【火葬後の遺骨からのDNA鑑定】

 

DNA(細胞内の核にあるDNA)は熱に弱く、千数百度の温度でDNAが完全に破壊されてしまうために火葬されたご遺体からのDNA抽出は不可能です。仮に、焼いた遺骨を公共の場所に放置したとしても、警察は身元判断ができません。それでは、火葬される前の人骨からDNA抽出は可能なのでしょうか?

2021年山梨県道志村の山中で見つかった未成年のものとみられる人骨の一部について、山梨県警がDNA型鑑定で身元の特定を試みました。ただ、専門家からの意見では、骨のDNA型鑑定は血液や皮膚などよりも難しく、発見された場所の環境や保存状態によっては、結果が出るまでに時間を要することもあるようです。一番大きな部分は、大腿骨頭になりますから、この部分が見つかっていれば鑑定ができますが、それ以外の小さな骨だけの場合は、鑑定が不可能なこともあります。

人の細胞には遺伝情報を含む染色体があり、染色体はデオキシリボ核酸(DNA)という物質で構成されています。DNAは人それぞれ異なるため、DNA型鑑定では、血液や毛髪などから抽出したDNAを専用の機器で複製したり増幅したりして配列を分析し、個人を識別していきます。皮膚や血液などと異なり、骨自体はカルシウムでできているためDNAはほとんど存在しません。関節部位の骨や太い骨であれば、内部の髄にDNAを含む白血球などが残っている可能性がありますが、頭蓋骨にはこうした髄も少ないので、まず鑑定はできません。さらに、DNAは時間の経過とともに劣化するだけでなく、紫外線や土中のバクテリアによって分解される可能性があります。夏になれば高温多湿となる環境で野ざらしだった場合には、骨からのDNA抽出はまずできません。

 

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