野山が数多くないのも事実です。本来は「土に還る」という言葉のとおり、欧米のように大地に還すのが最も自然葬らしいものであると言えるでしょう。

「空中散骨」の中で、「ヘリコプター散骨」は、ヘリコプターで海上の上空から散骨する方法。「花火散骨」は打ち上げ花火の火薬と一緒に骨粉を入れて打ち上げる方法です。空中からの散骨ですが、海上に散らばり、海底に沈みます。

「宇宙散骨」については専門業者が存在しているようです。「バルーン散骨」は、バルーンにパウダー状の遺骨を入れて空に向けて飛ばし、成層圏に達して気圧が変化すると自動的に破裂し、成層圏から宇宙空間へ流れていく仕組みです。「ロケット散骨」は、ご遺骨をカプセルに詰めて、地球の周回軌道上までロケットで打ち上げ、宇宙ゴミにしてしまう方法。そもそも誰の許可が必要なのかさえ不明ですが、料金もかなり高額になるようです。

さまざまな散骨スタイルが登場してきていますが、散骨自体はご自身で行うこともできます。もちろん、専門業者に委託したほうがスムーズですが、ご自身で粉骨と散骨を行うことが禁止されているわけではありません。散骨できる場所は、海なら手漕ぎボートで沖に漕ぎ出すのがいいでしょう。海水浴場、釣り場、養殖場の近くでなければ、沿岸や砂浜でも可能です。海に撒いた骨粉はプランクトンを呼び寄せますので、魚の餌になります。また、所有している山林があれば散骨は可能ですし、極端に言えばご自身名義の自宅の庭でも散骨できます。他人所有の土地であれば当然ながら許可をもらう必要があります。ただし、一度撒いた骨を後日回収することは不可能です。将来的に土地を売却できなくなることを理解したうえで慎重に行う必要があるでしょう。どちらの場合も、近隣への配慮を怠ることなく、人目につかない配慮が必要でしょう。現行法においては、遺骨を細かく粉骨した状態では、遺骨という扱いではなくなるため、「墓地埋葬法」の適用を受けることがありません。ただし、遺骨をそのままの形状で散骨すると、法律違反になります。刑法第190条では、遺体遺棄を次のように定めています。「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてあるものを破壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する」とあります 。

私たちは、ご自身で散骨することを決してお勧めしているわけではありません。ご自身で行うのであれば、すべて自己責任になりますことをご理解ください。

 

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