【アフリカの散骨】

 

アフリカには1500以上の民族集団があり、それぞれが固有の信仰と儀礼体系を持っています。 アフリカ大陸には、世界宗教の各派が分布していますが、今日のアフリカでは、その多くがキリスト教またはイスラム教の信者です。アフリカの特徴は、これらの世界宗教と土着宗教が混淆していることです。アフリカではしばしば自分たちの伝統的な信仰の実践と世界宗教を組み合わせた形で葬儀を行います。散骨は未だ広まっていないようです。

世界の主要な宗教の影響を強く受けていないアフリカ諸国には、まだまだ独自の宗教観が根付いています。死者を恐れていることは、故人の魂を鎮めるための弔いが行われます。大人数で盛大な葬儀を行ったり、参列者がそろって長時間踊り続けたり、大きな音で楽器を鳴らしたりといった具合です。日本人との感性の違いを突き付けられます。

特にガーナの埋葬方法は印象的です。ガーナの主要部族のひとつであるガー族では、古来より死後の世界が信じられています。故人が憧れていたものや現世での職業をモチーフにした棺を使用するそうです。例えば、ガソリンスタンドに勤めていた人を埋葬した給油機型や、生前漁業を営んでいた人の遺体が入った魚型の棺桶など、傍から見れば棺とは思えない、まるでアート作品のような個性的なものがそろいます。その反面、マサイ族のように墓を持たずに遺体を動物に食べさせたり、パプアニューギニアの先住民のように故人の体を食べてしまったり、身の毛もよだつような風習が残っている国もあります。

アフリカの民族文化では、肉体と魂の分離がベースになっています。肉体が消えてしまった後も、親族とともに祖霊として祀られます。祖先信仰は、宗教が生まれる前から存在する民俗信仰ですが、アフリカではこの考え方が強く残っています。基本的には教会や寺院といった特定の施設に人を葬るという発想はありません。もっと現世で生活する人間たちに近い場所に死者を葬るのがアフリカ原住民のスタイルです。叢の中に死者をそのまま放置することも行われていますが、一般的には死者は土中に埋葬されます。遺体は獣の皮に包んだり壺に入れて土の中に埋められます。埋める場所は家の中や戸口、近くの叢の中、通り沿いなどこれも様々ですが墓を作る部族もいます。墓にする場合は土葬した上に土を盛り、そこに獣の頭蓋骨、土器、石を積み上げるなどその部族の風習に応じて墓の形を作ります。ただし仏教徒のように墓所でお経をとなえるなど、その墓の周りで何かの祭礼を行う習慣はないようです。

エジプトでは王族のミイラが有名ですが、スーダンでは一般の民衆にも死者をミイラにする習慣が残っています。ミイラにした死者を部屋に安置し、親類縁者が別れを惜しむために面会に訪れる風習があります。このようにスタイルは部族によって異なりますが、共通しているのはアフリカの葬制は死者をいったん現世から葬ってあの世へ送り出し、いったん祖霊の座につけた後にあらためて現世で生きる子孫たちとかかわる関係を確立する二段構えの過程となっているということ。そして、生前での行いが死後の世界に影響すると考えられています。死者を祖霊とした後は、その子供を死者の生前の地位に就任させるなどして一族の後継を維持します。死者が生前に行っていた仕事が治療や、狩猟、音楽、占いなど特定のものであれば、子供がその後継者として同じ仕事を引き継ぎます。

その一方で子供のうちに死んだ者や、生前に悪い行いをした者、妖術使いなどは、正しい葬制のプロセスを経ていないため祖霊としての地位を確立できません。これらは行き場のないエネルギーのようにさまよい、ときには祟りを起こすなど生者に悪影響をおよぼすこともあると考えられています。その場合は悪魔祓いの儀式を行い、その悪影響を鎮めるための処置を行います。

※参考引用:日本人は知らない世界の葬儀事情~その他の国々編~株式会社加登
https://www.forever-kato.co.jp/topics/?t=000035

 

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