【ドイツの散骨】

 

ドイツは基本的にキリスト教が主流ですので、まだまだ土葬が一般的です。それでも、都市人口が増大して墓地が不足し、土葬によって地下水が汚染されたりする問題が浮上し、火葬が徐々に増えています。現在は50%が火葬です。ドイツの葬送はいままで法律や戒律による厳しい規制があり、ほかの欧州諸国に比べて「葬送の自由」はかなり制限されてきました。各州の埋葬法は、ナチス政権下の1934年に定められた埋葬法とその施行令を引継ぎ、遺体は必ず棺に納めて埋葬することが定められています。遺灰は骨壺に保管し、また骨壺は墓地に埋葬してその所在を届け出る決まりになっています。遺族が遺灰を一時的にでも手にすることは法律で禁止されているため、骨壺を自宅に置いたり、個人で搬送することは違法行為にあたります。どうしても遺骨を自宅に置きたい場合には、埋葬法が緩やかなオランダで火葬して骨壺を受け取り、こっそりとドイツに持ち帰る人もいるようです。

しかし近年、若者を中心に教会離れが進んだこともあって、変化が始まっています。土葬の際に棺の使用が強制されることがなくなったり、各墓地の判断にゆだねられたりするようになりました。ヘッセン州カッセル郡は、2001年に森林を墓地として使用することをドイツで初めて許可しました。メルヘン街道が通過する自然保護区域の国有林の中に指定されたこの「安らぎの森」は116haの広さがあり、「ドイツ安らぎの森」という団体が運営にあたっています。ここに埋葬を望む人は、生前に好みの木を選定しておきます。遺灰は、土中で分解しやすい素材でできた骨壺に入れられてその木の根元に埋められ、幹には故人を特定する小さな札が取り付けられます。この森林葬に対するドイツ人の関心は非常に高く、人気となっています。同時に、川、海、湖などに散骨したりすることも増えてきました。最近では、伝統的なスタイルだけでなく、個人の考え方を尊重したさまざまなスタイルの葬送が認められるようになりました。

 

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